2013/01/23 最愛の女性を思い続けた地 |
古の都、京都。 美人画で知られる画家、竹久夢二は、 この町で、代表作舞妓シリーズを描き上げました。 |
東京で、挿絵画家として活躍していた夢二が 失意を胸に、この地で暮らし始めたのは32歳、大正5年のこと。 |
彼を悩ませていたのは、最愛の恋人、彦乃の親。 離婚歴のある夢二は、彦乃の親に交際を反対され、 逃げるように京都へやってきたのです。 |
そんな淋しい毎日を埋めるように通った甘味処があります。 |
この店のしるこが大好きだった夢二。 ひとり食べながら、満たされない思いをこう日記に残しています。 |
「心のうちにぽかんと穴があきけり やがてそこへ涙が充ちてふわふわと 煙のやうなかなしみ充てり」 |
やがて夢二と生きる決意をした彦乃が、京都にやってきます。 |
愛する人とふたりで、しるこを食べた夢二。 幸せの味を噛みしめた、大正6年のことでした。 |
国:日本 京都府京都市東山区 人:竹久夢二 最愛の女性を思い続けた地 |
曲名:残されて生きる者
作曲:佐藤直紀 |