2013/08/28 疎開時代の地 |
富山県南砺市福光に、板画家、棟方志功がやって来たのは、 昭和20年、42歳のときでした。 |
その一年前、町の寺の襖絵を描き上げた志功。 東京大空襲にあった彼は、縁を頼りに、 家族とともに疎開してきたのです。 |
終戦後も、ここにしばらくとどまった志功。 物資が不足し、創作ができない日々に苦しみながら、 彼の意欲は、燃え盛っていました。 |
抑えきれない思いを示すかのように、 志功は家のいたるところに、絵を描きます。 |
「熱い勇ましい気持ちが、とめどもなく、 ポンプのように吹き出して来る」 |
トイレの天井や壁まで隙間なく埋めた絵は、彼の情熱そのもの。 その後、志功はベネツィアの国際美術展覧会で、版画大賞を獲り、 「世界のムナカタ」と呼ばれるようになったのです。 |
6年間の不自由な疎開生活。 ここは、棟方志功が芸術家として苦しみ、輝きを増した地でした。 |
国:日本 富山県福光町 人:棟方志功 疎開時代の地 |
曲名:ありがとうの言葉
作曲:久石譲 |