2014/02/19 抱かれた神の地 |
神々が初めて地上に降り立った地とされる、宮崎県高千穂。 ここに童謡作家、北原白秋がやってきたのは、 昭和16年、56歳のことでした。 |
九州に仕事でやってきた折に、 ふらりと高千穂に立ち寄った白秋。 この頃、彼は重い病に冒され、 視力を殆ど失っていました。 弟子に手を引かれ、この神の地を歩みます。 |
静謐な空気・・・ 溢れる命の息吹・・・ この美しい地に抱かれ、白秋は、 生きることの素晴らしさを感じました。 |
私ももっと生きたいのに―― 天を仰ぎ、彼は苦しい胸のうちを、歌にしました。 |
「天なるやくしふる峰、高千穂の 我はや死にせむ、この道に半ば」(「天なるや」より) |
白秋は、この地で暮らしたいと願いました。 しかしその思いを果たすことなく、翌年、生涯を閉じます。 高千穂は、北原白秋が晩年に出会った、夢の地でした。 |
国:日本 宮崎県高千穂 人:北原白秋 抱かれた神の地 |
曲名:夜の詩 第4番 京胡編
作曲:岩代太郎 |