2014/10/29 病床の母との再会、そして永遠の別れ |
昭和17年10月、作家・太宰治は列車に揺られていました。 |
向かったのは病床にある母親のもと。 重体の報せを受け、東京から駆け付けたのです。 |
体の弱かった母はその手で息子を育てることは できませんでした。 それでも、無頼を続ける太宰を誰よりも気に掛け、 守ってくれた人でした。 |
見る影もなく痩せ衰えた母の姿に 太宰は言葉を失います。 |
親戚が握らせてくれた母の手に触れた時、 彼は、堪えきれず部屋を出たのです。 |
隣の部屋で太宰は声を忍ばせ、泣きました。 泣いてはいけないのだと、自分に何度も言い聞かせながら。 |
太宰は、作品で、自らをこう責めました。 「甘ったれた芝居はやめろ いまさら孝行息子でもあるまい」 |
親孝行は何一つできなかった。 ここには作家・太宰治の、 痛恨の想いが深く刻まれています。 |
国:日本 青森県五所川原市金木町朝日山 人:太宰治 病床の母との再会、そして永遠の別れ |
曲名:Attracted to You
作曲:市川 淳 |