2014/11/05 「斜陽」を執筆した富士山を望む宿 |
海と山に囲まれた沼津。 ここに作家・太宰治の名作「斜陽」が誕生した宿があります。 |
既に流行作家として名を馳せていた太宰。 しかし、彼の飽くなき向上心は、 更なる高みを目指していました。 |
太宰は周りにこう言い放ちます。 「傑作を書きます。大傑作を書きます」 |
作品のテーマはすでに固まっていました。 それは恋と革命に生きる没落貴族の物語。 |
それでも、遅々としてペンの進まない日も少なくありませんでした。 悶々とした時間の中で、ふと眼を外に向けると いつも霊峰・富士が凛と見下ろしていました。 |
太宰は、作家としての頂点を、富士山に重ね見て、 自らを奮い立たせていたのかもしれません。 |
やがて名作「斜陽」は完成します。 己の頂きに辿り着いた太宰治。 この世を去る、1年前でした。 |
国:日本 静岡県沼津市 人:太宰治 「斜陽」を執筆した富士山を望む宿 |
曲名:終わらない夏〜夕暮れ
作曲:森 英治 |