第4章 マリー・アントワネットと子どもたち

 

フランソワ・メナジョ
《1781年10月22日の王太子ルイ・ジョゼフ・グザヴィエ・フランソワの誕生の寓意》

1781年10月22日、国王夫妻の嫡子の誕生に際して、パリ市は市庁舎の大広間を飾るための大型の絵画(203×414cm)を、画家メナジョに注文した。ヴェルサイユ所蔵の本作は、画家自身によってサイズが縮小されたヴァリアント〔異作〕である。1783年に開催されたサロンのリヴレ〔出品目録〕に記されており、フランス革命時に破壊された原作の寓意画の内容を我々に伝えている。
「賢明」と「健康」の寓意に先導されたフランスを象徴する女性像は腕の中に王太子ルイ・ジョゼフ・グザヴィエ・フランソワ(1781-1789)を抱いている。後方から「正義」と「平和」、「豊穣」の寓意が続いている。国王夫妻の肖像画で装飾されたピラミッドは不死の象徴であり、そこに「勝利」の寓意が王太子の誕生の日付を刻んでいる。

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