いよいよ待ちに待った春がやってきます。その春の到来を告げるのが、春一番という強風。しかし春は、この春一番に限らず、年間を通して強風の吹く回数が一番多い季節なのです。まさに春は風の季節!そこで今回は、この目に見えない風を「目がテン!」が果敢に科学しちゃいます。スタジオには日本テレビの天気予報でもお馴染みの木原実さんがゲストで登場、風の仕組みを易しく解説します。
矢野リポーターは逗子マリーナに足を運びました。よく言われる、海風、陸風が本当に起こるのかを見るためです。しかし、風はどうして吹くのでしょうか?空気には、1リットルで約1グラム、1m3で約1kgの重さがあります。その空気は温度によって密度が変化し、暖められると軽くなり、冷やされると重くなります。これを地球規模で見てみると、太陽の熱で地表が暖められ空気は、軽くなって上昇します。すると地表近くの空気の密度が低くなって低気圧が生じます。一方、上昇した空気が冷やされて地表近くに下りてきたところは、空気の密度が高くなり、高気圧となります。このときの高気圧から低気圧への空気の移動が、風の正体なのです。海風・陸風も、同様の原理です。昼間、太陽の熱で暖められた陸地と、暖まるのがゆっくりの海側とに温度差が生じ、海から陸へ空気が移動します。そして夜になると陸地は急激に冷えるのに対して海は温度を保ったままで、今度は海側の温度が高くなり、陸地側から空気が移動するというわけです。
この理屈がわかれば、季節風も実は海風、陸風の一種だったということがわかります。冬場、大陸は冷え込み、海は暖かさを保っているため、いわゆる西高東低の気圧配置となって北風が吹きます。夏になると立場は逆転して大陸のほうが海よりも暖まり、海から空気が流れ込み、南風となるのです。
| 風とは、温度の低いところから高いところへ動く空気の流れである!
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飛行機で旅行した事のある人ならご存知でしょうが、実は飛行機は東西に飛ぶ場合、行きと帰りで全然時間が違うんです。これは偏西風という、日本上空約10kmを西から東へと吹く風のせいなのですが、いったいなぜこんな風がずっと吹いているのでしょう?地球全体の温度分布を大まかに見ると、ご存知の通り、赤道付近が暖かく、北極南極は寒いです。すると赤道付近で上昇した空気が両極で下降するという、大きな大気の循環が起きます。そこで日本の上空には南から北に向かって風が吹いているはずです。しかし、実際日本上空に吹いているのは西から吹く風・・・。実はそこには、地球の自転が大きく関わっていました。地図上では下から上に進んでいる風も、地球が西から東へ自転しているために、実際には右に曲がる曲線を描いています。こうした力を「コリオリの力」と呼びます。この力により、南北に吹く風が、日本上空で西から東への風となっているのです。
| 赤道から北極への風が、地球の自転の影響で偏西風に変わっていた!
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風といえば恐い風の一つが竜巻。いったいなぜこんな渦状の風が起こるのでしょうか?湿った地表の空気が暖められて水分が蒸発して上昇気流が起きます。それが上空で冷やされて水に変化する時、潜熱と呼ばれる熱が発生します。これにより、上昇気流はますます激しさを増していきます。ここに周囲から空気が流れ込み、回転の力が生まれると、竜巻と鳴るのです。
スタジオでは、家庭でも簡単に作れるミニ竜巻製造機をご紹介します。まずダンボール箱を用意します。中が見えるように透明のプラスチック板などを貼り付けた窓を作り、箱の四隅に縦長のスリットと、天井部分に穴をあけます。その中に、お湯を加えて煙を出したドライアイスを入れます。そして最後の仕上げ、天井の穴から掃除機で箱の中の空気を吸い込みます。するとあら不思議、上空に吸い上げられた煙に四隅のスリットから空気が吹き込み、見事な竜巻が発生したではありませんか!危険ではありませんので、ご家庭でも、ぜひお試しあれ!
「風の歌を聴け」…どこかで聞いた事の有るフレーズですが、確かに風の強い日、電線なんかに当たった風の音を聞いた事のある方は少なくないと思います。これはカルマン渦、というものの仕業なのです。風の中に障害物があると空気の流れに乱れが生じて渦が出来ます。これがカルマン渦の正体です。
そして「目がテン!」では、なんとその棒状のものが障害物になった場合、その太さで音の高低が出る事が判明。0.1ミリ単位で棒を作れば、ドレミ…の音階も出るということ。
この前代未聞の実験に立ち上がったのは、魚住アナウンサー。パソコンやコピー機など日本のIT産業を陰で支える精密機械用の金属加工の会社に協力してもらい、それぞれの太さの棒を用意、東大の協力も得て、「さくらさくら」を、風と鉄の棒だけで演奏してみました。結果は大成功!ただドの下のシの音の棒を作るのをうっかり忘れて一音足りませんでしたけど・・・
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