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京都夏の味高級魚 ハモ
#636 (2002/06/16)
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これからの季節、夏の京都でおなじみの食材が高級魚ハモ。関西の皆さんにはおなじみのこのハモ、しかし関東ではさっぱりなじみが無く、魚屋さんにもほとんど置いていないのです。いったいハモってどんな魚なのでしょう?そして関西でしか流通していない理由とは?
矢野さんは早速京都に飛びました。ハモはウナギ目の魚、ということで、京都市内の川で野生のハモ探しです。しかし生きたハモは京都で全く見つかりません。それもそのはず、ハモは海で獲れる魚だったのです。
そこで矢野さん、徳島沖の瀬戸内海で行われているハモ漁に同行しました。夜、底引き網で獲るハモ漁。ついに現れたハモ!その正体は鋭い歯を持った魚。何と上あごには縦一列に歯が並んでいました。この鋭い歯で、カニなどの甲殻類を食べているのです。食べるという意味の古語“食む(はむ)”、この言葉がなまって、ハモという名になったと言われています。
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ハモは鋭い歯が特徴の、海に生息するウナギ目の魚だった!
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ウナギ目ならば蒲焼きにして食べられないかと、矢野さん、日本料理店にハモを持参しました。出来上がった蒲焼きはウナギそっくり。しかし、口にしてビックリ。小骨が多く食べられないのです。同じウナギ目のウナギ、アナゴも小骨は有るのですが、その数も蒲焼き40グラムあたり、ウナギ58本、アナゴ39本、ハモ63本と一番多く、しかも太くしっかりしているのです。これはハモが海底の土に潜って生活しているため、筋肉を補強するためこのように小骨を多く持つようになったのではないかといわれています。
そして京都では、この小骨の多いハモを食べるために、料理人が優れた技術を持っていました。その名も“骨切り”。なんと1ミリ間隔で、皮1枚残して身を切るという高等技術。これによって小骨が切り刻まれ、ハモも食べられるようになるのです。
しかしなぜ京都の人はこうしてまでハモを食べるのでしょう?その謎を解明するためにこんな実験。なんとハモをまる1日水の中から出しっ放しにしてしまったのです。9時間後まだ口をパクパクさせていたハモも、18時間後にはびくともしなくなってしまいました。やはり実験失敗?しかし24時間後水を加えると、なんとハモは泳ぎ出したのです!
ハモは皮膚呼吸が出来るのです。そしてこれが京都でハモが珍重された理由。冷凍技術の発達していなかった江戸時代でも、瀬戸内海から丸1日かけて生きたままハモを運ぶことが出来たので、内陸で生魚が乏しい京都でハモは珍重されたのです。
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ハモは1日水から出されても生きていける!これが内陸の京都で珍重された理由だった!
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