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大量出現!ボラを食す
#670 (2003/02/23)
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今月、東京は立会川に大量出現して話題になったボラ。しかし大量にいても食べられないのが難点。が、かつてボラは広く食べられていたというのです。いったいなぜボラは食べられなくなったのでしょう?今回の「目がテン!」はなんとかボラを食べてしまおうとチャレンジします。
江戸時代には広く食べられていたボラ。取りあえず食べてみなくては始まらないという事で、矢野さんが東京湾で釣れたボラを試食しました。が、泥臭くてとても食べられた代物ではありませんでした。いったいなぜでしょう?
そこでボラの内臓を見てみました。すると、胃が随分硬く、そして腸の長さが同じ大きさのスズキの優に2倍は有ったのです。実はボラは、泥を丸呑みし、内臓で、ケイ藻などを吸収しているのです。このため、泥の臭さが体に染み付いてしまうのです。土壌の汚染が進んだ近年、ボラは食べられなくなったというわけです。
ところが日本でも限られた地域ではボラは食べられていたのです。その内の一つ、長崎に矢野さんが飛びました。なんと頂いたのはボラ尽くし。お刺身に、フライに、味噌煮…これが実においしいのです。そしてなぜ長崎のボラは、泥臭くなく食べられるのでしょう?それは長崎のボラが産卵のため南の海に回遊してきたものだからなのです。海の泥は川の泥に比べて泥臭さが少ないため、海のボラは食べられるのです。
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ボラの泥臭さは、川や汽水域の泥を丸呑みするためだった!
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ボラと言えば、珍味カラスミ。これはボラの卵巣です。しかしボラ以外からもこのカラスミ、出来ないのでしょうか?そこで、タラコ、数の子(ニシン)、スジコ(サケ)の卵でカラスミ作りに挑戦しました。作り方はカラスミと全く同じで、塩漬けして天日干しするだけ。スタジオで所さんが試食しました。しかしいずれもパサパサしています。なぜなのでしょう?
そこでそれぞれの卵の中に含まれる脂質を測定してみると、100グラム中、タラコ4.7g、カズノコ6.7g、スジコ17.4gに対して、ボラの卵は28.9gとダントツに脂質が多かったのです。この脂質のお陰で、ボラの卵は海中に浮き、敵の多い海底から逃れているのです。そしてこの脂質が、あのカラスミのねっとりとした食感を生んでいたのでした。
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ボラの卵は海中に浮かぶため脂質を多く含んでいて、これがカラスミのおいしさの秘密だった!
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みなさん、“とどのつまり”という言葉の“とど”が、出世魚ボラの最終形トドから来てたって知ってました?ボラが育つとトドになるのですが、このトド、なかなか獲れない上に、美味だというのです。ならば見事捕獲して所さんに食べてもらいたいという事で、矢野さんは海に出てトド釣りに挑戦。しかし1日待っても獲れませんでした。しかしスタジオには、漁師さんがその後粘って獲ってくれた1匹が登場。所さんが試食しましたが、やはり泥臭さが多少残っていたようです。
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