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 科学で挑戦手打ちそば  #707 (2003/11/16) 

 秋は新そばの季節。実はそばが一番美味しい季節なんです。そこで今回はそばを科学。実は植物としてのソバは、なんとも不思議な植物だったのです。

 矢野さんは収穫真っ盛りのソバ畑を訪れました。なんとソバ畑は、山の斜面にあったのです。ソバはやせた土地でも育ち、さらに種まきから収穫まで2ヶ月しかかからない、とても便利な植物なのです。飢きん等の時にも役立つこのような植物を、救荒(きゅうこう)植物といいます。

イネとソバの収穫に必要な面積  そしてソバはタデ目タデ科の植物。あの「タデ食う虫も好き好き」のタデの仲間なのです。そのせいか花の臭いが臭く、スタジオでもその花から摂ったハチミツの臭さに、所さんがもん絶しました。

 そして矢野さんは1人前のそばを作るのに、いったいどれだけの面積が必要なのか、ソバを収穫してみることにしました。収穫する実は200グラム。するとなんと2平方メートルも必要。コメ(イネ)を200グラム収穫するのに必要な0.14平方メートルに比べると、実に14倍もの面積が必要だったのです。

所さんのポイント
ソバは種まきからわずか2ヶ月で収穫できる救荒植物。ただし畑には結構面積が必要!

工場も石臼

 そばの名店でそば粉をひくのに使っているのは石臼。ところが矢野さんがそば粉の工場を訪れて驚いたことには、なんと工場でも石臼を使っていたのです。いったいなぜそば粉には石臼なのでしょう?そこで、石臼を回す前後で石臼の摩擦面の温度を測ってみた所、1時間回してもなんと1度しか上がらなかったのです。そば粉は温度が上がると粉の中の脂肪が酸化し、味を悪くする脂肪酸が増えてしまうのです。温度上昇が少ないこと、これが石臼がそば粉に使われている一つの理由なのです。

所さんのポイント
そば粉をひくのに石臼が使われる理由の1つは、温度上昇が少ないことなのだ!

 俗に、「そばはのど越し」と言われます。「そばは噛まずに呑め」とまで言われることも。なぜうどんやラーメンではのど越しのことは言われないのでしょう?そこでこの、ゆでた3種類の麺(同量)を、アクリル板の上に載せて、徐々に傾斜を付けてみました。するとそばが一番最後まで残ったのです。これはゆでたそばの表面が、あとの2つの麺とは違ってザラザラしているから。そばのタンパク質にはゆでると溶け出すものがあるため、このようなザラザラが生まれ、このひっかかりがのどに引っかかり、独特ののど越しを生むというわけです。

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