涙々の産卵!?
ウミガメ
第736回 2004年6月13日
この季節から始まるのが、ウミガメの産卵
。その神秘的な姿に感動された方も多いはず。そこで「目がテン!」では2週にわたり、ウミガメの神秘の生態に迫ります!1週めの今週は産卵編。感動的と思われていたウミガメの産卵ですが、そこには
思わぬ真実が隠されていた
のです。
矢野島太郎(矢野明仁)が、屋久島にウミガメと会いに行きました。そして夜、海岸に産卵に来たウミガメと感動の対面。そして地元の研究機関の方に許可を頂き特別に、卵の出て来るところを見せて頂きました。そこで矢野島太郎がビックリ!数えてみたところ、なんと
ウミガメは一度に127個もの卵を産んだ
のです。
とうとうと涙を流すウミガメ
。しかしこれが
涙ではない
というのです。
舐めてみれば分かる
ということで、なんと矢野島太郎、舐めさせて頂きました。すると
とてもしょっぱかった
のです!
塩分濃度は9%。海水の3倍
もあったのです!
実はウミガメはエサを食べる時、海水と共に丸呑みします。このままだと血液中に塩分が残り危険なので、
目の所にある塩類腺という器官から、濃い塩水を涙のように排出している
のです。ちなみにペンギンなどの海鳥もこの塩類腺を持っています。
ウミガメの涙の様に見えるものは、体内の余分な塩分を塩類腺から排出しているだけ!
ウミガメは、なんと
深さ60センチもの穴を掘り産卵
します。これでは
産み落とされた卵が割れてしまう
のではないかと思うのですが、そこには予想もされかった工夫が。矢野島太郎が卵を触ると、なんとペコペコ。ニワトリの卵が、卵殻と卵殻膜で出来ていて、卵殻の方が分厚いのに対し、ウミガメの卵は卵殻膜のほうが厚いのです。なので柔らかく、ぶつかり合っても割れないのです。
さらに驚いたことに
ウミガメの産卵は、1シーズン1回だけではなく、複数回、最高6回もするそうです
。そしてさらに驚いたことには、
産卵ごとにメスばかりが生まれたりオスばかりが生まれたりする
んだとか。これは、60センチの深さに鍵があります。この深さだと、実は砂の中の温度は1日殆ど一定。そしてこの温度が
29度未満だとオスだけ、29度だとオスメス半分、そして30度以上になると全てメスが誕生する
のです。1シーズンを見ると、ちょうどオスとメスのバランスが取れると、こういうわけなのです。
ウミガメは29度を境とした砂の中の温度で、オスメスが決まる!
こうするとひと夏で、ちょうどバランスが取れる。
無事地上に出てきた子ガメは、暗闇の中どうやって海に一直線に向かうのでしょう?…この続きは次週!