日本一の湖
琵琶湖の魚
第735回 2004年6月6日
日本一の湖、琵琶湖。しかしその琵琶湖が今、大きな危機を迎えているのです。それは
外来魚ブルーギル
。
何年か前まではブラックバスが問題だったのですが、今やブルーギルこそが席巻している
のです。
琵琶湖にはここにしかいない、
固有種と呼ばれる魚が何種類もいます
。この中からフナ寿司(原料:ニゴロブナ)などの名物が作られます。しかしこの
固有種が現在急減中
なのです。これはなぜだろうか、と科学の素浪人・矢野左衛門が、琵琶湖の刺し網漁に参加しました。すると網にかかったのはブルーギルばっかり。その量にはただ驚くばかりでした。
青いエラ(ギル)
を持つからこの名の付いた
ブルーギルは結構小ぶりな魚
。なんと
ブラックバスの半分
しかありません。なぜそんな小さい魚が、ブラックバスから王者の座を奪ってしまったのでしょう。それには3つの理由がありました。
体、食性、そして子育て
です。
まずは体。
ブルーギルの背びれにはトゲがあります
。なので何でも丸呑みするブラックバスにも食べられずにいられるのです。
続いて食性。肉食で何でも食べてしまうブルーギルですが、なんと
魚卵まで食べてしまう
のです。番組の実験でも、普段まず遭遇することの無いイクラまでパクパク。対してブラックバスは魚卵を食べません。これもブルーギルがブラックバスに勝った理由なのです。
さらには子育て。
ブルーギルは産卵後、オスが巣を作りその卵を外敵から守る
のです。これはブラックバスにもあった習性なのですが、上2つの習性と合わせると、結果ブルーギルはブラックバスをも凌駕してしまうのです。
ブルーギルは他の魚の卵を食べ、自らの卵は守る。
さらに食べられない様に成魚には背びれにトゲが付いている!
何とかブルーギルを駆逐する方法は無いのでしょうか?矢野左衛門が調べてみると、なんと
琵琶湖にいるナマズが、強敵になりうる
との事。そこで琵琶湖でナマズを捕まえ、ブルーギルのいる水槽に投げ込んでみると、見事ブルーギルを食べたのです。これは
ナマズが口だけでなく食道も太いため、ブルーギルの背びれのトゲも引っかからない
ため。しかしそれではナマズを増やせばいいかというと、こんどはナマズが他の魚も食べてしまうとのこと。なかなかうまく行きません。
結局ブルーギルに
一番有効な対抗策は、捕って、食べてしまうこと
なのだそうです。そこで
佐藤アナがブルーギル料理に挑戦
です。ソテーに挑戦しましたが、腕前はともかく、見事所さんの舌を満足させたのです。
もともと食用で輸入されたブルーギルは美味しいのは当然。しかし日本では育ちが悪く身が少ないことと、そして
小骨の多い
ことなどが殆ど食べられない理由。結局
飼料止まり
になってしまっています。どうにかならないでしょうか。
ブルーギルはもともと食用に輸入された魚なので美味しい。
でも日本では育ちが悪く身が少ない!