ブルガリアヨーグルト
第742回 2004年7月25日
毎年夏休み恒例の海外特集。今年は
東欧の自然いっぱいの国ブルガリア
を矢野左衛門と佐藤アナが訪れました。2人の使命は
「ブルガリアの4色の秘密を明らかにすること」
。そして矢野左衛門の使命は
「1週間ヨーグルトを食べ続けて腸の変化を見ること」
。2週にわたってお送りするブルガリア特集、1週めの今週は
ブルガリアの代名詞とも言うべき、白いヨーグルト
を本場で徹底科学します。
佐藤アナは、ヨーグルト長寿説発祥の地、スモーリャンを訪ねました。
ブルガリアではヨーグルトは自家製のものを使っている場合が多い
のです。その作り方は、
40度に熱した
牛乳に残ったヨーグルトを継ぎ足すというとても簡単なもの。布でくるんで保温し2時間が経つと、もうヨーグルトが出来てしまうのです。
牛乳の温度を20度にしても60度にしても、ヨーグルトはうまく出来ませんでした。実は
ブルガリアのヨーグルトは、ブルガリア菌とサーモフィルス菌という2種類の乳酸菌の働きで出来る
ものなのです。そしてこの2種類のヨーグルトは、42度で最も活発に働くのです。他の菌はこの高温で働きにくくなるので、品質のよいヨーグルトが出来るのです。
ブルガリアヨーグルトは、40度の高温の牛乳で作られていた!
ブルガリアでは
何と料理にもヨーグルトが使われています
。というか、どんな料理にもヨーグルトが使われているといっても過言ではありません。スタジオにもヨーグルトの冷製スープと、ひき肉とジャガイモにヨーグルトを混ぜて焼いた料理が登場。所さんが試食。すっかりお気に入りでした。
矢野左衛門が調べてみてビックリ!なんとブルガリアではかつて
アリからヨーグルトを作っていた
というのです。いったいこれはどういうことなのでしょう?そこで再現に挑戦してみました。42度に暖め、ヨーグルトを継ぎ足した牛乳を2つ用意、その1つにアリを数匹入れたのです。そして布で包んで1時間後見てみると、なんとアリの入った方が、普通は2時間かかるところを1時間で固まっていたのです。
これは
アリの持つ蟻酸(ぎさん)のお陰
。ヨーグルトの2つの乳酸菌の内、
まずサーモフィルス菌が増殖し、この時蟻酸を出します
。
その蟻酸をブルガリア菌がエサにして増えていく
のです。なのでアリを加えるとこの蟻酸が加わるため、乳酸菌の増殖が早くなりヨーグルトが早く出来るのです。
ブルガリアヨーグルトは、アリを入れると早く出来る!
ヨーグルトはドリャンという木からも作ることが出来るのです。
ドリャンの葉を暖めた牛乳に2〜3回浸しただけで、本当にヨーグルトが出来てしまった
のです。
ブルガリアは温暖でなおかつ比較的雨の少ない土地
。これは乳酸菌が自然界で存在するのに良い環境なのです。なのでドリャンの様な植物の葉にも、自然に乳酸菌が存在しているのです。
ブルガリアで1週間ヨーグルトを食べ続けた矢野左衛門、腸内では体にいい善玉菌が増え、体に良くない悪玉菌が減少していました。
腸内の細菌数は絶えず一定
。
なので乳酸菌も含まれる善玉菌を増やすと、相対的に悪玉菌が減り、健康になれる
というわけなのです。