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マグネシウム で健康に
第818回 2006年2月12日


 皆さん、マグネシウムってご存知ですか?昔、カメラのフラッシュに使われていたり、学校の実験でも使ったりしましたが、あんまり印象が無いですよね。
 ところが、携帯電話やパソコンなどの電化製品や、さらには野菜やミネラルウォーターなどの食べ物にまで、実は身近にたくさんあるらしいのです。

 そもそもマグネシウムとは、一体どんな金属なのでしょう?スタジオに同じ大きさの鉄、アルミニウム、マグネシウムが登場しました。そして、所さんが持ってみると、なんと「マグネシウムが1番軽い!」というのです。
 実は、この3つの金属の中で、マグネシウムの比重が一番軽く、鉄の4分の1、よく軽いと言われるアルミと比べても4分の3の重さしかないのです。この軽さを生かして、現在では携帯電話やPHS、ノートパソコン、デジタルカメラなどのボディによく使われているのです。
 しかしマグネシウムには、ちょっと厄介な特徴があったのです。そこでこんな実験。まず二酸化炭素を充満させたビンの中に、火のついたロウソクを入れてみると、火は消えてしまいました。その理由は、酸素が無いからですよね。
水をかけて燃えるマグネシウム  ところが、このビンの中に、火のついたマグネシウムを入れてみると、なんとマグネシウムは激しく燃えだしたのです。さらに、燃えているマグネシウムに霧吹きのように水をかけると、なんとそれでも激しく燃え出したのです。一体、どうしてでしょう?
 その理由は、マグネシウムは二酸化炭素の中の酸素原子や、水の中の酸素原子を奪って燃えていたから。実は、マグネシウムは酸素ととても結びつきやすい金属なのです。
 しかしマグネシウムには、この燃えやすいという扱いにくさをクリアすれば、さらに優れた点があります。実は、我々の身の回りにも沢山あるアルミ缶には、胴体部分に約1%、フタの部分に約5%の割合でマグネシウムが加えられているのです。なぜ少量のマグネシウムが加えられているのでしょう?
 そこで、全くマグネシウムを加えていない純粋なアルミ缶を特別に作ってもらうと、所さんもびっくり。なんと、すごく柔らかいのです。実は、アルミにマグネシウムを混ぜると、マグネシウム原子がアルミ原子とくっついて、つっかえ棒の役目を果たし、変形しにくくなるというわけだったのです。

所さんのポイント
ポイント1
マグネシウムは、軽くてとても燃えやすい金属だった!
しかしアルミ等に少量混ぜると丈夫にする働きもあるのだ!


 実は我々ヒトの体にもマグネシウムは必要なのだそうです
 以前、矢野さんはカルシウム不足で骨がもろいと判明したのですが、実は調べてみると、ちゃんとカルシウムの必要量は食事で摂っていたのです。実は、矢野さんの栄養バランスを調べてみると、唯一マグネシウムだけ必要な量に足りなかったのです。マグネシウムは、摂取されたカルシウムと結びつく、“カルシウム結合タンパク質”という物質を作ります。もしマグネシウムが不足すると、このタンパク質も足りなくなり、カルシウムを摂取しても吸収できなくなってしまうのです。つまり、矢野さんのカルシウム不足は、マグネシウム不足が原因なのかもしれません。
 では、どのようにしてマグネシウムを摂れば良いのでしょうか?そこで、マグネシウムが多く含まれている食品を調べてみると、ホウレンソウなどの緑黄色野菜や、落花生などの豆類、また納豆・豆腐などの大豆製品に多く含まれていました。そして、断トツでマグネシウムが含まれていたのは、ワカメなどの海藻類だったのです。

所さんのポイント
ポイント2
マグネシウムが不足すると、カルシウムも吸収されなくなってしまう。緑黄色野菜や豆類、海藻などを食べることが大切なのだ。

 実は、海に豊富に含まれているマグネシウム。そこで、海のマグネシウムを使って、矢野左衛門が軽くて丈夫な刀を作りたいと言い出したのです。
 まず矢野左衛門は、食塩を作っている工場を訪ねました。実は、豆腐を固めるときにも使われる、塩の副産物“にがり”の中に、マグネシウムは多く含まれているのです。マグネシウム刀そして、にがりからマグネシウムを電気的に分離したり、さらに刀の形に加工したりと、日本全国の様々な専門家の協力を得て、ついにマグネシウム刀は完成しました。
 スタジオで披露となったのですが、なんと出来上がったのは小さなミニチュアの刀。実は、にがりからマグネシウムを電気的に分離するのは非常に時間がかかるの作業で、3gしか取れなかったのです。しかし、小さくても立派な純国産マグネシウム100%の刀が完成しました。ご協力いただいた方々、本当にありがとうございました。



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