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違う!天然 エノキタケ
第817回 2006年2月5日


 冬は鍋の季節。その鍋に欠かせないのが、シャキシャキしたエノキタケ。今や、シイタケ、ブナシメジを抜き、エノキタケの国内生産量は、キノコの中で第1位なのです。しかし調べてビックリ!天然のエノキタケは、私達の食べているものとは、似ても似つかないものだったのです。

 エノキタケは、カサが小さく、色も白くて、おまけにひょろ長い姿。他のキノコと比べると、ちょっと変わった姿をしていますよね。
 そこで、目がテン恒例!数えてみようのコーナー。100g分のエノキタケとブナシメジの本数を数えてみました。すると、ブナシメジは151本だったのに対し、一方のエノキタケは620本もあったのです。でも、この変な形のエノキタケは、一体どうやって栽培されているのでしょう?
 そこで今度は、矢野さんがエノキタケの農場に向かいました。すると、そこは農場というよりはまるで工場。なんとエノキタケは、プラスチックのビンに詰められて栽培されていたのです。実はエノキタケは、おがくずや米ぬかが敷きつめられた培養ビンに種菌を植え、さらに紙で巻いたりして4週間ほど培養すると、私たちが知っているエノキタケの姿へと成長するのです。
 さらに、エノキタケが栽培されている生育室という部屋に入ってみると、冷蔵庫のように寒い温度に設定されていました。なんと、その温度は5℃。実は、エノキタケは雑菌に弱いため、雑菌が繁殖しにくい低温下で生育しなければいけないキノコだったのです。それもそのはず、そもそもエノキタケは雑菌が少ない冬に成長するキノコ。だから、エノキタケは鍋の時期によく食べられているのです。

所さんのポイント
ポイント1
エノキタケは、ビンの中で紙を巻いて栽培されていた。
しかも冬に育つキノコなので、寒くて湿気のある環境で栽培しているのだ!


 エノキタケの別名は、「ユキノシタ」というのだそうです。そこで、「本当に雪の下に、天然のエノキタケが生えているのか?」探してみることに。
 早速、矢野さんがキノコ探しの名人と優秀な警察犬を連れて、1mも積もった雪の下から天然のエノキタケを発見すべく捜索開始。ところが、頼みの警察犬は初めての経験だったため来た道を戻ってしまい、あえなく脱落。そのため、残るは名人の記憶と経験だけが頼り。倒木や立ち枯れの木の根元を、積もった雪を掘ること数時間。ついに、天然エノキタケを発見したのです!
天然のエノキタケ  なんと天然のエノキタケは茶色くて平べったいキノコで、いつも見ているエノキタケとは色も形も全く違うキノコだったのです。
 実は、天然のエノキタケはメラニンなどによって茶色になり、紫外線から身を守っているのです。つまり、天然エノキタケは日焼けしているようなもの。これに対し栽培のエノキタケは日陰で栽培しているため、細長いものになってしまうのです。
 ならば、栽培の白いエノキタケも日焼けさせると、天然エノキタケのように茶色になるのでしょうか。白いエノキタケを、30分間日焼けマシーンに入れてみました。しかし、日焼けマシーンに入れても白いエノキタケは、天然のエノキタケのように茶色にはならなかったのです。その理由は、栽培された白いエノキタケは、紫外線にあたってもメラニンを作らせない酵素(SOD)の動きが活発なため、日があたっても色がつかないそうなのです。

所さんのポイント
ポイント2
天然のエノキタケは、雪の下など寒くて湿った場所に生える、茶色くて平べったいキノコだった!

 今や、国内生産量が第1位のエノキタケ。しかし、その用途は圧倒的に鍋が多く、夏になると売り上げが3分の1にまで下がってしまうのだそうです。
 そこで目がテン!が、そんな農家の方のお悩みを解決しようと、以前ブナシメジを干したらうま味成分が増えたことを踏まえて、干しエノキタケを作ってみることに。作り方は、とっても簡単。ほぐしたエノキタケを乾燥機に入れて2時間待てばOK。干しエノキタケちなみにご家庭でやる場合は、天日で6時間干して、電子レンジで1分加熱すれば完成なのです。
 そして、完成した干しエノキタケを所さんが試食してみると大絶賛。しかもスルメの味にそっくりだというのです。そこで味の成分を調べてみると、たしかにアミノ酸の組成が、イカとエノキタケでよく似ていたのです。しかも、不思議なことにスルメと同じ香り成分まで検出されたのでした。



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