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所さん仰天 スイカ 原種
第838回 2006年7月2日


 日本の夏の果物といえばスイカ。しかしスイカで邪魔なのがあの種子。何とか種子をカンタンに取り除く方法は無いでしょうか?そこで、今回の目がテンは、科学の目でスイカに迫りました。

 まず矢野さんがスイカ畑を訪ねてみると、スイカはトンネルと呼ばれるビニールの中で育てられていました。いったい、なぜなのでしょう?
 その理由は、温度。外の温度が25℃なのに対して、トンネルの中は、なんと37℃にもなっていたのです。実は、スイカの原産地はアフリカのカラハリ砂漠で、1年でほとんど雨の降らない乾燥地帯。砂漠生まれのスイカは、実は暑い環境の方がよく育つ植物だったのです。
 さらに矢野さんは、スイカ畑で小さなスイカを発見。重さを計測してみるとわずか1.2g。しかし、これが本当に7kgもの巨大なスイカまで成長するんでしょうか?
 そこで、カメラを仕掛けて定点観察することにしました。するとスイカは、みるみるうちに大きくなり、わずか5日間でテニスボールほどの大きさになってしまったのです。そして、さらにその後も成長を続け、10日間でなんと3500gの重さにまで成長したのです。実に最初の重さから比べると、約3000倍。例えばメロンは、同じ10日間でも、重さは550倍程度にしかなりません。実は、スイカはものすごく成長の早い植物だったのです。
スイカの原種  しかし、一体どうして、スイカはこんなに成長が早いのでしょう?実は、スイカの原産地であるカラハリ砂漠は、雨の降る季節が短いため、スイカは急速に大きくなる必要があったのです。
 さらに今回、貴重なスイカの原種がスタジオに登場。所さんが試食したところ、なんと原種のスイカは水っぽいだけで全然甘くなかったのです。それもそのはず、現地で原種のスイカは、水分を多く含むため水筒の代わりになっているのだそうです。

所さんのポイント
ポイント1
スイカは、原産地の雨季が短いため、すごく成長が早い性質をもった。
またスイカの原種は、とても水っぽいものだった!


 スイカで邪魔なのが、やはりあの種子。どうにか、簡単に取り除くことはできないのでしょうか?そこで、町の八百屋さんなどに聞いてみると、「スイカの種子は、黒いしまの下にある」というのです。果たして本当なのでしょうか?
 そこで、果物を切るプロ、フルーツカービングの達人にお願いして、黒い縞の部分とそれ以外の部分を丁寧に切り分け、その中の種子の数を数えてみました。するとなんと、黒い縞の部分にあった種子が235個なのに対して、縞のない緑色の部分は260個。実は、どちらも大して変わらなかったのです。つまり、残念なことに、黒い縞の下に種子があるというのは単なる俗説だったのです。

 では、なんとかして、邪魔なスイカの種子を取り出しやすくする方法はないのでしょうか?そこで今度は、体の中を透視する医療機械のMRIでスイカの中を覗いてみました
MRI映像  すると、スイカを横に切ったときの断面を見たところ、どうやら種子は、アルファベットのV字のような形で、6つ規則的に並んでいるようなのです。その理由は、スイカの種子はめしべの柱頭という部分から花粉管が伸び、その先に種子が出来ていくから。実はその柱頭の数が、ちょうど6つあるのです。つまり、スイカの種子の出来かたを考えると、横に切ったときにアルファベットのV字上に、必ず種子は並んでいるのです。
 ならば、このV字にそって切れば、断面に出てきた種子をとるだけで、種子のないスイカが食べられるはず!ということで、その切り方を佐藤さんがスタジオで実践してみました。
 やり方は、まずスイカを横に切った時に見える、種子のない維管束という3本の線を見つけます。そして、どの維管束からでも構わないので、そこから15度ずらしたところを切ります。すると、種子が並んでいる6つのV字のどれかに当たります。後は、スイカの種子のV字は、だいたい30度ごとに並んでいるようなので、そこから30度ずつの角度で切っていけば、全ての種子が表面に出て取り出しやすくなるのです。
 実際に、佐藤さんがスタジオで挑戦してみたところ、見事、たくさんの種子が断面に露出しました。そして、その種子をとり、所さんがスイカをかじってみると、なんと中に残っていた種子はわずかに1個!見事、このやり方で種子の少ないスイカが食べられたのです。

所さんのポイント
ポイント2
スイカの種子の並び方には、規則性があった!
それを利用すれば、種子が簡単に取り除けるスイカが食べられるのだ!





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