酔っぱらい
の七不思議
第859回 2006年12月3日
忘年会シーズン到来!この時期、お酒を飲む機会も増えますが、それと共に街に増えるのが
「酔っぱらい」
ですよね。うるさくてフラフラしている、頼りない彼らなんですが、実は
不思議な能力を持っている
ことがわかったんです!
今回の目がテンは、
酔っぱらいを科学的に(?)分析しちゃいました
。
なぜ酔っぱらいは、前日のことは覚えていなくても、ちゃんと家には帰れるのでしょう?
その謎をさぐるべく、街の酔っぱらいにお願いして
家まで追跡調査をしました
。
すると追跡した酔っぱらいは、電車で座り込んだり、家とは逆方向に歩き出したり、ついにはお寺の境内で寝始める始末。本当に、家まで無事に帰れるのでしょうか?
しかし午前3時。いろいろ回り道しながらも、
ちゃんと自宅にたどり着いたのです
。やはり、酔っぱらいの帰巣本能には何かありそうです。ところが次の日、昨日の行動を本人に見せてみると、なんと
全く覚えていない
と言うのです。では、なぜ記憶はないのに家に帰れたのでしょう?
その理由は、記憶の種類にありました。例えば、
「家に帰る道順」といった繰り返されている記憶は、「長期記憶」として、脳の「側頭連合野」という部分に蓄えられます
。一方、
数時間内に起きた出来事と言うのは、「短期記憶」として脳の「前頭前野」という部分に蓄えられる
そうなのです。
実は、アルコールを飲むと、「短期記憶」を蓄える「前頭前野」の機能は低下してしまうのですが、「長期記憶」を司る「側頭連合野」は、アルコールの影響を受けにくいようなのです。
つまり、酔っぱらいの
驚くべき“帰巣本能”
は、この脳が司る
2種類の記憶
の違いによるものだったのです。ちなみに、酔っぱらいは同じ話を何度もしますよね。これも短期記憶ができないからなのだそうです。
酔っぱらいは何も覚えていなくても家に帰れる!
その理由は、脳の中の「長期記憶」はアルコールの影響を受けにくいからなのだ!
酔っぱらうと、普段はおとなしい人でも陽気になりますよね
。一体、なぜなのでしょうか?実は、脳の中から
「ノルアドレナリン」
というホルモンが出ているからなのだそうです。
さらに、このノルアドレナリンは体力アップにも関係があるそうなのです。そこで、
酔っぱらいの握力を測定
。飲む前と飲んだ後の握力を比べてみると、
4人中3人の握力がアップしたのです
。
実は、ノルアドレナリンは筋力を最大限に使う指令を出す物質。しかし、その効果があるのは、適量までなのです。例えば、中ジョッキ1杯だと爽快さを感じます。そして、2〜3杯だと陽気になり、4〜6杯になると徐々にろれつが回らなくなったり、千鳥足になったりして、典型的な酔っぱらいになります。そして7杯以上になると、立てなくなったり、揺すっても起きなくなったりと、かなり迷惑な存在になってしまうのです。もちろん、一滴でもお酒を飲んだら運転してはいけませんよね。
飲み過ぎた翌日の悲劇が「二日酔い」
。二日酔いの原因は、アルコールが分解されてできる
「アセトアルデヒド」
という物質です。実は、頭がズキズキするのは、アセトアルデヒドによって血管が広げられるので、血管の横にある神経が刺激され、ズキズキ痛むという理由なのだそうです。
ということは、二日酔いをスッキリさせるためには、
アセトアルデヒドを分解してしまえば良いはず
。このアセトアルデヒドを分解するのは、肝臓。つまり、
肝臓の活動を活発にすれば二日酔いは解消できるかもしれないのです
。
そこで、目がテンが試したのは
「ハバネロ」
という、普通のトウガラシの6倍の辛さを持つ特別なトウガラシ。この中に含まれている、
カプサイシン
という辛味成分が肝臓を活発にする効果があるそうなのです。
そして実際に、二日酔いに悩んでいるサラリーマンの方にハバネロを半分食べてもらうと、なんと見事、二日酔いは解消されたのです。確かに、
ハバネロを食べる前と食べた後では、肝臓の血流量が明らかに増えていました
。
さらにスタジオでは、特製二日酔い解消ジュース(バナナ1本、グレープフルーツジュース100ml、オレンジジュース50ml、ピーチジュース50ml、ハチミツ40g、タバスコ10フリ)もご紹介しました。
二日酔いは、アセトアルデヒドが分解されないため起こる。
しかし、カプサイシンが肝臓を活発にすると、アセトアルデヒドを分解しやすくなるのだ!