知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


砂糖大豊作!! 牧場 SP
第966回 2009年1月4日


 放送1000回を迎える年を迎えた目がテン。そんな今年の干支は「丑」。ウシといえば、ケーキの材料を一から作るための目がテン牧場で育っている2頭の子牛、白元と黒元!今回はそんな牧場便りの第5弾です。

 初雪が降り、目がテン牧場にも厳しい冬が到来し、白元と黒元のエサとなる牧草は雪の下…。しかし、前回作っておいた「サイレージ」という牧草を発酵させたエサが完成し一安心!早速与えると、勢い良く食べ出す黒元。しかし、白元はなぜか食べようとせず、黒元が食べ終えるとようやく食べだしたのです。白元は次の日も黒元が食べ終わってから食べ始めました。食べる順番が決まっているのでしょうか?そこで、黒元を2ヶ月年上の先輩牛と同じ囲いに入れてみると、初対面の2頭はいきなり小競り合い。落ち着いたところでエサを置くと、黒元は先輩牛から逃げるように、エサから遠ざかり食べようとしませんでした。専門家によると、牛は本来群れで生活するため優劣関係が必要だと言います。そこで、同じ囲いで飼われている牛4頭でこんな実験です。一頭分のエサを用意し、食べた牛から囲いの外に出しその順番通り番号の付いたシールを貼ります。そして再び同じようにエサを与えると…牛たちは番号通りに整然とエサを食べたのです。実は、牛は最初にケンカをして群れの中での順位を決めることで、エサを巡る無駄な争いを避けているのです。

所さんのポイント
ポイント1
本来群れで暮らすウシには、ケンカをしてエサを食べる順番を決めて無駄な争いをなくす、群れの平和を守るルールがあったのだ!

塩の塊をなめる白元  ある日、矢野さんの顔をペロペロとなめる白元。すっかりなついたと気を良くする矢野さんでしたが、手伝っていただいている牧場の方によると、別になついているのではないとのこと。そして、彼が持ってきたのは謎の巨大な白い塊!実はこれ塩の塊だったのです。どうやら白元はなついていたのではなく、矢野さんの汗の塩分を舐めていたようです。実は牛のエサとなる牧草には、塩の成分であるナトリウムがほとんど含まれていません。そのため牛舎には、生き物にとって大切なミネラル分である塩をいつでも舐められるように置いてやる必要があったのです。

 前回、冬の寒さに備え立派なログハウスを作りました。しかし、これだけでは冬の寒さをやり過ごせそうにありません。そこで矢野さんは北海道でお馴染みの薪ストーブ作りに挑戦!完成したストーブに煙突を横向きに付け、火をつけてみると…、煙が煙突ではなく本体から漏れ出し、火が消えてしまいました。そこで、煙突作りのプロに教わり、縦の煙突を立ててみると、煙突に煙が抜けて火もしっかり燃えました。そもそも暖まった空気は上に昇る性質があります。そのため、横の煙突だと冷たい外気と混じってしまい、うまく煙が抜けません。そこで、縦の煙突をつけると、煙が煙突を伝って上昇、最初に流れが出来れば、煙がうまく抜けるのです。
 こうして完成した薪ストーブをログハウスに設置。そこで必要になるのが燃料です。せっかくなので、牧場にある牛糞を利用することにしました。去年佐藤アナが訪れたモンゴルでやっていたのと同じように、牛糞を2週間乾燥させ、早速ストーブに入れてみました。しかし、火はすぐに消えてしまったのです。そこで、牛糞で燃料を作る研究施設を伺うと、なんと機械でかき混ぜた大量の牛糞から湯気が出ていました。その温度はなんと72℃!実は、牛糞には大量の水分が含まれていて、糞をかき混ぜると、糞の中の微生物が繁殖し糞を分解します。この時に出る発酵熱により水分が蒸発し湯気が出ていたのです。モンゴルより湿度が高い日本では、放置しただけでは、中まで乾燥しなかったのです。この研究所でしっかり乾燥させた牛糞から作られているペレットは薪ストーブでよく燃え、これで寒さも乗り切れそうです。

目がテン牧場で作った砂糖(煮る)  さて、砂糖を作るために4月に苗を植えたテンサイ(砂糖大根)も、10月に収穫時期を迎え、なんと1711株の大豊作でした!糖度計で甘さを測定してみると、その糖度は18度。夕張メロンやサトウキビよりも甘かったのです。矢野さんは早速このテンサイを使って砂糖作りに挑戦しました。皮をむいてすり下ろして、その絞り汁を煮詰め、冷やして固めます。しかし、その砂糖を味見してみると…とてもエグくて酷い味!専門家に聞くと、テンサイはすり下ろすのではなく、お湯で煮るのが正しい方法だそうです。そこで、今度は細かく切ったテンサイをお湯でじっくり煮た後、煮出した汁を再び煮詰めていくと、先程より白い砂糖が完成!味もバッチリでした。
 実はテンサイはすり下ろすと、細胞が壊れ、砂糖の成分となるショ糖と一緒に苦味成分のシュウ酸が出てきてしまいます。しかしお湯で煮れば、細胞壁から細胞膜が剥がれ、ショ糖が通過出来るだけの穴があき、苦いショ糖だけが外に出るので、甘い砂糖が出来るのです。一方、サトウキビは元々苦味成分を持っていないので絞るだけで砂糖がとれるのです。スタジオで、この砂糖から作った綿菓子を試食した所さんもその味を大絶賛!果たして次々と起こる問題をはねのけ、記念すべき1000回に最高のケーキを作ることができるのでしょうか?

所さんのポイント
ポイント2
テンサイはすり下ろすのではなく、お湯で煮出した汁を再び煮詰めていくことで美味しい砂糖が取れるのだ!




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