朝が最高？
紅葉
新常識
第1012回 2009年12月5日
日本人が愛してやまない色彩の芸術、
紅葉
。しかし美しい紅葉も意外に知らない事実がたくさんありました。そこで今回は日本の心、紅葉の謎に迫ります。
美しい紅葉が見たい！と紅葉の名所、埼玉県の中津川渓谷を訪れた矢野さん。しかし、紅葉は赤一色ではなく、様々な色が入り混じっていることに気がつきました。そこで山を調査してみると、赤く紅葉するイロハモミジや黄色に染まるカエデを発見。紅葉する木には、大きく分けて赤と黄色の２色があるようです。実は、赤くなるか黄色くなるかは酵素の有り無しの違い。
赤くなる木は、葉に特殊な酵素があり、それが葉の中の糖をアントシアニンという赤い色素に変えていき、葉が赤く染まります。一方、黄色くなる木の葉には、その酵素がないため、葉が枯れていく過程で、カロチノイドという黄色い色素が現れ、葉は黄色になるのです。
ところが、同じ木の下で、赤と黄色の２種類の落ち葉を発見！この原因は、日当たりの差にあるといいます。そこでこんな実験。まだ紅葉前で緑色をしたモミジの片方の枝に太陽光線を通さない特殊なフィルムをかぶせ、日当たりが良い場所に１０日間置いてみました。そして１０日後…
日当たりが良い葉は赤く染まっていましたが、フィルムをかぶせた枝の葉は黄色になっていたのです。
モミジは赤くなる酵素を持つ木ですが、日が当たらないと、酵素が働かず黄色になるのです。つまり、
晴れが続くと赤い紅葉が多く、曇りや雨の日が続いた後には黄色い紅葉が多い風景が楽しめるのです。
ところで、皆さん紅葉を見に行くのは何時頃なんでしょうか？高尾山で紅葉狩りにやってきた観光客３０人に質問してみると、ほとんどの方が昼頃から午後にかけて見ると答えました。そこで矢野さんもお昼頃に紅葉を見に行ったところ、モミジの葉が枯れたように丸まっていたのです。しかし翌朝、同じモミジを見に訪れると、なんと、昨日は縮れていた葉が今度はキレイに開いていたんです。
一体なぜでしょう？そこで、縮れた葉の動きを一晩観察してみることに。すると、正午には縮れていた葉でしたが、日が沈み夜になると、徐々に開いていき、夜が開け朝８時には瑞々しく葉が開きました。ところが、再び陽が昇り、昼になると葉が縮んでしまったのです。
実は、昼間に葉が縮む理由は、空気が乾燥しているため。ところが、夕方から夜にかけて気温が下がると、湿度が上昇し、葉についた水分を吸収して広がるのだそうです。
つまり最高のコンディションの紅葉を見るなら、早起きして、夜露が残る朝８時頃までに見るのがオススメです。
モミジは夜のうちに開き、昼には縮まってしまう。最高の紅葉を見るには朝８時頃までがオススメ！
しかし、なぜモミジの葉は縮れやすいのでしょうか？一般的な木の葉は、楕円形で、中心には水分などを運ぶ太い管があり、そこから枝分かれした管もしっかりしていて、隅々まで水分を行き渡らせることができます。しかし、モミジは葉が何枚にも分かれているため、水分を運ぶ管も細く分かれているので葉の隅々にまで水分が行き渡りにくいのです。つまり、モミジの葉は乾燥しやすい構造だったのです。
さて、日本のモミジやカエデなどは、手のように分かれた葉が一般的ですが、ミャンマーのジャングルに自生するカエデは葉が分かれていません。
実は日本のカエデやモミジは、一説では風対策のため独自の葉の形をしているというのです。
そこでこんな実験です。モミジの木と、楕円形の葉を持つ普通の木を用意。葉の表面積と重さを同じにし、この２つを台車に乗せ、強力な送風機で風を当てます。まずは普通の木に風を当てると、５ｍ９０ｃｍ移動しました。次にモミジの木に風を当てると、移動距離は半分以下の２ｍ１０ｃｍ。よく観察してみると、普通の葉は、風をまともに受けていますが、モミジは風が後ろに逃げているように見えます。
実は、日本のモミジが自生しやすい場所は風が吹きやすい環境。だから葉が痛まないように風を逃がす形をしていると考えられています。
一方ミャンマーのカエデは、風がほとんど吹かないジャングルに自生しているので、葉は楕円形でも大丈夫なようです。
秋の風物詩といえば、黄色い落ち葉で染まるロマンティックなイチョウ並木。でも、お役所は、なぜかイチョウの落ち葉を掃除してしまいます。行政機関の方にその理由を伺うと、実は、
落ち葉が路面にあるとスリップ事故の原因になるというんです。
そこで、カースタントのプロが時速６０ｋｍで急ブレーキをかけ、どれだけの距離で止まるのか実験です。まず、何もない路面では、ブレーキを踏んだ地点から１２．５ｍでストップ。続いて、
イチョウの落ち葉を大量に敷き詰めた路面で急ブレーキをかけると…なんと２７ｍも滑りました。
運転中、黄色い絨毯を見かけたらご注意を！
イチョウの落ち葉が積もる路面は滑りやすく、スリップ事故の原因になることもあるので要注意！
ところで、皆さん紅葉を見に行くのは何時頃なんでしょうか？高尾山で紅葉狩りにやってきた観光客３０人に質問してみると、ほとんどの方が昼頃から午後にかけて見ると答えました。そこで矢野さんもお昼頃に紅葉を見に行ったところ、モミジの葉が枯れたように丸まっていたのです。しかし翌朝、同じモミジを見に訪れると、なんと、昨日は縮れていた葉が今度はキレイに開いていたんです。
秋の風物詩といえば、黄色い落ち葉で染まるロマンティックなイチョウ並木。でも、お役所は、なぜかイチョウの落ち葉を掃除してしまいます。行政機関の方にその理由を伺うと、実は、落ち葉が路面にあるとスリップ事故の原因になるというんです。そこで、カースタントのプロが時速６０ｋｍで急ブレーキをかけ、どれだけの距離で止まるのか実験です。まず、何もない路面では、ブレーキを踏んだ地点から１２．５ｍでストップ。続いて、イチョウの落ち葉を大量に敷き詰めた路面で急ブレーキをかけると…なんと２７ｍも滑りました。運転中、黄色い絨毯を見かけたらご注意を！
