手相占い
当たるか実験
第1013回 2009年12月12日
「一番信じられる占いはなんですか?」と街行く人に12星座、手相、姓名判断、風水、タロット、血液型の中から選んでもらうと…するとなんと30人中24人が
手相
と答えたのです!さらに外国人の方に伺うと、世界中殆どの国に様々な手相占いがあったのです。そこで今回は、手相を科学的に検証するという禁断の捜査を決行!
生命線が長いと、長寿だとよく耳にしますよね。
まずは矢野さんが鑑定歴30年の手相占い師の牧野先生に鑑定して頂くと、小指の方に張り出していてとても良い生命線だというお言葉。実は
生命線は、長さやつながりよりも張り出し具合を見る方が重要なんだとか。
そこで、矢野さんは元気な高齢者達が集まる老人ホームへ向かいました。そこで満100歳のおじいちゃんをはじめ、80代〜90代の方々の生命線を見せてもらうと、なんとほとんどの方が中指と手首の中心を結んだ線よりも張り出していなかったのです。そこで今度は渋谷に向かい、若者達の手相を見せてもらうと…意外にも20人中13人が張り出した良い生命線だったのです!専門家に伺うと、実は
生命線は、親指の付け根にある母指球皮筋とよばれる筋肉が発達するとともに張り出してくるそうなんです。
確かに、筋肉の発達具合をMRIで見比べてみても、良い生命線の親指の筋肉の方が発達していました。
さらに、
人間は年を取ると筋肉が衰えてしまうため、ご長寿の方の生命線の張り出しは少なくなり、一方若者は携帯メールを打つため親指の筋肉が自然と鍛えられたという可能性があるというのです。
ということは、親指の筋肉を鍛えれば生命線に変化はあるのでしょうか?そこで
生命線改造大実験!貧弱な生命線に悩む3人に、手を鍛える筋トレグッズで毎日100回2週間鍛えてもらいました。そして2週間後…驚くことに3人とも明らかに生命線が濃くなったのです。
親指の筋肉の量で善し悪しが決まってくる生命線。つまり、筋肉が多い人程、肉体的な強さや体力があり、結果として長生きすることが多いため、この線を生命線というのではないかと推測されます。
最近の若者は携帯メールを打って親指を使っているため、指の筋肉が自然に鍛えられ、良い生命線を持っている人が多い!
さて、占い的に
濃くてはっきりしていると頭脳明晰といわれる知能線
。本当に頭の良さと関係があるのでしょうか?そこで、矢野さんは
勉強好き代表・東京大学の学生と運動好き代表・体育大学の学生、それぞれ15人ずつ計30人の手相のコピーを取らせてもらいました。
そして、この写真をごちゃ混ぜにし、牧野先生には何も教えないで、良いと思う知能線15人を選んでもらいます。ところが、
ベスト15の知能線のうち、東大生はたったの4人だけでした。
知能線と頭の良さは関係ないのでしょうか?
そこで、那須ワールドモンキーパークで、人間よりも知能が劣る猿の知能線を調べてみました。まずは原猿類のエリマキキツネザルの手にインクをつけて手形を取ってみると、縦の線はありますが知能線のような横に走る線はありませんでした。次に、より知能レベルが高い真猿類のノドジロオマキザルの知能線を見たところ、横に走る知能線がはっきりと1本ありました。最後は、さらに人間に近い、類人猿の
チンパンジーの知能線を調べると、横に走る人間の様な知能線がはっきりと2本も存在したのです。つまり、猿は知能があがるほど知能線がはっきりしていたのです。
ところで、人差し指と中指をくっつけると知能線にシワが寄りますよね。つまり、一般的に手が器用なほど、脳が発達し、知能も高くなる傾向があるため、この線を知能線と呼ぶようになったと推測できます。
猿は知能が上がるほどはっきりとした知能線を持っている。手が器用なほど脳も発達するので、知能線と呼ぶのかも知れない!
続いては、
小指と薬指の動きで生まれる感情線の謎。この線もはっきりしているほど感情豊かと言われています。
試しに、こぶしを作り、指を1本ずつ立てていくと、薬指だけは立ちませんよね。薬指はとても動かしづらく、さらに小指を曲げると手の中で線が繋がっているため薬指も一緒に動いてしまいます。ならば、こんなに不自由な薬指と小指を自在に動かせる人は感情線が発達しているはず!ということで、指先を自在に動かすプロ、
バイオリニストの方とマジシャンの方に、小指と薬指で交互にボタンを押してもらいその数を計測。すると、一般人の平均は約68回でしたが、バイオリニストは111回、マジシャンは驚異の125回でした。実際に手相を見せてもらうと、お2人とも、かなり濃く深い感情線を持っていました。
確かに薬指と小指を自由に使える人は感情線が発達しているようです。
ちなみに、手相占いは5000年前のインドが発祥とされていますが、その時代には数少なかった音楽家や芸術家などのエンターティナーが発達していたシワなので、感情線と呼ばれたのではないかと推測されます。当時の手相占いは科学的根拠に基づいた正しい占いでしたが、現代社会ではなかなか当てはまらないことも多くなっているようです。さらに、本来の手相占いは、線だけではなく手の色やツヤ、体温など手を総合的に見て判断するものなのです。