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プラチナ VS ホワイトG
第1014回 2009年12月19日


 クリスマスでにぎわうジュエリーショップで、ひときわ輝きを放つプラチナ。そこで今回はプラチナの秘められた力に科学で迫ります!

 プラチナはなぜ高価なのか?その秘密を探るべく、南アフリカのプラチナ鉱山へ向かった矢野さん。プラチナが眠る地下へエレベーターで下りていくと…なんと持っていたペットボトルがへこんでしまいました。これは、周囲の気圧がかなり高い証拠。それもそのはず、なんと到着したのは地下1000mという深さ!そこからさらにリフトと徒歩で進むこと1時間半、ついに地下1100mの鉱脈へ到着。プラチナは、この厚さわずか2mという鉱脈から採取される、メレンスキーリーフという黒い鉱石を2ヶ月かけて精錬し、ようやくできるので高価なんです。

所さんのポイント
ポイント1
プラチナ鉱石は地下1100mの深さにある、わずかな鉱脈から採取されているので、とても高価なのだ!

 南アフリカのプラチナ埋蔵量は全世界の75%!なぜこんなに集中しているのでしょう?現地の専門家に、謎を解く鍵があると案内されたのは断崖絶壁!そこには不思議な縞模様のついた謎の岩が。この岩を顕微鏡で見てみると、25億年前の藻の化石が付着していました。実は、岩のあった場所は25億年前に波打ち際だった所で、縞模様は波の跡だったのです。地球ができた46億年前、重いプラチナは地球の奥深くの層に含まれていました。そして20億年前、世界各地の地下6km地点までマントルが上昇し、プラチナも上がってきましが、その後、多くの大陸では地殻変動が起こり、プラチナはより深いところに閉じ込められてしまいました。しかし、南アフリカでは大きな地殻変動が起こらず、長い間、雨風などで地表が削り取られ、プラチナが地表近くまで出てきたため、たくさん採取できるようになったのです。

 さて、本場南アフリカのプラチナを買おうとジュエリーショップを訪れた矢野さん。ところが、店に並ぶのは金の商品ばかり。店員に聞くと、プラチナは人気がないといいます。そこで、南アフリカの方々に金とプラチナどちらが好きか尋ねてみると、20対5で金の圧勝!試しに日本で同じ質問をしてみると、18対7でプラチナの勝利。実際、プラチナジュエリーの一人当たりの年間購入量を見てみると、日本は欧米に比べダントツの一位ですが、金の購入量では、はるかに少ないのです。そして、日本の女性にプラチナを支持する理由を尋ねてみると、控えめな輝きが好きという意見が多数。そこで実験!皆さんの写真を元に、平均的な日本人の肌の色のパネルを作り、そこに視力検査のマークに切り取った金箔、プラチナ箔を貼り付けます。そして、その二つが見えなくなるまでの距離を調べます。3人の方に挑戦してもらったところ、その平均距離は金が28m、プラチナが33m。なんとプラチナの方が目立つという結果に。実は日本人の黄色い肌には金よりも白いプラチナの方が映えるのです。実際に、同じ実験を黒人と白人の平均的な肌の色のパネルで行ってみたところ、金の方が遠くまで見えるという逆の結果に。黒人の方や白人の方にとっては金の方が目立ち値段も安いため、人気があるようです。

 さて、プラチナ以外にも銀白色に輝く貴金属ってありますよね。しかし、なぜプラチナが選ばれるのでしょうか?そこで、プラチナ、銀、ホワイトゴールドでシルバージュエリー対決!比較のためにアルミニウムも加え、これらを全て同じコイン状にして、まずは輝き対決です。4つの金属に強い光を当て、紙に反射させ、その反射率を測定します。すると…プラチナの輝きは銀、アルミニウムよりも低い第3位でした。続いてはサビに強いステンレスを加えて、耐久性対決です。それぞれをサビの原因となる温泉水と海水を混ぜた溶液に浸け、観察してみました。プラチナ爪楊枝すると、銀は温泉水の硫黄に反応し、わずか20分で黒ずみ、1日経つとステンレスが海水に反応し茶色く錆びてしまいました。さらに、1週間浸けておいてもプラチナとホワイトゴールドに変化は見られませんでした。ところが、実験終了後に2つの反射率を測定してみると、ホワイトゴールドは大きく下がっていたのに、プラチナは変化なし。見事トップに輝いたのです。金と銀、ニッケル、パラジウムなどの合金であるホワイトゴールドは、銀の部分に目に見えないサビが進んでいたんです。プラチナは、圧倒的な輝きの持続力を持つ金属だったのです。そして、スタジオにはそんなプラチナの特性を活かしたプラチナ爪楊枝が登場!手にした所さんはその重さにビックリしていました!

 実は、プラチナにはジュエリー以外にも役立つ性質があるんです。水素と酸素が入ったペットボトルに、プラチナの粉末を入れると…なんとその瞬間に爆発!空気砲を撃った瞬間これはプラチナが持つ触媒という力。触媒とは、他の物質の化学変化を促す作用の事で、水素・酸素は、プラチナを入れることで急激に結びつきやすくなるため爆発が起きるのです。スタジオにはその触媒の力を使ったプラチナ空気砲が登場!所さんが発射すると、爆発の力で遠くに積み上げた空き缶をなぎ倒しました。このプラチナの触媒作用は自動車のマフラーや燃料電池、抗がん剤など様々な形で利用されているんです。プラチナはキレイなだけではなく、人類に役立つ金属なのです。

所さんのポイント
ポイント2
プラチナはジュエリーだけでなく、触媒としても様々な用途に役立っているのだ!




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