知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


猛獣トラの尾を踏め!!
第1015回 2009年12月26日


 2010年の干支は「トラ」。動物園での人気はもちろん、球団名や可愛いキャラクターなどで、日本人にはとっても身近な動物。その証拠に、故事ことわざ辞典には、トラが付く言葉はなんと86個もありました!そこで今回は、街頭アンケートの結果、有名な「トラ」がつくことわざベスト3を本当かウソか検証します。

第3位 『虎の尾を踏む』
 非常に危険な行為を意味することわざですが、本物のトラの尾を踏むとどうなるか、矢野さんが那須サファリパークで実際にチャレンジしてみました。安全のため檻の中にいるベンガルトラがしっぽを檻の外に出した瞬間を狙い、片方の足を上げてしっかり踏みます。早速絶好のチャンスが到来したものの、ビビって見逃してしまった矢野さんでしたが、20分後、再びしっぽが出た瞬間、勇気を振り絞ってしっかりと踏みました!ところが…トラは吠えることもなく無反応。結果、虎の尾を踏むは間違い。虎のしっぽを踏む矢野さん勢いに乗った矢野さんは、『虎の髭を捻る』という、もう一つ同じ意味のことわざも検証することに。いつの間にか眠ってしまったトラのヒゲを、ひねる代わりに、木の枝でツンツンしてみると…トラは一瞬で反応し大激怒!『虎の髭をひねる』は本当でした。何でヒゲを触ると怒ったのか、専門家に伺うと、トラの尾は、特別に神経が集中しておらず、足など体の他の部分と同じ。一方、ヒゲの付け根には神経が柵状に集中しているため敏感に反応したと考えられるそうです。

所さんのポイント
ポイント1
トラのしっぽは特別に神経が集中している場所ではないので、踏んでも怒らない。『虎の尾を踏む』ということわざは間違いだった!

第2位 『虎の威を借る狐』
 意味は他人の権威をかさに着ていばること。元々は、狐がトラと一緒に歩いていると周りの動物達が、狐ではなくトラを見て逃げ出したというお話。そこで、本物のキツネの後ろに剥製のトラを置き、台車に乗せてゆっくりと牧場の牛たちの前を横切り、反応を見ます。そして、実験スタート!ところが…牛たちに反応はありません。そこで次は台車にトラの糞を置き、においを本物のトラに近づけ再びスタート。牛の前を通る台車でも、牛はやっぱり無反応。ならばと今度はトラが吠える声も足して横切ってみても、これまた逃げず…結局、虎の威を借りることは出来ませんでした。専門家によると、トラが闘争状態ではなかったので、牛は自分にとって危険だと認識しなかったのだといいます。実は、野生の草食動物たちは、トラの姿を見ただけでは逃げ出しません。ところが、トラの仕草や振る舞いから闘争本能を感じると逃げ出すのです。つまり、トラの威は、トラに闘争本能がある時しか借りることができないので、結果は△。

 さて、虎と言えば、大阪。この街で、虎柄を愛するおばちゃんに、虎柄を着る理由を聞いてみると、目立ちたいから着ているとのこと。そこで、色彩の専門家に伺うと、黄色と黒の組み合わせはコントラストが高く、非常に目立つそうです。確かに黄色と黒の縞模様は踏み切りや工事現場など注意を促す場所によく使われています。でも、トラが野生で狩りをする時、この目立つ柄は邪魔なのでは?しかし、専門家は、虎柄は狩りの現場では邪魔どころか有利に働くといいます。そこで実験!白タイツ、黄タイツ、黒タイツ、虎柄タイツを着たおばちゃんが、トラが生息する草原に似た藪に隠れ、遠くにいる人が振り返って探し、見つけるまでのタイムを計測します。まずは白タイツで隠れると、探し手が振り向いた瞬間に見つかり、結果は1秒。続いて黄色タイツは5秒、黒タイツは2秒でした、最後はいよいよ虎柄タイツ。しかし、結果は4秒でした。それもそのはず。この虎柄は、縞模様が横方向に走っているという重大な間違いがあったんです。そこで本物と同じ縦の虎柄のタイツに着替え、再び実験です。すると今度はなんと発見まで1分43秒もかかったのです。他に挑戦した2人も、見つけるまでのタイムは大幅ダウン。虎柄は、藪の中で隠れて獲物を待つのにとても適した柄だったのです。しかし、なぜ街中では目立って藪の中では目立たなくなるのでしょう?実は、黄色と黒の縞模様は元々目立ちやすい模様ですが、藪の中では虎柄の黄色が木や草の色に溶け込み、さらに黒い縞模様は植物の縦の陰と同化してしまうため目立たないのです。

所さんのポイント
ポイント2
虎柄は、狩りを行う藪の中で、木や草の色や陰に溶け込み、カモフラージュする役割を果たしていた!

第1位 『虎穴に入らずんば虎児を得ず』
 大きな成果を上げるには危険を冒さなければならないという意味のことわざ。実際に虎穴に入って検証しようと、動物園へ向かいましたが、そこにはトラの寝部屋しかなく、本物ではないので残念ながら検証は不可能でした。そこで、貴重な本物の虎穴の映像を見てみると、中には虎の子の姿も見えました。トラは子供を産むと約2年間、虎穴の中で子育てをします。なので、『虎穴に入らずんば虎児を得ず』は本当ということに認定します。



動物(地上)編へ
前週 次週
ページトップ

ジャンル別一覧 日付別一覧