知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


大嫌いな野菜(秘)克服法
第1032回 2010年5月1日


 この季節、定番の学校行事といえば、遠足!そこで今回は、街で聞いた、遠足にまつわる数々の疑問を科学で解明します!今週は所さんがお休みのため、代わり峰竜太さんが司会を務めます。

①なぜ朝ちゃんと目覚めるのか?
 遠足の日は目覚ましが鳴る前になぜか早起きできましたよね。実際に、遠足を明日に控えた小学生の寝起きを観察してみると、いつもは朝寝坊なのに、目覚ましの鳴る20分前に目を覚ましたのです。そこでさらに実験!いつもは朝9時頃起きるという若い男性4名に、お互いの状況が分からないよう、アイマスク、耳栓を装着して就寝してもらい、アラームなしで、朝6時に起床して、ホテルの玄関に集合してもらうようにお願いしました。しかし、そのうち2人にはちゃんと6時に起きたら金一封を贈呈するとこっそり伝えておきます。すると…金一封を約束された2人はなんと、5時台に起きて集合場所へ。一方、金一封を伝えられていない2人は7時になってようやくスタッフに起こされる有り様でした。専門家に理由を伺うと、金一封をもらえる2人には、ヒトが目覚めるときに体内で分泌される、コルチゾールというホルモンの量が多かったといいます。そこで、4人の寝る直前と起きた直後の唾液を採取し、コルチゾールの量を比較してみると、金一封を伝えられていない2人はほとんど変化なしだったのに、金一封組はコルチゾールが早いうちから出はじめ、目覚めたときには2倍に増えていたのです。つまり、金一封が遠足と同じ喜びを与え、コルチゾールを増加させたので2人は起きることができたのです。

②なぜ外で食べるお弁当はおいしいのか?
 遠足でキレイな景色に囲まれて食べるお弁当はなぜかおいしく感じますよね?そこでこんな実験!小学校5年生の3人にそれぞれが嫌いなおかずが1品入った、量が多めのお弁当をお腹一杯になるまで、殺風景な室内で食べてもらいました。すると、1人あたり食べたおにぎりは1.7個で、3人とも嫌いなおかずにはほとんど手をつけませんでした。外で食べる3人後日、今度は景色のいい外で同じお弁当を食べてもらうと…1人あたりおにぎりを3個も食べ、さらに全員が嫌いなおかずにも手をつけていたのです。中でもブロッコリーが嫌いな子は残すことなく完食!子供たちに聞くと、外のほうがおいしく感じたそうです。そこで、男性に同じお弁当を室内と室外で食べてもらい、おいしいと感じたときに出る脳のベータ波を測定し、量の違いを比べてみると、室外で食べた時の方が、全てのおかずを食べた際にベータ波が多く出ていたのです。実は、外で食べると景色や音などの心地良い情報が脳に伝わり、気分が高揚し、ベータ波を増加させおいしく感じると考えられるそうです。

所さんのポイント
ポイント1
室内よりも、景色のいい外で食べたほうが、気分が高揚し、脳からベータ波が多く出るため、よりおいしく感じるのだ!

③なぜ班行動をしなくてはいけないのか?
 遠足では、必ず班に分けられますが、なぜ班行動が必要なんでしょう?そこで実験!小学4年生20人に協力してもらい、まずは5人1組の4班にわけ、全員腕時計を着け、科学技術館を自由に見学して40分後に集合場所に集まってもらいます。すると、全員が約束の40分より前に集合できました。今度は、班を作らず個人行動で見学し、同じ40分後に集合してもらうと、なんと時間前に戻ってきたのはたったの1人だけという結果に…。そこで、子供たちの行動を検証してみると、個人の場合は、遊びに熱中し、腕時計で時間を確認していなかったのに対し、班行動の場合は、話し合いで自然と選ばれた班長が、責任感からか、時間を頻繁に確認していたのです。このような班行動は何人が最適なんでしょうか?10校の小学校に電話取材したところ、5〜6人の班分けが多かったんです。そこで、小学校4年生5人の班と10人の班による、教室掃除の様子を観察してみると…5人の班は誰もさぼらず効率よく掃除が進み、15分で終了。しかし、10人の班の掃除は、人数が倍にもかかわらず、集中できずにさぼる子が現れ、結局5人の班と同じ15分かかってしまいました。専門家に伺うと、5〜6人は話し合いがまとまりやすく、役割分担がしやすい人数だそうです。班行動には人数も重要だったんですね。

所さんのポイント
ポイント2
遠足などの班行動には、意思の統一や役割分担がしやすい、5〜6人のグループが最適なのだ!

番外編 なぜフォークダンスを踊るの?
盆踊りが踊れない女の子  遠足や林間学校では、なぜフォークダンスが定番なんでしょうか?そこでこんな実験!フォークダンスと盆踊りを知らない、外国生まれやハーフの女の子3人に、この2つのグループに入って踊ってもらいました。まずは佐渡おけさを踊る、盆踊りの輪に入ると、3人とも真似て手を動かしているものの、上手く踊れませんでした。
 続いて3人は、定番のオクラホマ・ミキサーに乗ってフォークダンスに初挑戦!すると、盆踊りに比べ、なんとなくサマになっています。実は、フォークダンスは、相手が踊りを知っていれば、手を繋いだ相手のリードで踊ることができるので、団体でのレクリエーションに向いていたんです。



人間科学編へ物・その他編へ
前週 次週
ページトップ

ジャンル別一覧 日付別一覧