① LED電球は本当に省エネなの?
LED電球といえば何といっても省エネ。そこで、どれほど省エネなのかを確かめるべく、こんな実験!全部で9個の白熱電球を使っているお宅で、電球以外の電源を全てオフにして、白熱電球とLED電球の消費電力の違いを、電気メーターでチェックして比較します。すると…LED電球の時は白熱電球の時に比べ電気メーターの回転が7倍も遅かったのです。つまり、LED電球の消費電力はおよそ7分の1!実は、この違いは熱にあります。光っている白熱電球は熱くて触れませんが、LED電球の光る部分は触っても少し温かい程度。白熱電球は多くの電気が熱としてムダに使われている一方、LED電球はムダが少ないので省エネになるのです。
② LED電球は長寿命?
LED電球の寿命は4万時間と言われています。これは24時間つけっぱなしでも4年半もつ計算。実際に試すのは不可能なので、代わりに、過酷な環境で使えるのか実験してみました。白熱電球、電球型蛍光灯、LED電球の3つを冷凍庫の中に設置し、冷やす前と後の明るさを照度計で測定します。冷凍庫を−20℃まで冷やし、同時に点灯すると、電球型蛍光灯はまともに点灯せずリタイア。そして1時間後、白熱電球とLED電球の明るさを計測してみると、白熱電球は、常温の時とほとんど変わりませんでしたが、LED電球はなぜか8%も明るくなっていたのです。そこで今度は100℃のサウナで実験です。点灯して1時間後、白熱電球は暖める前と明るさには変化なし。ところがLED電球は約25%も暗くなっていたのです。理由を専門家に伺うと、LED電球は温度が高いと発光効率が落ち、暗くなる性質があるといいます。そこでLED電球を2つのヘアドライヤーで30分ほど暖めると、130ルクスも暗くなってしまいました。逆に、冷やせば発光効率が良くなり、明るくなるのです。実は、LED電球は熱に弱いため、下側はギザギザの放熱板になっています。さらに、熱により寿命が短くなることもあり、断熱材を使用した廊下のダウンライトや、浴室の密閉型の照明など、製品によっては使用に向かない場所もあるのです。
③ LED電球はなぜ高い?
1つ2000円以上もするLED電球。一体なぜ高いのでしょうか?そこでLED電球の工場で、社長さんに理由を伺うと、LED電球は部品の点数が多く、組み立てにも人手や時間がかかるからだそうです。LED電球は大きく分けて5つのパーツに分かれています。その中には、光を発するLED素子や、コンセントから来る交流の電気を直流に変える、ACアダプターと同じ役割を果たす電子回路など、高度な電子部品も使われているので値段が高いのです。そして、この電子回路はLED電球にとって非常に重要で、この部品の性能が人体に影響を与える可能性があるというのです。眼科の先生に伺うと、ここ最近、家の電球をLEDに交換したら目が疲れるようになったと訴える患者さんがいるそうです。そこでこんな実験!まずは白熱電球の明かりの下で、3人に30分間、同じ文庫本を読書してもらい、目の中のレンズを調節する筋肉の動きがわかる装置で目の疲れを測定します。すると、3人とも、特に疲れた様子は見られませんでした。そして、アイマスクをして1時間目を休ませた後、今度は同じ明るさのLED電球の下で30分間読書してもらいます。すると…全員かなり目が疲れていることがわかりました。なぜLED電球は目が疲れてしまうのでしょうか?そこで、ハイスピードカメラで、実験に使ったLED電球と白熱電球を、50倍のスローモーションで見てみると…なんと、LED電球は点滅していました。この点滅がちらつきとなって目の疲労を引き起こしていたのです。では、全部のLED電球がちらつくのでしょうか?そこで、6つのメーカーのLED電球をハイスピードカメラで見てみると、2つの電球だけが点滅しました。実は、電子回路の性能が悪いと、交流電気を直流に変換する時、ゼロになる部分があり、オンオフが繰り替えされ、ちらつきが発生。性能がいいものだと、オンオフがなく、ちらつきません。ちらつく製品であるか否かを見分けるには、携帯電話のカメラ機能で光るLED電球を見れば一目瞭然!電球に縞模様が出る製品はちらつきが発生しているのです。