① 生体認証システムのメカニズムを明らかにせよ
テロ対策の第一歩は、不審者を侵入させないこと。そこで、指先の指紋で認証する「指紋認証」、手のひらの静脈を読み取る「静脈認証」、黒目にある虹彩の模様で認証する「虹彩認証」をそれぞれ見てみます。サンプルとして90人分のデータを登録し、そのうちの10人が正しく認証されるかどうかをチェック。まず、室内で普通に認証を行なうと、もちろんどれも100%の確率で認証できました。 ならば、通常ならありえない極端な状況「−25度の世界」ではどうでしょうか。もちろん、それぞれの機械はそんな過酷な環境で使用されることは想定していません。−25度の冷凍庫に5分間入り、そこから出た直後に10人を認証すると、指紋は7人、静脈は8人、虹彩は10人全員が認証できたという結果に。指紋は指先に水滴がついたため、静脈は極端な寒さで手がかじかんだため、一部認証されなかった人が出たようです。(ただし、間もなくすぐに全員が認証されるようになりました。) 一方、「真夏の炎天下」ではどうでしょうか。こちらは温度よりも直射日光が当たるかどうかで左右されるようです。指紋は10人全員、静脈は0人、虹彩は3人が認証されました。実は、静脈や虹彩は赤外線センサーを利用して読み取っており、赤外線が多量に降り注ぐ屋外のような環境では、使用できません。カバーをするなど、直射日光が当たらないようにすると、認証できるようになります。一方、指紋は、直射日光の影響を受けないので、平気だったんですね。生体認証システムは使用する環境に合わせて、正しく使用する必要があるのです。
② 防弾ガラスはなぜ弾丸を防ぐことが出来るのか
テロリストのライフルなどによる狙撃から身を守る防弾ガラス。なぜ防弾ガラスは、強力な破壊力を持つ弾丸を防ぐことができるのでしょうか?防衛大学を訪れ専門家に伺うと、実は防弾ガラスは特殊なガラスではなく、ビルや家庭で使われている窓ガラスと同じモノだというのです。そこで実験です!用意したのは厚さ19ミリの分厚いガラス板。落下衝撃実験施設でこの分厚いガラスにおよそ6mの高さから重さ500gの鉄球を落とします。ガラスに加わる衝撃は拳銃のおよそ10分の1以下。この程度の衝撃で、分厚いガラスが割れるはずはないですよね。ところが、実験してみると、ガラスは粉々になってしまいました。専門家に伺うと、実は、ガラスはいくら分厚くしても意味がなく、薄いガラスを重ねたほうが効果があるというんです。そこで、5ミリのガラスを4枚重ねて、先ほどの分厚いガラスとほぼ同じ厚さにして実験です。すると、今度はバラバラになることなく、鉄球をはじき返したんです!防弾ガラスは、薄いガラスが1枚づつ割れることで衝撃を吸収することができるうえ、あいだに特殊フィルムを挟むことができるので、衝撃吸収力がさらにUP。強力な弾丸をも防ぐことができるというわけなんです。スタジオでも、防弾ガラスの強度テストを実施。なんと金属バットで思いっきり叩いても、かすりキズがついただけ。逆に、手がしびれてしまった所さんでした。
防弾ガラスは薄いガラスを重ねることによって強度が増す!1枚ならいくら分厚くても意味がないのだ!
③ 要人を警護するSPの能力を明らかにせよ
VIPをテロの脅威から守るSP(セキュリティ・ポリス)。街でそのイメージを聞いてみと、「運動神経がすごい」「とにかく強い」といった、まるでスーパーマンのようなイメージでした。そこで、現役SPの2人に協力してもらい、持久力、筋力、動体視力など、身体能力を検証してみます。比較のため、大学サッカー部の2人にも実験に参加してもらいました。まずはマラソン対決。すると・・・現役SPはすぐに大学生についていけなくなり、なんと脱落。背筋力や握力、動体視力でも、ほぼ互角の戦いで、特に抜きんでたスーパーマンのような感じではなさそう。
そこで、SPの2人に話を伺うと、「一番重要なのは体力ではない」というんです。では一体、SPに必要な能力とはなんなのでしょうか。その秘密を探るため、実際に遊園地に12人の仕掛け人を配置し、視線カメラを装着したSPに、VIP役の番組スタッフを警護してもらい、観察してみます。すると、行く手にいる人物は、遠くから容姿や持ち物まですみずみをチェック。さらに、常に通行人とVIPの間に、身体を入れ、しっかりとガードしていたんです。仕掛け人の襲撃の際には、ひとりは襲撃者の進路をふさぎ、もうひとりは素早くVIPを安全な場所に移動させるという、見事な連係プレー。SPがVIPを守るこができるのは、日ごろの訓練の賜物だったんですね。