ゲゲゲ!!
妖怪
が居た!!
第1062回 2010年12月11日
今年一大ブームを巻き起こしたゲゲゲの女房。流行語大賞にも選ばれ、原作者水木しげるさんの故郷・境港市の水木ロードは大盛況!そこで今回は、
妖怪
の正体に科学で迫ります!
①一反木綿の正体とは?
白く長い布が夜空を飛んで人を襲うという、一反木綿は本当にいるんでしょうか?妖怪研究家の方によると、なんと一反木綿は実在し、暗い森の中で目撃されるとの事!そこで、15人の学生さんに集まってもらい、妖怪ツアーを敢行!暗闇の中、一人ずつ提灯を持って一反木綿が出没するというスポットまで歩いてもらいます。
すると…出没スポットで次々と悲鳴が上がり、なんと15人全員が一反木綿を見たと回答!皆さんは、白くて長い布を目撃したといいます。どれほどの長さだったか尋ねると、最長で6m、皆さんの平均は2m19cmでした!
そこで、出没スポットを明るくしてもう一度皆さんに見てもらう事に。実はその正体は、木の裏に隠れたスタッフがヒモを引っ張って動かしていた、白い布だったんです。でも、布の長さはわずか50cmほど。
なぜ2m以上に見えたんでしょうか?視覚心理の専門家によると、この現象は
陽性残像という目の錯覚で、暗い中で白い物など明るい物が動くと、その動きに沿って残像が見えるそうです。
でも、山の中に布が飛ぶわけありませんよね?実は、一反木綿の正体ではないかと考えられているのは、夜行性のムササビ!
大人のムササビが白いお腹を広げると50cm程度。昔の人は夜の森に舞うムササビを一反木綿と間違えてしまったのかもしれませんね。
人は、錯覚によって暗闇に飛ぶ白い物が残像で長く見える。一反木綿の正体は、夜の森を飛ぶムササビだった!
②目目連の正体とは?
障子に無数の目玉が浮かび上がり人を驚かすという妖怪、目目連。しかし、障子に目玉なんて現れるんでしょうか?
そこで、黒いBOXの中に障子模様のイラストを入れ、細い覗き窓から、街行く人たちに見てもらいます。すると…皆さんからは「目玉が見えた!」「光る目が見えた!」などの証言が。なんと30人中30人全員が、障子に目が見えたと回答!実はこれ、
バーゲン錯視(さくし)という現象で、黒い線が交わる部分がピカピカと目のように光って見える錯覚なんです。昔の人は、月明かりに照らされた障子を見て、目目連だと思ったのかもしれませんね。
③のっぺら坊の正体とは?
顔に目も口も鼻もない妖怪、のっぺら坊。果たしてその正体とは?そこで、続いての妖怪ツアーは、のっぺら坊が出没するという場所にある,、お地蔵さんに一人ずつお参りをして戻ってきてもらいます。
すると…暗闇の中にたたずむお地蔵さんにお参りを済ませ、振り返った瞬間、皆さんが続々と悲鳴を上げたのです!結果、15人中11人がのっぺら坊を目撃したと証言!
一体彼らは何を見てのっぺら坊だと思ったんでしょう?ここで皆さんに種明かし。実はお参りをしている最中、その背後にスタッフがヒモでひょうたんを下ろしていたのです。皆さんは単なるひょうたんを見て拍子抜けの様子でしたが、なぜのっぺら坊に見えたのでしょう?
そこで、専門家に伺うと、人は人間に近い特徴を持った物を見ると、人間だと思ってしまうことがあるそうです。確かに、天井のシミや海岸の岩が人のように見えることってありますよね。つまり皆さんも、暗闇の中で顔の高さに現れたひょうたんを、のっぺら坊だと思ってしまったようです。
④小豆洗いの正体とは?
闇夜に川のほとりで小豆を研ぎ、その音で人を川に誘いこんでしまうという小豆洗い。妖怪研究家の方によると、姿を見た人はいないが、なんと、小豆を洗う音を聞いたという人はかなり多いんだとか。そこで、妖怪ツアーの参加者5名に、事前に小豆を洗う音を聞いてもらった直後、ヘッドホンで大音量を聞きながら、アイマスクもつけてバスで小豆洗いがいるという宿へ向かってもらいました。そして、皆さんに宿の和室でヘッドホンをはずし、部屋の音を聞いてもらうと…
なんと参加者全員が小豆を洗っている音が聞こえると言うのです!しかし、この部屋にはタネも仕掛けもありません。その秘密は、障子の向こうにありました。皆さんに部屋の障子を開けてもらうと…目の前には川が流れていたのです。そう、実は川の流れる音が小豆洗いの正体!
2つの音を聞き比べてみると、確かにソックリ。実際に、音の周波数のグラフを見比べてもほとんど同じだったのです。つまり、小豆洗いは、昔の人が、近くに川があるのを知らずに宿に泊まり、夜に聞いた川の音を、小豆を洗う音だと勘違いしたのかもしれませんね。
小豆洗いは、昔の人が川の音を、小豆を洗う音だと勘違いしたことで生まれた妖怪だった!