携帯電話
トラブル解決
第1077回 2011年4月9日
今や誰もが持っている生活必需品、
携帯電話
。今回は、街で多くの人が気になっている、携帯電話にまつわる疑問を科学で徹底解明します!
①他人の携帯電話はなぜ気になる?
街で尋ねた結果、20人中19人が気になると答えた電車内での携帯電話の会話。乗客同士の会話は気にならないのに、なぜ携帯の会話だけ気になるんでしょう?そこで実験!まずは男女計6名に、補助器具を付け長くして、立てづらくした鉛筆を、机の上に5分の制限時間内に出来るだけ多く立ててもらい、集中力を試します。でも、実験はここからが本番。多くの鉛筆を立てた上位3名に、再び鉛筆立てに挑戦してもらいます。
しかし、今度は同じ部屋のすりガラスの向こうで、女優さんが、別の場所にいるもう一人の女優さんと携帯電話で会話を交わしている状態。会話の内容は「友達が夫に不倫され離婚する」という刺激的なもの。つまり、携帯の会話でどれだけイライラするのかを確かめます。すると…
会話無しの状態では32本とトップだった男性は、10本しか立てられず、22本も減少。3人中2人が会話に気を取られ、記録が大幅にダウンしたのです。
続いては、すりガラスの向こうで、女優さん2名が直接同じ会話をした状態で、先ほどの下位3名に鉛筆立てに挑戦してもらいます。すると…なぜか全員、記録が前回より4本以上アップ!話を伺うと、刺激的な会話も、他人事だからと、ほとんど気にならなかった様子。そして、鉛筆立ても2回目で慣れたので、記録が上がったようです。でも、一体なぜでしょう?専門家に伺うと、
2人での直接会話は、真剣に聞かなくても内容が把握できるのに対し、携帯電話の場合、一方の話しか聞けず、内容が一部しかわからないため、イライラしてしまうのだそうです。
②逆の耳で携帯電話をかけるとなぜ気持ち悪い?
さて、普段とは逆の耳で携帯電話をかけると気持ち悪いとおっしゃる方々に、その理由を聞いてみると…「普段使わない耳は利き耳ではないから」という声が多数!利き耳は小さな穴の開いた箱の中にある、時計の秒針を聞こうとする時に、無意識に箱に当てるほうの耳の事。そこで、利き耳は本当に音を聞き取りやすいのか実験です。利き耳のチェックを済ませた8名に、片方からそろばんの先生が読み上げる数字が流れ、片方からは雑音が流れるヘッドホンを装着し、読み上げた数字をパソコンに入力してもらいます。30問終えたところで左右を入れ替え、「利き耳」と「利き耳ではない耳」での正解率の違いを調べてみると…
8人中6人が、利き耳で数字を聞いた時の方が好成績でした。しかし、巷では携帯電話を利き耳と逆の耳に当てる人も多いのだとか。
そこで、表参道で10〜20代の若い男女10名の利き耳をチェックし、携帯電話を耳に当ててもらうと…10人全員が利き耳で携帯電話をかけていました。ところが、新橋で
30代以上の10名に同じ実験を行うと…なんと、10人中8人が、利き耳である右耳とは逆の、左耳で携帯電話をかけていたのです。この理由を専門家に伺うと、元々固定電話を使っていた世代の人たちは、右手でダイヤルを回し、左手で受話器を持つ習慣が抜けないためだそうです。他にも仕事で電話を使う人は右手でメモを取ることが多く、左手で受話器を持つようになってしまうこともあるようです。普段と逆の耳で電話をかけると気持ち悪いのは、効き耳ではなく、慣れの問題だったんですね。
30代以上の世代は、左手で受話器を持つ固定電話時代の癖がついているので、携帯電話も左の耳で聞く人が多いのだ!
③謎のファントム振動
着信もないのに携帯電話が振動しているように感じてしまう、不思議な「ファントム現象」。街では20人中16人が、経験ありと答えました。その正体を探るため、こんな実験です!3名の男性に、携帯メールで簡単なクイズを10問出題し、最も早く回答した人には賞金を進呈すると、ウソの実験内容を伝えます。3人には番組が用意した携帯電話を、振動だけのマナーモードに設定し、ズボンのポケットに入れてもらいます。まずはイスに座った状態の一人目の男性に、隣の部屋から矢野さんが一通だけメールで問題を送ると、男性はすぐに回答。その後は一切メールを送らずに15分間観察してみると…ファントム振動は1回も起きませんでした。そこで今度は、外で歩いている状態を再現するため、床に赤いテープで四角い枠を作り、線の上を15分間グルグルと歩き続けてもらいながらチャレンジしてもらいます。同じく一通だけメールで問題を送ると、男性は携帯を取り出し即答。
その後、一切メールを送らず観察してみると…
10通のメールが来ると思っている男性は、着信もないのに振動を感じ、立ち止まって携帯を確認。15分間で、2回のファントム振動を感じました。さらに2人目と3人目の男性は、共に座った状態ではファントム振動は0だったのに、歩いた状態では、15分間で5回もファントム振動を感じたのです。
では、なぜ歩いている時だけファントム振動を感じたのでしょう?脳の専門家に真相を伺うと…ファントム振動は、歩いている時に携帯電話が体に擦れ、その刺激を脳が着信の振動だと錯覚してしまうのが原因だと考えられるそうです。
ファントム振動の正体は、歩いている時に携帯電話が体にこすれたのを、振動したと勘違いしてしまう、脳の錯覚だった!