科学で
片付け
&断捨離
第1076回 2011年4月2日
新生活が始まる季節!快適な新生活を送るために欠かせないものといえば、
片付け
!そこで今回は、片付けの疑問を科学で解き明かしちゃいます!
街行く人に、自分は片付けが得意か苦手かを答えてもらうと、ほぼ半々にわかれました。両者にはどんな違いがあるのでしょう?そこで実験!協力してくれるのは片付け上手だという3人と、片付けが苦手だという3人。6人には、
テーブルの上に並んだ大量の食器や調理器具を小さな食器棚に収納する、スピード競争に挑戦してもらいます。
まずは、自宅の部屋も散らかっている、片付けの苦手な3人が挑戦!すると…それぞれ何度も食器を出し入れしながら棚に収めていき、完了までのそれぞれのタイムは、9分18秒、10分54秒、8分33秒と、おおよそ10分前後という結果でした。続いて、
整理の行き届いた部屋に住む、片付け上手3人が挑戦。さぞかしタイムも早いと思いきや…皆さん揃って悪戦苦闘!なんと、タイムは15分01秒、15分07秒、13分10秒と、苦手な人よりもはるかに時間がかかってしまいました。
さらに、棚の中を見比べても、むしろ苦手な人の方がきれいに整頓されていたほど。両者の違いを専門家に尋ねてみると、それは、部屋が散らかっていく過程を見ればわかるとの事。そこでこんな実験!先ほどの6人に、目印のシールが貼ってあるグッズが1つずつ入った6つのBOXの中から、制限時間1時間以内で全てのグッズを探してもらい、散らかり具合を観察します。すると…片付けが苦手な3人は、探していくうちに部屋がどんどん散らかっていくのに対し、片付けが得意な3人は、部屋が全然散らかりませんでした。
再び専門家に伺うと、片付けが苦手な人は、散らかっても出しっぱなしのままで、片付けが得意な人は、出した物をすぐにしまう習慣がついているそうです。確かに、
片付けが得意な人は、1つのBOXを探し終わると元の場所に戻していたのに対し、苦手な人は探し終わったBOXをそのままにして、次のBOXに手を出すため、どんどん散らかっていったのです。
片付け上手になるには、収納技術よりも、出したものをすぐに元の場所に戻す習慣をつけるべし!
さて、今、
「断捨離」(だんしゃり)という、不要品を捨てることを薦める本が大ブーム!
そこで続いては不要品を捨てられる人と捨てられない人の違いについて検証します。街でいらなくなったモノを捨てる事ができるか聞いてみると…30人中、22人が捨てられないと回答。なぜ人は不要品を捨てられないのでしょう?そこで、50、40、30代の主婦と、20代の夫婦、20代の男性、計5組の方の自宅に伺って実験です!皆さんには、
一年以上着ていない服を全て出してもらい、捨てるものと捨てないものをBOXに分別してもらいます。すると…皆さんなぜかほとんどの洋服を捨てられず、中にはマフラーを一枚しか捨てられない女性まで。集計した結果、捨てる服は全体のわずか23%、一方、捨てない服は77%もあったのです。
皆さんに捨てなかった理由を尋ねると、もったいないからと口を揃えます。しかし、
モノが捨てられるようになる、驚きの裏ワザがありました!今度は「捨てる」のBOXを「寄付する」に変えて、発展途上国に着なくなった服を送る活動をしているNPO団体に寄付をするという設定で、もう一度仕分けしてもらいます。
(※実際に寄付はしていません)すると…皆さん続々と「寄付する」のBOXに服を入れていき、先ほど1着しか捨てられなかった主婦の方は、なんと23着を「寄付する」のBOXへ。
皆さん、他の人の役に立つなら寄付してもいいと、大幅に手放す服の量が増え、結果、「捨てる」の時は23%だったのに、「寄付する」と変わっただけで、なんと79%にも増えたのです!
念のため、別の人たちに今度は逆に、「寄付する」を先に仕分けしてもらったところ、「寄付する」の時は67%、「捨てる」の時は41%と、やはり、寄付する時の方が多く手放したのです。単に捨てるのは、ついもったいないと思ってしまいがちですが、寄付したり、譲ったりと、誰かの手に渡るという気持ちがあれば、不要品は手放しやすくなるようです。
捨てられない洋服や不要品は、寄付やフリーマーケットなど、他人に譲る意識で仕分ければ、自然と減らすことができるのだ!