激安！？
ホームセンター
第1081回 2011年5月7日
新年度が始まり、何かと必要なものが増えるこの時期、頼りになるのが
ホームセンター
。そこで今回は、年々売り上げを伸ばしている、ホームセンターの人気の秘密を科学します！
①ついついホームセンターに通っちゃう秘密とは？
ホームセンターにやってきたお客さんたちに、１月あたりの来店回数を尋ねると、かなり頻繁に通っている方が目立ちました。では、なぜそんなに通ってしまうのか、こんな実験です！まずは比較のため、「日頃あまりホームセンターを利用しない」というお客さんのカートにカメラを設置して、買い物の様子をウォッチングします。すると…目的の商品の棚まで寄り道をせずに向かい、目的の商品をカートに入れたら、レジで会計を済ませ、お買い物終了。合計６人の買い物を観察した結果、目的以外の商品はほとんど買わず、最大の方でも購入した品物は３点でした。続いて、
毎週通っているというお客さんを観察してみると…最初に目的の商品が並ぶコーナーには向かわず、色々なコーナーに立ち寄り、予定にない商品を次々とカートに入れ、なんと６人中５人が１０点以上の商品をお買い上げ。お店の平均滞在時間は５倍以上も長かったのです。
たくさん買ってしまった理由を伺うと、「商品の種類が多いから」とのこと。確かに巨大ホームセンターは大量の品揃えですが、なぜ種類が多いとたくさん買ってしまうのでしょう？
そこでこんな実験です。とある劇場で、舞台を見に来たお客さんに、架空の劇団の主役を選ぶアンケートを実施。アンケート用紙は３人から選ぶものと、１０人から選ぶ２種類を用意し、１６２人のお客さんに半分ずつ配布します。アンケートに答えるかどうかはお客さんの自由です。そして
公演終了後、出口に設置した回収ボックスの中身を開票してみると…３人から選ぶ用紙は８枚だったのに対し、１０人から選ぶ用紙は１７枚と、２倍以上の回収率だったのです。
１０人から選ぶアンケートに回答してくれた方によると、「多くの中から選ぶのが楽しかった」といいます。その理由を専門家に伺うと…
選ぶ対象が多いと、比較もでき、選ぶこと自体が楽しく感じるのだそうです。つまり、ホームセンターも商品の種類が多く、選ぶのが楽しいので、つい、いろんなものを買ってしまうようです。
ホームセンターは、商品の種類が多いので、選ぶこと自体を楽しく感じ、ついつい予定にないものまで買ってしまうのだ！
②ホームセンターが「安い」って本当？
さて、ホームセンターの魅力を尋ねると、「安い」と答えるお客さんが多数。そこで、ホームセンターはどれほど安いのか検証です。
安さが魅力と答えた６人のお客さんに、実際に買ったレシートを見せてもらい、スタッフが近くのスーパーやドラッグストアで同じ商品を購入し、値段を比較してみました。すると…ホームセンターの方が安かった商品は、１８点中７点で、他の６点はスーパーなどのほうが安く、残りの５点は同価格でした。結果、ホームセンターは特別に安いわけではなかったのです！
では、なぜ安く感じるのか、専門家に伺うと…ホームセンターは同じ商品を大量に陳列しているためだと言います。そこで、こんな実験！普段は１８９０円で販売されているロールケーキの後ろに、在庫を５箱だけ並べた通常の陳列で、商店街を行く３０人の方々に値段を予想してもらいます。すると…半数の１５人が２０００円以上と予想。続いては、
同じケーキの後ろに在庫を１００箱並べ、大量陳列状態にして、別の３０人に値段を予想してもらうと…２０００円以上と答えたのはわずか２人。逆に１０００円未満と答えた人が１１人もいたのです。
１０００円未満と答えた方に正解を教えると、「山積みなので安いと思った」そうで、皆さん驚きのご様子。専門家によると、一般の人には、スーパーで特売の目玉商品が大量陳列で安く売られているイメージが脳にすり込まれているので、「大量陳列＝安い」と感じてしまうそうです。もちろん実際に安い商品もありますが、他よりも高い商品の値札を見ても、「あれ？この商品、大量に並んでて安そうに見えるけど、実際には他の店より高いな」と分かるほど、商品の相場価格が頭に入っているお客さんはほとんどいません。なので、多少高い商品があっても「安いものがいっぱいで得してる」とついつい思い込んでしまうようです。
ホームセンターのように商品が大量に陳列されていると、スーパーの目玉特売品と同じように、自然と安いイメージを持ってしまうのだ！
③なぜ手作りが大人気なの？
さて、ホームセンターの魅力の１つといえば、日曜大工用品。でも、今なぜ手作りが大人気なのでしょう？そこで、こんな実験！男女計５名の若者に、吹きガラス工房で、職人さんの指導のもと、一からグラスを作ってもらいました。もちろん、全員初めてのグラス作りなので悪戦苦闘。しかし、それぞれ形が悪いながらも初作品を完成。５人には自分の作品と一緒に、職人さんが作ったキレイなグラスも一緒に持ち帰ってもらいました。その出来栄えの差は一目瞭然です。
そして三日後、実はここからが本番！
矢野さんが全員の自宅を訪ね、２つのグラスの使われ方を確認します。すると…皆さん自分の作ったグラスを出来が悪いにもかかわらず愛用し、中には職人のグラスは箱に入れたままという人も。さらに、どちらか片方のグラスを返却してほしいと伝えると、５人全員が職人の作品を返却したのです。
この理由を専門家に伺うと、これは「自我関与」と呼ばれる現象で、自分の作品に対しては、たとえ出来が悪くても、愛着がわくのだそうです。だから、日曜大工用品など、手作りのための道具や材料が揃うホームセンターは人気なのですね。
そこでこんな実験です。とある劇場で、舞台を見に来たお客さんに、架空の劇団の主役を選ぶアンケートを実施。アンケート用紙は３人から選ぶものと、１０人から選ぶ２種類を用意し、１６２人のお客さんに半分ずつ配布します。アンケートに答えるかどうかはお客さんの自由です。そして公演終了後、出口に設置した回収ボックスの中身を開票してみると…３人から選ぶ用紙は８枚だったのに対し、１０人から選ぶ用紙は１７枚と、２倍以上の回収率だったのです。
さて、ホームセンターの魅力の１つといえば、日曜大工用品。でも、今なぜ手作りが大人気なのでしょう？そこで、こんな実験！男女計５名の若者に、吹きガラス工房で、職人さんの指導のもと、一からグラスを作ってもらいました。もちろん、全員初めてのグラス作りなので悪戦苦闘。しかし、それぞれ形が悪いながらも初作品を完成。５人には自分の作品と一緒に、職人さんが作ったキレイなグラスも一緒に持ち帰ってもらいました。その出来栄えの差は一目瞭然です。
