東大
に受かる(秘)勉強法
第1119回 2012年2月25日
2月25日、26日は
東京大学
の入学試験日!東大といえば、ノーベル賞受賞者や総理大臣など、そうそうたる人物を輩出してきた日本の最高学府。そこで今回は、現役の東大生たちに聞いた、東大に受かるためのマル秘・勉強法を科学します!
①東大流・ノートの書き方とは?
近年、東大生のノートに関する本がベストセラーとなりましたが、そもそも東大生と普通の大学生で、ノートの取り方にはどんな違いがあるのでしょうか?早速実験!まずは比較のため、偏差値40〜60程度の大学に通う、平均的な学力の学生さんに、古文「枕草子」の5分間の授業映像を見ながら、高校時代と同じようにノートを取ってもらいます。すると…授業が始まっても何も書き留めず、1分が経過。そして、先生の板書が始まると同時に、ようやくノートを取り始めました。その後も、ほぼ板書をそのまま書き写し、ノートに書いたのは45文字と、先生が板書した50文字とほぼ変わらず。同じ実験を計10人で行った結果、同じような傾向が見られ、その平均は65文字。これがごく普通のノートのとり方ですね。
そして、ここからが本番!現役東大生にも全く同じ授業を受けてもらいます。すると…東大生は授業が始まった途端、すぐにノートを取り始め、手を止めることなく、5分間ひたすらペンを走らせ続けたのです。ノートを見ると、板書と共に先生の話を細かくメモしてあり、文字数はなんと130文字!東大生10人で行った結果、平均でも110文字。先生の板書の倍以上もノートに取っていたのです!
では、ノートにたくさん書くだけで成績が上がるのか?こんな実験です!同じ高校に通う、成績もほぼ同じという8人を、2チームに分けます。
Aチームには、「先生の言葉もたくさんメモしてください」と伝え、東大生流でノートを取ってもらいます。一方のBチームには、「板書だけをノートに取って下さい」と伝え、両チームに同じ授業を受けてもらいます。
授業の内容は、8人ともほとんど知識がない国、「グルジア」の歴史。そして1時間の授業が終了。Aチームは全員5ページもノートを取っていたのに対し、板書だけを書き写したBチームは2ページでした。
1時間の休憩を挟み、ここからが本番!全員にグルジア史に関する20問の抜き打ちテストを実施!全て板書の中から出題されたテストが終わり、採点の結果…
板書だけを書き写したBチームは0点の生徒もいて、4人の総得点は21点でした。一方、東大生流に細かくノートに書いたAチームは、全員が5点以上で、総得点は32点と、Bチームのおよそ1.5倍の好成績!
念のため、両チームのノートの取り方を逆にして、「アルメニア」という国の歴史で、同じテスト実験を行った結果、東大生流のBチームの方が高得点を記録!なぜ、出題と関係ない先生の話まで書いた方が、好成績だったのでしょう?理由を専門家に伺うと…
「無駄と思える事でもたくさん書いた方が、思い出す情報が増え、それがきっかけとなり、重要なキーワードを関連付けて思い出しやすくなると考えられる」そうです。つまり、たくさん書くことで、記憶を引き出すきっかけが増える。これこそが東大生流ノートの秘密だったのです!
出題には直接関係ない事でも、ノートにひたすら書きこむことで、キーワードを思い出すきっかけが増え、テストの成績が上がるのだ!
②検証!小テストの効果とは?
さらに、東大生たちに印象に残っている勉強法を聞くと…「小テスト」という声が多数。でも、あまり重要視されない事が多い小テストに、どれほどの効果があるのか?こんな実験です!
専門学校生8人に、なじみの薄い国の国旗、40個を15分間、メモは禁止で暗記してもらいます。
そして15分後…本番のテスト前に、10問の小テストを実施。しかし、これは小テストによる成績の違いを確かめる実験なので、答え合わせは無し。そして、1時間の休憩後、いよいよ本番のテスト!実は、20問中、前半10問は小テストで出なかった問題、後半の10問は小テストで出た問題です。そして、採点結果は…なんと8人中7人が、小テストに出た問題の方が圧倒的に高得点だったのです!
念のため、スワヒリ語の暗記テストで同じ実験をした結果、8人中5人が、小テストを行った方が高得点でした。
でも、小テストの後、答え合わせも復習もしていないのに、なぜ成績が上がったのでしょう?専門家によると…
「小テストは思い出す行為の練習になり、それが記憶力を高めたと思われる」そうです。東大生に取材すると、高校時代、休み時間に友だち同士でクイズ感覚で問題を出し合うなど、普段から思い出す練習をしていたそうです。
小テストによって中身を覚えるだけではなく、記憶を引き出すトレーニングにもなるので、成績アップが期待できるのだ!
③試験前に甘いものは本当に効くの?
東大生たちに試験当日の必需品を聞いてみると…チョコレートや飴など、甘い物を口にして、試験にのぞむ人が多いようです。そこで、テスト前の甘い物は効果があるのか?実験です!20代前半の6人の学生に、朝食内容の違いで実験結果に差が出ないよう、朝食抜きの腹ペコ状態で集まってもらいました。まずは6人の記憶力をチェックするため、全員全く知らないというインドネシア語の単語20個を暗記してもらい、5分後にテストをします。その結果、成績上位3人と、下位3人にチーム分けし、ここからが本番!
全員に内緒で、上位3人にはノンカロリーで糖分なしの炭酸飲料を、下位3人には、たっぷり大さじ一杯の糖分を加えた炭酸飲料を飲んでもらいます。糖分が体内に吸収される15分後、先ほどとは別のインドネシア語20個を覚えてもらい、5分の休憩後、本番のテストです。すると…糖分なしの上位3人の合計点数は、事前テストの30点と全く変わらず。一方、糖分補給をした下位3人は、事前テストでは合計15点でしたが、今回は20点と、5点アップ!さらに1時間後、また別のインドネシア語を覚えてもらい、テストをすると…糖分なしの3人は32点とほぼ横ばい。しかし、糖分ありの3人の合計得点は26点と、さらに成績を伸ばしたのです!
確認のため、別の2チームにも糖分を取ってもらい、全く同じテストを行った結果、同じようにどんどん点数が上昇!
この理由を専門家に伺うと…「脳の主なエネルギー源であるブドウ糖が補給されるため、成績が上がったと考えられる」そうです。
試験前の甘いものは、本当に成績アップに有効なようですね。