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英語ペラペラ(秘)上達法
第1122回 2012年3月17日


 小学校5、6年生で英語の授業が義務化され、ちょうど1年が経ちました。では、街の皆さんはどれほど英語を喋れるのか?20〜30代の男女に、外国人の仕掛け人が英語で簡単な道を尋ねてみたところ…15組中14組もの方々が、最初に日本語で応対してしまうという結果に…。そこで今回は、街のアンケートで多く聞かれた、英会話の勉強法を科学します!

①ラジオなどで英語を聴くだけで、英語がわかるようになる?
 よく、「英語のラジオなどを聴き続けると、自然と英語が理解できるようになる」と言いますが、本当でしょうか?早速実験です!英語が苦手な現役高校生の男女4人に、まずは実力を確かめるため、一般的な高校の英語テストに挑戦してもらうと、100点満点中、最高でも21点、中にはわずか2点という生徒も…。そしてここからが本番!4人には音楽プレーヤーを手渡し、アメリカで広く親しまれている物語を、冒頭から5分間、英語で朗読した音声を、普段の生活の中で、24時間聞き続けてもらいます。そして翌日…24時間英語を聞き続けた4人が集合。果たして英語がわかるようになったのか、リスニングテストで確認です。出題は、物語に含まれている1文を、5つの文から選ぶ5択問題。すると…なんと全員正解を連発!20問中、最高は16点、最低でも11点という驚きの結果に!でも、聞き続けた物語が簡単すぎたのかもしれません。そこで、別の日に同じ4人で英語の難解な経済学の本を使い同じ実験を行ったところ…全員が6点以上で、中には10点を取った生徒も。どうやら、難しい本でも聞き取れたようです。しかし、彼らにどれぐらい本の内容を理解しているか聞いてみると…「内容や文法はさっぱりわからなかったが、単語が聞き取れたので正解できた」と言うのです。この理由を専門家に伺うと…「何回も聞くことで、知っている単語であれば聞き取れるが、英語を聞いているだけで文法の力や、新しい単語を覚えられるという証拠はない」そうです。英語を聞き続けると、知っている単語のリスニング能力は上がっても、そもそも知らない単語や文法はわからないのも当然ですよね。そのため、英語のCD教材などは、英文の後、すぐに日本語訳が流れるなど、文法や英単語習得の工夫がされているのです。

所さんのポイント
ポイント1
ラジオなどで英語を単に聞いているだけでは、知っている単語を聞き取る能力は上がっても、文法や新しい単語は身につかないのだ!

②洋楽を歌うだけで英語が上手になる?
 さて、英語の歌を歌うと、英語が上達するなんてよく言いますよね?そこで実験!まずは、英語が大の苦手だという、20代の男性4人に、一般的な高校入試のリスニングテストを受けてもらいます。すると…中学3年生でも60点は取れる簡単な問題ですが…結果は全員が20〜30点台という散々な結果でした。そしてここからが本番!全員が2番で正解彼らには、世代的に馴染みのない、1980年代のヒット曲、「パワー・オブ・ラブ」の歌詞を渡し、カラオケルームに1人1人入ってもらい、CDデッキから曲を流し、9時間に渡り100回以上歌い続けてもらいました。そして、歌詞カードを回収し、翌日再び集合。4人には、昨日歌った曲の正しい歌詞を、5つの文から選ぶ、リスニングテストを受けてもらいます。ただし、それぞれの文は、ごくわずかに違うだけの超難問。すると…4人は、音声を聞いただけで微妙な違いを聞き分け、正解を連発!20問の結果、最低でも13点。トップは18点という高得点記録でした!
 この理由を専門家に伺うと…「洋楽を歌うのは、シャドーイングという勉強法に近い効果がある」そうなんです。例えば、日本人はリンゴの英語発音を「アップル」と、アメリカ人には通じにくいカタカナ英語で覚えがちですが、洋楽を歌うことで、正しい英語の発音に自然と矯正され、結果、英語を聞き取る能力が上がるそうなんです。ただし、単語の意味や文法までは分からないので、英語の勉強は忘れずに!

③海外留学すると、なぜ英語の上達が早いのか?
 英会話の習得に最も有効だとよく言われる海外留学。なぜ、海外留学すると英語が早く上達するのでしょうか?そこで、こんな実験!高校卒業程度の英語力の女性に、ショートケーキのレシピを渡し、彼女がリーダーとなり、レシピ通りに3人のアメリカ人に指示を出し、90分以内に作ってもらいます。つまりこれは、海外留学に似た状態を作り、日本人がどれぐらい英語を話すのかを調べる実験なんです!発した英語の数は、別室でスタッフがカウント。比較のため、その後には、英語がペラペラな日本人3人とも全く同じ条件で実験を行います。ボウルを受け取る日本人女性「This This」すると…開始早々、女性が「ボウル」を取って欲しいと頼むと、アメリカ人が出したのは茶碗!実は、英語でボウルといえばどんぶり、茶碗、植木鉢など、多くの意味があるのです。結局銀色のボウルを手にするまでに、日本人女性は11の英単語を使いました。
 一方、日本人相手の場合は、ボウルと言っただけで意味が通じ、使った英単語は2つだけ。その他、イチゴをスライスする時などにも、ショートケーキにはさむイチゴをスライスする習慣のないアメリカ人相手には行き違いが生じ、女性は英単語を必死に繰り出し、なんとかショートケーキが完成。結果、アメリカ人との会話で875もの英単語を喋ったのに対し、英語がペラペラの日本人には246と、3分の1以下しか使わなかったのです。さらに、全く同じ条件で、もう1人の日本人男性はレシピを変えて、さらに別の2人には、それぞれツイスターと、ボードゲームのバックギャモンのルールを教えながらプレイしてもらい、喋った英単語の数を計測。その結果、全員が、アメリカ人相手の方が英単語を圧倒的に多く使ったのです。この理由を専門家に伺うと…「同じ英語が話せても、日本人と外国人では、量り方の単位や習慣など、背後にある文化が違うので、外国人には伝わりにくいことが多く、そのギャップを埋めるために会話の数が多くなると考えられる」そうです。つまり、留学先では、必要に迫られて自然と英語を多く話さなくてはならないので、上達が早いんですね。さらに、外国人の方はよく喋る方が多いので、それにつられて英語を多く喋るのも、要因の1つと考えられます。

所さんのポイント
ポイント2
海外留学では、国によって文化や環境が違うため、多くの英語を話す必要があるので、早く英語が上達するのだ!




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