幻の生物
ツチノコ
発見
第1128回 2012年4月28日
日本各地を旅しながら、その地方に伝わる独特の祭りや変わった風習、さらには古代遺跡まで…様々な不思議に科学を武器に迫る!大好評、
「47都道府県ミステリー研究所」
。第2弾は
「岐阜編」!
スタジオには岐阜県出身の清水ミチコさんをゲストに迎えました!
①幻の生物、「つちのこ」を発見!?
岐阜県東部の東白川村には、20人以上のつちのこ目撃者がいて、その数は日本一と言われています。つちのこが交通標識にも描かれ、さらに、捕まえたら賞金までかけられている、まさに「つちのこの村」。そこで、村の方々に「つちのこは、いると思うか?」尋ねると…目撃した人こそいないものの、ほぼ全員が「いると思う」と回答!さらにスタッフは隣町に
つちのこらしきものを捕まえた人がいると聞き、急行!その方に、当時の写真を見せてもらいました。そして、その写真を専門家に分析してもらい、つちのこの正体に違いないと思われる生物を突き止めました!
その生物を箱に入れ、東白川村の方々に、フタを開けて姿を見せ、「箱の中の生物は?」と尋ねると…なんと20人全員がつちのこだと証言したのです!そして、その生物がスタジオに登場!すると…所さんも、見た瞬間、つちのこだと証言!
ところが、体を持ち上げてみると、4本の足が…。
この生物は、オーストラリアやインドネシアに生息する「アオジタトカゲ」の仲間!実は、白川村は山林に包まれ、林業が盛んなため、海外から輸入した材木に迷い込んできたのではないかと推測されるのです。
つちのこは他にも兵庫や岡山、新潟など、どこも林業が盛んな山間部で目撃されているので、もしかしたら、このトカゲだったのかもしれません。しかし、このトカゲは、つちのこの特徴である細い尻尾とは違い、太い尻尾を持っています。つちのこは未確認生物のため、実在する可能性もまだまだ捨てきれません。
つちのこの正体は、海外の木材に紛れて日本にやってきた、アオジタトカゲの仲間かもしれない!
②恐怖!「口裂け女」の正体とは?
およそ30年前、日本中を恐怖に陥れた、口裂け女。実は、口裂け女が最初に出現したのは岐阜県・八百津町だと言われているんです!そこで、この町の方々20人に「口裂け女はいると思うか?」尋ねると…なんと7割の方がいると思うと回答。皆さんからの情報をまとめると、トレンチコートを着て、手にはカマを持ち、「私キレイ?」と聞いてマスクを外すと…口が耳まで裂けているといいます。ミステリーの研究家によると、この口裂け女の、あるポイントが正体に深く関わっているとのこと。
そこで実験!口裂け女の伝説を知らない小学3〜4年生の子どもたちに、およそ100mの道路を、ただ歩いてほしいとだけ伝えます。しかし、その途中に、「こんにちは」と声をかけ、すれ違うのは、口が大きめの女性仕掛け人。しかも、赤い口紅をばっちり塗って、口を強調します。そして、女性とすれ違った子供たちに、女性の顔を描いてもらうと…特に口を大きく描く子供はおらず、特徴は見当たりませんでした。でも実験はここからが本番!
別の子供たちで、あるポイントだけを変えて全く同じ実験を行うと…みんな似顔絵では口を大きく強調し、その長さの平均は8cm。なんと1回目の子供たちに比べ、平均で2.6cmも口を大きく描いたのです!実は、1回目と違うのは、女性が挨拶する時に、「つけていたマスクを外す」という動作を加えただけ。専門家に伺うと…「マスクをしたことで、子供たちは無意識に口に注目したため、大きく見え、さらに、マスクを外すことで徐々に時間をかけて口が見えてくることで、口がより大きく見える効果もある」そうです。
これは、隠れているものを見せるときに、その動きがゆっくりであればあるほど隠れている物が長く見える、「タウ効果」という目の錯覚。実は、口裂け女が社会現象になった1979年は花粉症が大流行し、マスクをつけて歩く女性が一気に増えたのです。しかも八百津町にはスギやヒノキが多く、特に花粉症が流行ったのかもしれません。さらに、この当時、女性のファッションとして鮮やかな赤い口紅が流行ったので、どぎつい赤がショッキングに見え、口裂け女の噂が生まれたのかも知れません。
マスクを徐々に外すと、目の錯覚で口が長く見える!さらに、当時は花粉症が大流行したため、口裂け女の噂が広まったのかもしれない!
③滝の水がお酒に変わる?「養老の滝」伝説は本当!?
岐阜県にある養老の滝。ここには、山で薪を拾っていた孝行息子がある日偶然滝を見つけ、その水を飲んだらお酒だったという、不思議な伝説が語り継がれています。
そこで、地元の方々に、養老の滝伝説を信じるか聞いてみたところ…地元にもかかわらず、9割の人が信じていなかったのです。そこで、ユージさんが現地に向かい調査開始!まずは滝の水を飲んでみたところ…当然お酒の味はせず、普通の水。謎を解くカギを求めて、さらに調べてみると、この出来事が起きたのは夏の終わり。夏の終わりといえば、滝の周りには果実がたくさんなっているはず!そこで、
滝つぼの水溜まりにキイチゴの実を入れて放置し、夏の終わりを再現します。そして5日後…水は赤く変色していました!上澄みをすくい、雑菌をろ過して味見すると…残念ながらお酒の味ではなく、酸っぱい味でした。滝を訪れた方々にも、何も伝えず試飲してもらったところ、皆さんやはり酸っぱく感じるだけで、お酒の味はしないと言います。しかし、念のため、この液体の成分を研究施設で分析してもらうと…なんと約0.5%のアルコールが検出されたのです!実はお酒が出来るのに必要なのは、糖分と酵母菌と水。今回はキイチゴの実に含まれる糖分を、滝の周りにいる酵母菌が分解して、微量ながらアルコールが出来たと考えられます。
さらに専門家に伺うと…「養老の滝の水は、硬度が高いため、野生の酵母がアルコールを作りやすい」と言います。そこで、
硬度0、硬度8、養老の滝と同じ硬度90の、3種類の水に酵母菌を入れて、3日間放置すると…硬度が高いほうが、たくさんの酵母菌が繁殖していたのです。
実際のアルコール濃度も、硬度90の水が最も高かったのです。つまり、硬度の高い水に、木の実が豊富になったという偶然の条件が重なったことが、養老の滝伝説を作り出したのかもしれませんね。