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携帯&パソコン 節電術
第1129回 2012年5月5日


 もうすぐ暑い夏。家庭の電気料金の値上げも検討される中、今のうちに対策を考えておきたいのが「節電」ですよね?エコに関する疑問を徹底解明する、大好評、「目がテン・エコ研究所」!今回は、パソコンや携帯電話など、身近なデジタル家電の節電法を徹底検証します!

①パソコンを使わない時、「電源オフ」と「スリープ」どっちが節電になる?
 どのご家庭でも、パソコンを使用中にちょっとパソコンを離れる時ってありますよね。その時皆さんは、シャットダウンして電源を落としますか?それとも、フタを閉じてスリープさせますか?そこで、街行く人に、パソコンを30分使わない時、どちらが節電になると思うか尋ねると…半数をやや上回る、30人中16人が電源オフと回答。では、実際にどちらが節電になるのか実験です!用意したのはWindows7搭載のノートパソコン。まずはスリープモードから。バッテリーを外し、小さい電力でも測定できる電力計に接続し、計測開始と同時にパソコンのフタを閉じ、そのまま30分間放置します。そして30分後…スリープから復帰させ、標準のソフトが起動し、使用可能になったところで計測を終了します。結果、消費電力は、0.501Whでした。続いて電源オフの場合。同じく計測開始と同時にシャットダウンし、30分後、電源を入れ起動。ソフトが立ち上がるまでの消費電力を測定すると…0.807Wh。なんと電源をオフにしたのに、スリープの1.5倍も電力を消費していたのです!でも、これはメーカーや普段の使い方の違いによるものかもしれません。そこで、別のメーカーの3台のパソコンでも同じ実験をしてみたところ…結果、全てのパソコンでスリープの方が、消費電力が少なかったのです!この理由を専門家に伺うと…「完全なシャットダウンや、起動をする時に、沢山ハードディスクを使い、多くの電力を消費するため」だそうです。スリープ、電源オフ 消費電力の変化比較グラフそこで、実験中の消費電力を比べてみると…スリープの場合、スリープモードに入る時に、少しの電力を消費。その後はほとんど使わない状態が続き、復帰するときに少し電力を使っていました。一方、電源オフの場合は、シャットダウンの時と、起動する時に、かなり多くの電力を使っていたのです。
 ただしこれは30分の場合。念のため、1時間で同じ実験をしてみると…スリープ時の消費電力は0.957Whだったのに対し、電源オフでは、0.623Whと、結果は逆転!実は、スリープの場合、パソコンの機能を保持するために微弱な電気が流れ続けているので、時間が経つにつれ、消費電力が増えるのです。そして、40分間でも実験を行った結果、30分と40分の間に消費電力の逆転が起きた事が分かりました。そして、メーカーの異なる4つの機種で、どのくらいの時間で逆転するのか調べた結果…各機種バラつきはあるものの、30分以内ならスリープモードを活用し、2時間を超えるような長時間なら電源をオフにした方が節電になるようです。

所さんのポイント
ポイント1
パソコンのスリープモード中は、微弱な電気が流れ続けているため、長時間パソコンを離れる場合は、電源を切った方が節電になるのだ!

②携帯電話の充電方法で、最も節電になるのは?
 今や誰もが持っている携帯電話。一体どう充電するのが最も節電になるのでしょう?皆さんに聞いてみると、充電方法には次の3つのパターンがあるようです。①充電が終了しても充電器に携帯を差したまま。 ②充電が終了したら充電器から携帯を抜く。 ③充電が終了したら充電器ごとコンセントから抜く。この3つのうち、どのパターンが節電になると思うか、街で30人の方に聞いてみると…全員が③と回答。そこで、実験!普通の携帯電話を電源が落ちるまで完全に放電させ、計測スタート。携帯に充電器をつなぎ、電源を入れます。まずは①から。充電を終えてもそのまま差しっぱなしにして、8時間計測した結果…5.276Wh。今度は②のパターン。2時間過ぎに充電が完了し、ランプが消えたところで充電器から抜き、8時間後…結果は5.361Wh。これは、専門家によるとバッテリーの状態による誤差の範囲内。①と同じと考えてよい数値でした。そして大本命、③の充電器ごとコンセントから抜く方法。充電が完了し、ランプが消えたところでコンセントから抜き、実験終了。結果は…5.317Wh。なんと3パターンとも誤差の範囲内で消費電力は同じという結果に!さらに、別の機種でも同じ実験した結果、同様に3パターンとも誤差範囲内でした。実は、最近の携帯電話は、充電が終わると、それ以上電気が流れない仕組みになっているので、充電器から携帯を抜いても抜かなくても変わらないんです。さらに、充電器の待機電力もほとんど0のため、どの充電方法でも消費電力はほとんど同じなのです。そして、スマートフォンでも実験したところ、①の充電が終わっても、差したままの場合、他の2つに比べ消費電力が大きくなっていました。この理由は、スマートフォンは、本体の消費電力が大きく、一旦充電が完了しても、電池がどんどん減っていき、それを補うのにこまめに充電されるためと考えられます。

所さんのポイント
ポイント2
最近の携帯電話は充電が終わると、電気がストップし、充電器の待機電力もほぼ0。つまり充電後にコンセントを抜いても節電にならないのだ!

③ハードディスクレコーダーと薄型テレビ、待機電力が多いのはどっち?
 節電とはいえ、コンセントを抜きにくい、薄型テレビやハードディスクレコーダー。そこで気になるのは待機電力ですよね?街で、どちらの方が待機電力が多いと思うか尋ねると…常に起動しているイメージがあるようで、30人中21人が、ハードディスクと回答。そこで、ユージさんが一般のご家庭にお邪魔して、この2つの待機電力を調査!1軒目のお宅に電力計をセットし、まずは薄型テレビから。リモコンで電源を切った瞬間から、1時間の待機電力を測定すると…なんと数値は0!実は、最近の薄型テレビは待機電力が測定できないほど少ないんです。続いて、同様にハードディスクレコーダーの電源を切り、1時間の待機電力を測定。すると…24.129Whと、0だったテレビに比べてかなり高い電力でした。2軒目でも同様にテレビの待機電力は0。ハードディスクレコーダーは、1軒目とは違うメーカーですが、26.014Whと同じく高め。そして3軒目もテレビは同じく0。高速起動モードでテレビがつく瞬間「00:00:00」しかし、ハードディスクレコーダーは、なんと0.582Wh!2軒目のお宅と同じメーカーにもかかわらず、圧倒的に少なかったのです!さらに他の3軒でも実験を行ったところ、メーカーに関係なく、消費電力に、かなりの差があったのです。この理由を専門家に伺うと…「ハードディスクレコーダーには高速起動モードが付いていて、これを使うと、いつでも電源をオンにした状態と同じになるため、消費電力が大きくなる」そうです。実際に、高速起動モードをオンにしてみると…電源を入れた瞬間に起動したのです!
 つまり、起動時間を速くしたい方は高速起動モードをオンに、節電を考えている方は通常モードの方をオススメします。知らずに設定している方も多いと思われるので、一度、ご自宅のハードディスクレコーダーの設定を確認してみてください。



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