知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


みんなノリノリ(秘) 踊り
第1143回 2012年8月11日


 全国各地を巡り、その土地のミステリーを科学で解き明かす、「47都道府県ミステリー研究所」!第3弾の今回は、阿波おどりの季節を迎え、盛り上がる徳島県編!スタジオには徳島県出身の、哀川翔さんがゲストに登場しました!

①踊るだけで陽気になる? 「阿波おどり」の秘密!
 徳島の名物と言えば、阿波おどり。毎年、全国からおよそ130万人もの人が集まり、10万人もの踊り子が舞う、踊りの祭典!戦国時代、徳島城を築城した際の祝賀行事として始まったと言われているそうです。地元の方々に話を聞くと…「この日のために1年を生きている」という声などがあり、まさに生活の一部。そこで、徳島県民を虜にする魅力を確かめるべく、ユージさんが、徳島に飛び、阿波おどりの練習に参加させてもらうと…ダンスが苦手なユージさんですが、一度教わっただけで楽しく陽気に踊れてしまったのです。実際、見物客も、曲を聞いているうちに思わず踊り出して、飛び入り参加してしまうんだとか。阿波おどりで踊る園児では、本当に誰もが陽気になれるのか?こんな実験!阿波おどりを全く知らない埼玉県の保育園児たちが、自由時間におもちゃで遊んでいる所に、まずは比較のため、日本伝統の盆おどり「炭坑節」をかけてみると…15人の子供たちは誰も踊らず。続いて、阿波おどりをかけてみると…なんと15人中7人の子が楽しそうに踊りだしたのです!
 念のため、別の14人の園児で、同じ実験をしてみると、炭坑節で踊り出したのはわずか2人だったのに対し、阿波おどりはなんと半数以上の9人が踊りました!踊った理由を園児たちに聞いてみると…「楽しくてついつい踊ってしまった」と言います。その理由を専門家に伺うと…「炭坑節のリズムはゆったりしたリズムなのに対し、阿波おどりは跳ねるような、まるでスキップのようなリズムのため、陽気な気分になりやすいと考えられる」そうです。さらに、他にも「ミッキーマウスマーチ」や、「あめふり」などの曲も、阿波おどりに近いリズムを持っているそうです。

所さんのポイント
ポイント1
阿波おどりの曲は、スキップのようなリズムを持つため、聞くだけで、陽気になり、ついつい踊らせてしまう力を持っているのだ!

②「鳴門の渦潮」が発生するメカニズムとは?
 もう一つの徳島県の名物といえば、鳴門海峡に渦巻く「鳴門の渦潮」。世界最大級とされる渦潮が出来る秘密を探るべく、ユージさんが船に乗って出発!しかし、この日は記録的な大雨の影響で、複雑に波が立ち、渦は発生せず…。後日スタッフが改めて鳴門海峡へ向かうと、そこには、いくつもの渦潮を見ることができ、なんと10m以上の渦も!そして、渦が発生している先の方を見てみると…なぜか、手前より奥の海の方が高くなって、海に段差が!なんと、時には、1.5mもの段差ができるそうです。実は、鳴門海峡は、長さ1.3kmと狭いため、太平洋側から鳴門海峡に向かう満潮は通過できません。そのため、満潮は大阪湾方面から回り込み、瀬戸内海側から鳴門海峡に6時間ほどかかって、ようやく到着します。その間に太平洋側は干潮になり、鳴門海峡を挟んで満潮と干潮が向かい合う形になります。この時、海面に水位差が生まれるので、満潮側から勢い良く海水が流れ込み、中央部を流れる速い流れと、その両側の遅い流れとの速度差で渦が発生すると言うんです。これが、鳴門の渦潮発生のメカニズム!では、同じ状況を再現すれば、渦潮を人工的に発生させることが出来るのか、実験です!
後ろ向きになる女性「回転!」  専門家の指導の下、流れるプールに、鳴門海峡に見立てた、ついたてを入れ、男性たちが支えて、狭い隙間を作ります。さらに、ついたてをハの字の形にして、流れに逆らうようについたてを押すと…その瞬間、水位差が生まれ、速い水流により見事に渦が発生しました!そのパワーを確かめるため、水着姿の女性に、渦に近づいてもらうと…クルッと回転!実験は見事成功でした!ちなみに、鳴門の渦潮の見頃は、春と秋。約20mの渦潮が発生する事もあるそうです。

所さんのポイント
ポイント2
「鳴門の渦潮」ができる理由は、鳴門海峡の特殊な地形が、潮の満ち引きによって、海面に段差を発生させるためだった!

③なぜお遍路さんは長い距離を回りきることが出来るのか?
 四国一周、八十八ヶ所の霊場を巡るお遍路。実は、その最初の場所が徳島にある霊山寺なんです。もともとは、弘法大師が修行のために巡った足跡を辿るようになったのが、四国遍路の始まりと言われています。皆さんに巡る理由を聞いてみると…人生の節目や、悩みごとの解消など様々。八十八ヶ所を巡るルートの総距離はおよそ1400km。徒歩で毎日たどったとしても、およそ2か月かかる厳しい道のりなのに、年配の方でも回りきってしまう人が多いといいます。皆さんは、八十八ヶ所全てを回ったという証に、掛け軸や納経帳、襦袢などにそれぞれのお寺の朱印を押してもらっていきます。これを全部もらっていくのはいかにも大変そうなのですが、話を聞くと…大変だったどころか、細かくたどっているうちに、いつの間にか全部回ってしまっていたと言うんです。つまり、1つ1つ目標を積み重ねると疲れないという事なのでしょうか?そこで実験!男女各2名の2チームに、都内を10km歩いてもらいます。片方の2人には寄り道を一切せずに真っ直ぐ10kmを歩いてもらい、もう一方の2人には、お遍路に見立てて1kmごとに記念撮影をしながら歩いてもらいます。そして、実験開始!2時間以上かけ歩いてもらい、ゴールした所で、肉体の疲労度を唾液アミラーゼの活性度から測る機械で測定。すると、後半は辛そうだった真っすぐチームよりも、「楽しく歩けた」と言っていた寄り道チームの方が、疲労度を示す数値が高いという結果に…。この理由は、寄り道チームの方が、記念撮影をした分、若干歩いた距離が増え、炎天下にいた時間も長くなったためと考えられるそうです。でも、実は唾液だけではなく、精神的な疲労感の目安となる、脳の前頭前野の血流も実験の前後で測定した結果…、真っすぐチームは実験後、血流が下がっていたのに対し、寄り道チームは、実験後に、血流量が明らかに増えていて、疲労感が少ないことがわかったんです!つまり、お遍路は、八十八か所を細かく回ることで、身体はともかく、精神的には疲れを感じにくいので、最後まで回りきることが出来るようなんです!大きな目標をいきなり目指すよりも、小さな目標を一つ一つこなしていく方が、楽に最終的な目標を達成することが出来るという事は、夏休みの宿題など、日常生活にも応用できそうですね。



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