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メンタリズムの科学
第1162回 2013年1月26日


 マジックでも超能力でもない、新たなパフォーマンス、メンタリズムが評判です。
自在に操るのは、今やテレビに引っ張りだこのDaiGoです。
 DaiGoはメンタリズムを科学の力を応用したパフォーマンスだと言います。
 科学?と聞いては目がテンも放っておけません。
 いったいDaiGoのパフォーマンスのどこに科学の力が応用されているのか調べてみたい。そんな提案をDaiGoも了解してくれました。
 今回は「メンタリズムの科学」です。

メンタリズムのパフォーマンス① 「水晶玉はどちらの手にあるのか」
 硬貨など何かを手の中に隠して、どちらに入っているかを当てる遊びは誰でも一度はやったことがあると思いますが、DaiGoのパフォーマンスでは、これをほぼ100%の確率で当てます。偶然に全部当たることはあるかもしれませんが、普通に考えれば、当たる確率は1/2、50%のはず。
 ところが、これを限りなく100%に近づける方法があると言うのです。
 実際、ユージがDaiGoに教わった一つの方法で試したところ、70%以上の確率で当たるようになったのです。それがDaiGoの言う「マッスル・リーディング」です。
 人間は何かを握ると、無意識に筋肉に力が入り、親指と人差し指の間が固くなるというのです。実際筋肉のメカニズムに詳しい専門家に、筋肉の硬さを測ってもらったところ、何かを握った場合と握らない場合とでは大きな差が出ました。
 なるほど生理科学的変化の応用といえそうです。
 さらにDaiGoによれば、隠そうとすると無意識に、意識的にコブシが上を向いたり親指の位置がやや高くなるので、そうしたものも合わせて、当たる確率を限りなく上げていると明かしました。

メンタリズムのパフォーマンス② 「なぜ人の性格を見抜けるのか」
 DaiGoのパフォーマンスの一つに一瞬にして相手の性格や志向を見抜くというものがあります。
 これに対して、DaiGoは「別に見抜いているわけではない」といいます。いったいどういうことなのか、性格診断テストと称するパフォーマンスをウオッチングしました。
 被験者8人を1室に集めた後で、DaiGoが白衣を着たエキストラを引き連れて登場。
 自分が外国の大学と一緒に作ったという100問の性格診断テストを受けてもらってそれぞれの性格を分析、診断すると伝えました。
 被験者が指示通りテストを受けている間、別室にいたDaiGoは被験者の性格診断結果はすでに用意してあるといいます。どういう意味なのか分からないまま、テストは終了。
 その後、10項目の診断結果を各人に配って、当てはまると思ったら○をつけてもらいました。
 すると、○がついたのは全体の78%にも上りました。DaiGoが性格をそれぞれの言い当てたということなのか。ここでDaiGoがタネ明かし。今配った診断結果は、テストとは全く関係なく、全員同じことが書いてあるというのです。比較すると確かにすべて同じ。
 でも、なぜ同じ内容を自分の性格に当てはまると全員が感じたのか。
 この一部始終をVTRで見た心理学の専門家は、このパフォーマンスには、2つの心理効果が応用されているといいます。その一つが「人は権威あるものを信用しやすい」という心理。
 DaiGoが引き連れた白衣の人物。テストは外国の大学と共同で作成したという情報。
 そして100問というボリューム感。さらには診断までに時間をかけたことなどが、このテストに権威を与え、それが被験者に信用感を醸成したというのです。
 もう一つが「バーナム効果」という心理効果だといいます。10項目の診断結果をみると誰にでも当てはまるあいまいな表現がされていました。
 専門家によれば、人はどちらにもとれる場合には自分に都合のよいように解釈する傾向があるといいます。
 人間心理を逆手にとったパフォーマンス、それがこのパフォーマンスでした。
 ところで、こうした人間心理を悪用した例は、催眠商法などの悪徳商法や詐欺にも見られるといいます。くれぐれもご注意下さい。

メンタリズムパフォーマンス③ 「なぜ相手が選ぶモノがわかるのか」
 これもDaiGoの代表的なパフォーマンスの一つに人が自由に選ぶものを当てるというものがあります。しかし、DaiGoは「当てているのではなく、選ぶように誘導している」のだといいます。魔法じゃあるまいし、自分の都合のいいように選ばせるなんてことができるものなのでしょうか。DaiGoは、科学的方法を応用すればある程度はできるといいます。
 そこで6人の被験者に、赤、青、黄色の3本のペンを自由に選ばせ、選んだ色をDaiGoが当てるというパフォーマンスをやってみたところ、全員当てられてしまいました。
 DaiGoによれば、会話といくつかの仕掛けによって真ん中を取らせるように誘導できたというのです。実際被験者6人中4人が真ん中の赤いペンを取り、66%の高い確率で真ん中のペンが選ばれています。
 なぜなのか?心理学の専門家によれば、一番無難な選択として人は真ん中を選ぶ傾向があり、無意識に選べば選ぶほどこの傾向は出やすいといいます。
 DaiGoは、より無意識に選択させるために被験者に利き手とは逆の手でとらせていました。
 さらに真ん中を選びやすくするために両端を一旦手で隠してから、どうぞ取って下さいと選ばせていました。それによって真ん中の赤の印象が無意識の内に残り、選びやすくしていました。「人の無意識に働きかける」。これがDaiGoのいう仕掛けのようです。
 しかし、それでも真ん中を選ばなかった人が2人いました。
 ですが、その2人の選ぶ色も言い当てました。これも誘導なのでしょうか?
 「青を選んだ人は簡単でした。着ている物が青で、青が好きなんだって分かったし、ボクのファンだと言ってくれたので、話をしながら僕も青が好きなんですよって伝わるように誘導できました。」では、もう一人、黄色を選んだ人は?
 「外れる可能性は高かったと思います。着ているものは赤だったので素直にいけば赤でしたが、話をするとウラをかくというか少し距離をおこうとしている印象を受けたので、赤か黄色か迷いました。最後は1/2の確率で黄色にかけました。」
 さまざまな心理効果や仕掛けで被験者の選択肢をせばめて確率を高め、パフォーマンスの精度を上げていく。
 なるほどDaiGoがあやつるメンタリズムは、これまでにないアプローチをする新しいパフォーマンスのようです。



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