集中力
の科学
第1174回 2013年4月21日
学校や会社で、新たなスタートを切る4月!勉強や仕事をバリバリやるために必要となるのが「集中力」。そもそも「集中力」とは、ひとつの事に意識を集中させる能力のこと。
では、一体どうすればこの「集中力」は身につくのか?そこで本日の目がテンは、今こそ身につけたい!集中力アップ大作戦!
①集中力の不思議!150キロ超の速球を当てられる?
②子どもの集中力を切らさない方法
③カワイイ写真で集中力がUPする!?
①集中力の不思議!150キロ超の速球を当てられる?
専門家によると、集中力があればスポーツでも効果を発揮するそうなんです。そこで、非常に集中力が高いと思われる3人で実験!
1人目:高校生部門暗算日本一「原子くん(17歳)」。
2人目:速読全国大会5位「大野さん(18歳)」。
3人目:全国大会準優勝「小林さん(16歳)」。
この3人が挑戦するのが、156キロもの豪速球を投げるピッチングマシン。投げてからおよそ0.39秒でホームまで届く豪速球を、野球経験がない3人が当てられるのか試してみたところ・・・。1人目の原子くんは、なんと「10球中6球」バットに当たりました。そして2人目。バットを降るのは今日が初めてという大野さんは、「10球中7球」、バットに当てることができました。そして3人目の小林さんは「10球中5球」当てました。
なぜ経験なしに豪速球をバットに当てられたのか?秘密は「脳の働き」にありました。人は何かをする時、後頭連合野で物を確認。
頭頂連合野でその位置を見極め、前頭連合野で手や足などを動かす意思決定をします。集中力が高い人は、この情報処理が速く、正確なんだそうです。
そこで、速読の女性の脳を測定!豆を箸で決まった場所に運ぶ作業をしてもらい、脳を集中状態にして観察したところ・・・ 赤い部分が、脳が活性化している場所なのですが、なんと速読の女性の脳は、一般の人より明らかに赤い部分が多く、活発に情報処理が行われていたんです!
速読の女性の場合は、普通の人より脳の活動が非常に良いため、早いボールを瞬時に認識し、飛んでくるボールの位置や空間を見極め「身体のどこを動かすとボールが打てるのか」という一連の情報をすばやく処理できたのだ!
②子どもの集中力を切らさない方法
世のお父さんお母さんも悩んでいる子供の集中力。子供を宿題に集中させるには、どの方法が効果的なのか?そこで!9人の小学6年生を3人ずつ「3つのチーム」に分けて実験!
漫画を読む前に、まず計算ドリルをやってもらい、小学生の集中力の限度といわれる30分で、何問計算が出来るのか調べました。この時できた問題数が、彼らの通常の力ということ。その結果は・・・
Aチーム(1回目):122点/194点/ 75点
Bチーム(1回目): 72点/162点/196点
Cチーム(1回目):103点/428点/147点
その後、
Aチーム:読んでいる漫画を何も言わず取り上げ、宿題をさせる
Bチーム:宿題が終わったら漫画の続きを読んでいいよ。と伝え宿題をさせる
Cチーム:全部漫画を読み終わった後、宿題をさせる
という、3つのチームそれぞれの方法を用い、同じく30分間、計算ドリルをやってもらったところ・・・。
■Aチーム
(1回目):122点/194点/ 75点
(2回目): 90点/185点/ 73点
■Bチーム
(1回目): 72点/162点/196点
(2回目): 43点/176点/285点
■Cチーム
(1回目):103点/428点/147点
(2回目):172点/468点/ 97点
結果は、何も言わず漫画を取り上げたAチームは、3人とも事前のテストより成績が下がっていたのに対し、「あとで読ませる」と伝えたBチームと、漫画を読み終えた後に宿題をさせたCチームが、共に3人中2人成績アップ!
子どもの集中力を切らさず宿題をさせるには、「宿題が終わったら読んでいいと伝える」ことや、「漫画が読み終わってから宿題をさせる」ことが大事なのだ!
③カワイイ写真で集中力がUPする!?
街で聞くと、集中力アップ法は千差万別。その中で、広島大学・入戸野准教授が行ったユニークな集中力アップ法を発見!
成長した犬や猫の写真を見せた場合、写真を見せない時よりも、集中力が必要な作業の成績が12%アップ。その写真を、子犬や子猫のものにすると、今度はなんと44%も成績がアップ!
入戸野准教授によると、カワイイものを見ると、集中力が上がると言うんです。しかも!自分が最もカワイイと思うものであればあるほど、集中力は上がるというんです!
そこで、現在、高い人気を誇るアイドルグループ「℃-ute」の熱狂的なファン5人に集まってもらい、℃-uteを見ると集中力が上がるのか実験!チャレンジしてもらうのは、手で持っている棒を壁に触れないよう移動させ、ピラミッドの頂点を目指すというゲーム。4回、壁に触れるとゲーム終了です。
まず、一人目の男性が何も見ないで行ったところ、全体の半分の位置で終了。続いて、℃-uteの写真を30秒見てもらい、その後同じゲームにチャレンジしたところ・・・ 前回の記録をあっさり更新し、前回より進んでスタートから60%の位置になりました。
最終的に、5人中4人が、自分がカワイイと思う「℃-ute」の写真を見ることで集中力がアップしたようなんです。
そもそも、なぜカワイイものを見ると集中力が上がるのか?入戸野准教授によると「カワイイものを見ると、『もっと近くで見たい』『良く知りたい』という感情が働き、写真の細かい部分を見るようになる。細かい部分を見るには、集中力が必要となり、結果的に集中力がアップする」という。
カワイイ写真だと細部を見るようになり、その結果、集中力がアップするのだ!
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