知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


お伊勢参り の科学 [後編]
第1210回 2014年1月19日


 去年1年間で1380万人が訪れた伊勢神宮。大人気のお伊勢参りの楽しみと言えば、伊勢うどんや伊勢エビなど。今回は、そんな伊勢の最高級おもてなし料理の秘密を徹底解明!前回に引き続き新人お披露目企画!お伊勢参りの科学後編です!

①伊勢名物「伊勢うどん」 究極のやわらかさの秘密

 実験のスタートから27キロ、津の市街地に到着した後藤アナ。すると街中にやたらと、うなぎの文字が・・・。ここは、道中の名物を探ることも、実験の一環だと特上うな丼をオーダー。実は、三重県津市は1人当たりのうなぎの消費量が日本有数の土地!お伊勢参りの旅人がスタミナ源として鰻を食べた名残が、今に続いているんだとか。
 一方、前回電車で楽々伊勢に到着し、参拝を済ませたユージ。伊勢名物・伊勢うどんを頂くことに。その見た目は、極太の麺に真っ黒なおつゆ。さらに歯ごたえも、普通のうどんに比べて格段に柔らかいんです。そこで、他のうどんとどれほど違うのか比較。比べるのは一般的な立ち食いうどんとコシで有名な讃岐うどん。まずは硬さを比較すると、伊勢うどんは他のうどんよりも圧倒的に柔らかかったんです。さらに太さも伊勢うどんは段違い!
 実は、伊勢うどんは麺を柔らかくする為にわざわざ1時間も茹でており、そのため、麺が倍近くも太く柔らかくなるんです。でも、なぜ伊勢うどんはそこまで柔らかくするんでしょうか?専門家に伺うと「柔らかい伊勢うどんは疲れた胃に負担をかけずに吸収が良くなるという長所がある」という。

所さんのポイント
ポイント1
伊勢うどんには、お伊勢参りで歩き疲れた参詣客へのおもてなしの心があったのだ!

②疲れた足に焼酎!?昔ながらの秘伝を大実験

 この日1日で歩くこと28キロ。しかし、ゴールはまだ先。後藤アナの疲労もピークに達しています。そこで用意したのは…「旅行用心集」という、江戸時代に書かれたお伊勢参りのガイドブック。中には、くたびれた足を治す秘伝が載っていたんです。そこで、実際に試してみることに。すると!御師役のスタッフがなんと液体を足に吹きかけた!実はこの液体、焼酎だったんです。では、焼酎を足に吹きかけて一体何の意味があるのか?専門家に聞いてみると、「現代でいうアイシングに相当すると思います」。
 そこで目がテン!大実験。水と焼酎をそれぞれ足に吹きかけ、どんな違いが出るのか実験します。被験者の女性の右足に焼酎、左足に水を同じ回数吹きかけ実験スタート!サーモグラフィで足を見てみると、焼酎をかけた右足が青くなっています!しかし観察を続けると…今度は一転、焼酎をかけた右足がなぜか赤くなってきました!さらに続けると、焼酎をかけた右足には青い部分が完全に無くなり、赤い部分が広がっていきます!
 では、一体なぜ焼酎をかけると急激に冷え、その後一気に温まるのでしょうか?専門家によると、「アルコールの気化熱によって足が冷やされて、その反動で足が暖かくなる。身体が温まると血液の循環が良くなり老廃物も排泄されて疲労が早く回復してくる」という。

所さんのポイント
ポイント2
焼酎を吹きかけるのは疲れを癒やす、昔ながらのお伊勢参りの知恵だったのだ!

③最高級のおもてなし 伊勢エビの意外な生態とは?

 江戸時代、お伊勢参りをした人たちにおもてなしとして振る舞われた伊勢エビ。訪れたのは、伊勢で70年続く老舗料理店。頂いたのは、全長30センチ、1キロを超える伊勢エビのお刺身。気になるお値段はなんと・・・2万円!では、なぜ伊勢エビはこれほど高級なんでしょうか?
 そこで!高級のヒミツを探るため、スタッフが伊勢エビ漁に同行!すると、港を出てたったの5分。目印のブイを発見!実は、伊勢エビは港に近い浅い岩場に生息しているんです。また、暖かい所を好むため寒さに弱く、水温が低い冬になると岩の隙間にジッとしてなかなか出てこないんです。しかも漁ができるのは、資源保護のため10月から4月の半年間だけ。なかなか大量に獲ることはできません。
 その後、漁から港へ戻ると、始まるのが網から伊勢エビを外す作業。傷つくと価値が下がるため、手作業で丁寧に網から外します。その後、伊勢エビは市場で大きさごとに分けられますが、中には800g以上の「ジャンボ」と呼ばれる巨大伊勢エビもごく稀に獲れることがあるそうです。でも、そんなに獲れずに扱いづらいなら、養殖すればいいのでは?そこで、伊勢エビを研究している松田さんを訪ねると、なんとそこで目にしたのは、薄っぺらい奇妙な生物。実はこの生物、伊勢エビの幼生「フィロソーマ」という生後5ヶ月の赤ちゃん。
 伊勢エビは成長が遅く、フィロソーマからプエルルスと呼ばれるエビの形になるまでおよそ1年間もかかります。さらに、商品としての価値が出るまで4年。そして、ジャンボに成長するには10年以上の時間が必要なんです。その生態は未だに謎が多く研究中であり、養殖技術も確立されていないんです。

所さんのポイント
ポイント3
伊勢エビは100%天然モノで成長が遅く希少なので、高価だったのだ!




場所・建物編へ人間科学編へ
前週 次週
ページトップ

ジャンル別一覧 日付別一覧
番組に対する、ご意見、ご感想等ございましたら、番組メールボックスの方にお寄せ下さい。
宛先は、 megaten@ntv.co.jp です。
原則、質問にはお答えできませんが、頂いたメールは、番組スタッフが閲覧し、今後の番組作りの参考にさせていただきます。