水路
の科学
第1224回 2014年4月27日
行楽シーズン到来!今回は東京の知られざる魅力をご紹介!
それは…水路から見た、東京の様々な風景。実は、江戸時代から、東京はヴェネチアに匹敵する水の都だったんです!そして、2012年の東京スカイツリー開業以来、水路をめぐるツアーがブームになっています!そこで今回の目がテンは、水の都・東京の魅力を再発見!水路を科学します!
①水路からの景色はなぜ魅力的なのか?
ヒトはなぜ、水路から見る景色に魅力を感じるのか?
環境心理学の専門家・槙究教授に聞くと、「水路からの景色の魅力には、シンメトリーであること、連続性があることが関わっていると思います」。シンメトリーとは「対称性」のこと。水路では、両岸が左右対称になり、水路に反射した風景が、水面を境に上下対称になっています。
また、両岸の建物に「連続性」を感じていたのです。
近くの道路から見える景色と比較してみると…シンメトリーや連続性がある景色は見当たりません。では、シンメトリーや連続性があると本当に、人は魅力を感じるのか?そこで!去年のゆるキャラグランプリで1239位とイマイチの人気だった、品川区・立会川商店街のゆるキャラの「りょうくん」に協力してもらい実験!
商店街で売っているりょうくんのぬいぐるみは手作りで一体、600円。まずは、黒い板の上にぬいぐるみをバラバラに並べて値段を聞いてみます。すると、合計10人に聞いたところ、平均は310円と実際の値段のおよそ半分という結果に。
そこで!今度はりょうくんを鏡の上に置き、上下対称の「シンメトリー」を作ります。さらにV字型に連続して並べて、値段を聞いてみました。すると、同じく10人に聞いたところ、平均はなんと!936円!シンメトリーと連続性を意識した並べ方をしただけで、値段は3倍になったんです。
水路の景色に魅力を感じるのは、「シンメトリー」と「連続性」に秘密があったのだ!
②水路ツアーは短く感じる?船VS車 体感時間実験!
なぜ、水路ツアーは時間が短く感じられるのか?
そこで、Aチームは船、Bチームは車で同じ時間で移動し、体感時間に差が出るのか実験です!ルートはお台場から浅草まで。移動時間は60分。船と車、同じ60分で移動した後、どのくらいの時間に感じたか聞いてみると・・・結果、両チームとも同じ時間で移動したにも関わらず、船に乗ると、車より37分も短く感じていたんです!
一体どうして、船では時間を短く感じたのでしょうか?
専門家に聞くと、「おそらく車から見る景色というのは、普段見慣れている光景。それに対して船から見るシーンというのはいつもと視点が違いますし普段見ない景色だと思います。ひとつひとつの景色に集中すると時間経過にあまり注意が向かない」。
水路の魅力は、時間を忘れるほど、スペシャルな景色を見られることにあったのだ!
③屋形船VS会議室!料理のプロたちが食べ比べ!
江戸時代からの定番の川遊び、屋形船。中でも、屋形船ならではの楽しみが・・・。新鮮な海の幸を中心にした和の料理の数々!特に、屋形船料理に欠かせないのが…船で揚げる、揚げたての天ぷら!聞いてみると、屋形船で食べると料理を美味しく感じるという声が!
そこで!普通の会議室と屋形船で同じ料理を食べ比べ、味の感じ方にどのくらい差が出るのか実験してみます!そして料理をするのは、後藤アナ!エビとホタテと菜の花を使った後藤アナ特製「エビとホタテと菜の花の塩麹炒め」を作ります。
そして今回、その味を判定するのは…料理界のプロ「土井善晴」「吉岡英尋」「名倉千恵子」さんのお三方。まずは、会議室での試食から。3人は、同じ人間が全く同じ料理を作ることは知らされていません。後藤アナは、試食の様子を別室で見守ります。すると、会議室での試食の結果…3人の評価は「土井善晴:星4つ」「吉岡英尋:星2つ」「名倉千恵子:星3.5」という結果に。そして3時間後…一同そろって屋形船に移動。後藤アナは屋形船の調理場で、前回と同じ材料、全く同じレシピで、料理を作ります。厳しい表情で試食する3人のプロ。
しかし、ここで驚きの変化が!なんと!3人の評価は「土井善晴:星6つ」「吉岡英尋:星4.5」「名倉千恵子:星5つ」と、全員、会議室での評価より星の数がアップしていたんです!
料理のプロでさえ、同じ料理でも屋形船で食べるとおいしく感じる。
一体どうしてなのでしょうか?専門家に聞くと、「屋形船の空間は普段部屋の中にいる空間とは違う空間。川の上の気持ちの良さ、風景の気持ちの良さというものがあるために、食べ物の評価にも表れてしまった」。つまり、屋形船という特別な空間が心を高揚させ、料理がよりおいしく感じられるようなんです。屋形船に乗った時の3人のプロの様子を見てみると…確かに、明らかに屋形船によって3人はハイテンションになっています!
屋形船の魅力は、料理をおいしく感じる"特別感"にあったのだ!
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