方言
の科学
第1225回 2014年5月4日
国の宝とも言われる「方言」に隠された秘密を科学!
①東北弁の噂を調査!ボソボソ話すのは寒さのせい?
東北弁についてこんな噂を聞いたことはありませんか?東北弁が口を大きく開けずボソボソ話すのは、寒さによるものだという話。でも、これって本当!?そこで!青森県に行ってきました!さっそく町で地元の人に話を聞いてみると、こもった発音で、ほとんど聞き取れませんでした。
そして東北弁はボソボソと話し、更に言葉が短いという特徴もあることが分かりました。これは、やはり寒さによるものなのか!?専門家に聞いてみると、東北弁が寒さでボソボソした話し方になったというのは俗説であるとのこと!東北は典型的な農村型社会。つまり非常に小さなコミュニティで、いつも限られた相手と会話をするので、ハッキリ話さず、短い言葉でも伝わります。そのため、言葉の合理化が進みあのような話し方になったとのことです。
では!農村型社会が生んだ東北弁とは正反対!都市型社会の方言の秘密は何なのか?専門家によると、都市型社会の代表が関西弁。いろんな知らない人たちが集まる街。そうなると、言葉づかい、発音も明確にしなくてはいけない。アクセントも高低をはっきりするということが出てくるらしい。
では関西弁は、街なかでも良く聞きとれるのか?農村型の方言の東北弁と比較実験です。東北と関西に10年間住んだことのあるナレーターの方に協力を依頼。こちらのアメ横に関する文章をそれぞれのイントネーションで読んでもらいます。雑踏の中に、方言を流すラジカセを設置し音量を同じにセット。各地方出身の被験者は、ラジカセから4m離れた場所に立って、聞き取れた内容を4つの空欄に記入します。果たして違いは出るのでしょうか?
まずは東北弁!結果は残念ながら全問不正解。続いて関西弁!なんと結果は4問中3問正解!もう一名ずつ実験してみましたが、同じく関西弁の方が良く聞き取れたという結果になりました。ちなみに、標準語でも実験してみたところ、二人共関西弁より聞き取れませんでした。
農村型社会で発達した東北弁は言葉が簡略化されボソボソに!商人の町で発達した関西弁は、雑踏の中でも、良く声が聞き取れるのだ!
②方言女子は本当にモテるのか大実験!
そこでこんな実験!会場で男女8人の合コンを開催!ただし女性陣の中の1人、Bの女性は青森出身、1人だけ故郷の津軽弁で話してもらいます。そして外見で判断されないよう女性陣は全員仮面を付けて合コンを行います!果たして方言女子Bさんはモテるんでしょうか?
実験スタート!するとBさんのあきらかに違うイントネーションに男性陣は困惑気味…。次第に全員が笑いに包まれます。さらに、Bさんの方言によってなごやかな雰囲気となってきました。そして1時間の合コンが終了!ここで男性陣に気になった女性を聞いていきます!すると、結果、なんと4人中3人がBさんを選んだのです!念のため男性陣を入れ替え再び合コンを開催!すると…またもやBさんの方言に話題が集中!結果、全員が方言女子のBさんを選んだのです!
なぜここまで方言女子はモテるのか?言語心理学の専門家に聞いてみると…「標準語=書き言葉であり堅い言葉。逆に方言は人間と人間の距離が近くなると感じやすい言葉になる」。そもそも書き言葉として作られた標準語は堅苦しく感じやすいもの。一方、方言は話し言葉として発展してきたため初対面でも親しみを感じやすい特徴があります。そのため方言の女性に好意を持った男性が多かったのです。
ではここで逆の実験を!やってきたのは青森県!津軽弁地域のこちらで再び合コンを開催します!津軽弁を話す参加者の中で、Bさんは1人東京から標準語で参戦!今回は逆バージョンの方言女子VS標準語女子!どちらがモテるか対決です!津軽弁の挨拶にリアクションのよい男性陣。そして…突然の標準語に男性陣は緊張。Bさんの東京話に興味津々。いつしか彼女への津軽弁講座に。そして1時間後気に入った女性を聞いてみると…なんと方言女子を差しおき標準語のBさんが一番人気に!専門家によると「青森では津軽弁が標準語のようなもの。それに対し希少な珍しい言葉として東京弁、標準語がある。自分たちと違う、魅力的と感じた。」とのこと。
津軽弁の中に1人だけ標準語の女性がいるという希少性から男性陣は好意を持っていたのだ!
③方言と標準語で同じ意味なのに、聞いた時の感じ方はなぜ違う?
方言と標準語の違いを探るためある実験を!協力してもらうのは正統派漫才・パンクブーブー!ボケの佐藤さんの出身は大分、つっこみの黒瀬さんは福岡とそれぞれ九州出身なんですが普段は標準語で漫才をしています。2人に協力してもらい漫才を使った実験を!標準語と地元の言葉でそれぞれ漫才をした場合お客さんにどのような反応の違いが出るのかを検証します!そして披露する相手は、日本語のわからない外国人の皆さん!外国人は2人の漫才にどういう反応をするのでしょうか?
まずは普段通り標準語の漫才を披露してもらいました!お客さんに面白かったかどうか表は笑いマーク、裏は無表情のマークの札で判定してもらいます!すると…面白かったと判定したのは11人中4人のみ!理由をたずねると内容が全く理解できなかったため厳しい結果となりました。
パンクブーブーには、申し訳ない実験ですがなんとか気を取り直してもらい、今度は同じネタを地元の言葉に直し披露してもらいます。同じネタであるためお客さんを入れ替えて検証します。さあ果たして挽回することはできるのでしょうか?
すると、先程とは違い笑顔の方が多く見受けられます。先程面白かったと答えたのは11人中4人のみでしたが…今回は、なんと11人中9人が面白かったと判定!お客さんに話しを聞いてみると…日本語がわからないにも関わらず多くの方になんとなく内容が伝わっていたのです。これはどういうことなのか?専門家に聞いてみると…、標準語は硬い印象に対して方言は感情を込めやすいと言われている。そのため方言の漫才がお客さんに伝わったのでは、とのこと。
大事なプレゼン、異性への告白など感情を伝えたい重要な場面では地元の言葉を混ぜて使ってみてもいいかもしれないのだ!
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