演歌
の科学
第1227回 2014年5月18日
昨年、紅白初出場を果たした福田こうへいさん!
さらに!AKB48初の演歌歌手岩佐美咲さんの「鞆の浦慕情」が、今年、演歌勢5年ぶりのオリコン1位!いま、世間では「演歌」が大きな話題を呼んでいるんです!実は、"ある方法"をマスターすれば、誰でも簡単に、演歌が上達するというんです!本日の目がテンは、"日本の心"演歌の知られざるテクニックを科学の力で解明します!
演歌カンタン上達法①「遠吠え」でこぶしをマスター
演歌は、ある3つのポイントをマスターすれば誰でも見違えるように上達するというんです。今回伺ったのは、科学に基づいた歌唱指導法「YUBAメソッド」を確立させ、これまで何人もの演歌歌手を指導してきた弓場徹先生。先生が教えてくれた演歌を上手に歌うポイントは3つ。
「①こぶし」
、
「②ロングトーン」
、
「③地声と裏声の使い分け」
、この3つをマスターすれば演歌を上手く歌う事ができるんだとか。
そこで!演歌上達法を身をもって体験するべく、後藤アナが特訓!まずは、最初のポイント"こぶし"の練習にとりかかります。
そもそも、"こぶし"とはいったい何なのか?先生に聞くと・・・「よくビブラートとこぶしって取り違える人がいるけど、まったく別物。ビブラートは同じ(周期的な)揺れ。
こぶしはメロディを飾る様に、音に装飾するようにホワっとつける」。こぶしとは、音階と音階の間に、楽譜上にはない、細かなメロディを入れて歌っているんです。でも、どうすれば"こぶし"をマスターできるのでしょうか?先生が提唱したのは「犬の遠吠え」。なぜ犬の遠吠えが、こぶしの上達につながるというのでしょうか?先生に聞いてみると・・・「輪状甲状筋を歌う筋肉って呼んでいるんだけど、こいつをうまく使わないと、こぶしの細かい速い動きは使えない」人間の首の中で、"こぶし"を回すための重要な役割を果たしているのが、輪状甲状筋(りんじょうこうじょうきん)と呼ばれる筋肉。この筋肉が"縮む"と"高い声"が。"伸びる"と"低い声"が出ます。そして、強く長い高音を発する犬の遠吠えを繰り返すと、この輪状甲状筋が効率よく伸び縮みするため、こぶしのような細かな節回しには最適な訓練だったんです。
演歌上達法 ポイント①『こぶし』
「犬の遠吠え」で輪状甲状筋が効率よく伸び縮みするのだ!
演歌カンタン上達法②「腕相撲」ロングトーン
続いてはロングトーンの練習。でも、ロングトーンとは一体何なのでしょうか?先生に聞くと、「ロングトーンとは一息で長く声を出せるかどうか」。演歌歌手の歌を聞いてみると、どれも一息で長く歌う歌が多いですよね。息が長く続かないのは、息をムダ使いしているからだというんです。
では、一体どういうことなのか?実験です!気体の流れを観察できる特殊な装置を使って、演歌歌手と一般の人の"息の出し方の違い"を見てみましょう。まずは演歌を歌ったことのない女性から。装置の前に座り、声を出してもらうと・・・息が、前に向かって勢いよく出ているのがわかります。続いて協力してくれるのは、今年、デビュー29周年を迎えた演歌歌手・広野ゆきさん。
先ほどの女性と同じ方法で息の出方を見てみると・・・息の量はごくわずか。勢いも弱いことが分かります。つまり、ロングトーンの秘密は、"少ない息"にあったんです!
でも、いったいどんな特訓法でロングトーンをマスターできるのか?すると!先生が用意したのは・・・なんと腕相撲。本当にそんなことで声が伸びるのでしょうか。さっそく後藤アナが腕相撲発声法に挑戦!実は腕相撲をすると、自然と体に力が入るため、声帯が閉じ無駄な息が漏れなくなるというんです。
演歌上達法 ポイント②『ロングトーン』
「腕相撲」をすることで自然と体に力が入り、声帯が閉じ、ムダな息が漏れなくなるのだ!
演歌カンタン上達法③「腹話術」で地声と裏声の使い分け
続いて、3つめのポイント「地声と裏声の使い分け」。そもそも、演歌ではなぜ地声と裏声の使い分けが重要なのでしょうか?先生に聞くと、「地声と裏声の2つの色合いを持つことで、いろんな色合いの表現ができる」。"力強さ"や"雄々(おお)しさ"を表す時は地声。"かよわさ"や"寂しさ"を表す時は裏声と、両者を上手に使い分けることで、演歌を感情豊かに表現できるというんです。しかし、この使い分けがいかに難しい事なのか?声帯で説明すると・・・地声の時は、声帯をコントロールできるためキレイに振動させることができます。
一方、裏声は、声帯の中の筋肉が強く伸びているため、音程をうまくコントロールできないのです。地声と裏声とでは、声帯の運動の仕方が違うため両者の切り替えがスムーズにできず、声が詰まってしまいます。この現象を・・・喚声点(かんせいてん)ショックといいます。確かに、特訓前の後藤アナは、喚声点ショックが起きていました!プロの演歌歌手は、この喚声点ショックが起こらず、地声と裏声をスムーズに切り換えていたのです。
では、どうすればこの2つの声色を自在に操れるのか!?先生が取り出したのは、なんと「腹話術人形」!人形がしゃべるときには裏声、自分がしゃべるときには地声と、腹話術トレーニングを行えば、二つの声色を自由に行き来できるというんです。
演歌上達法 ポイント③『地声と裏声の使い分け』
「腹話術」で地声と裏声をスムーズに切り換えることで、演歌を歌う際、二つの声色を自由に行き来できるのだ!
番組に対する、ご意見、ご感想等ございましたら、番組メールボックスの方にお寄せ下さい。
宛先は、
megaten@ntv.co.jp
です。
原則、質問にはお答えできませんが、頂いたメールは、番組スタッフが閲覧し、今後の番組作りの参考にさせていただきます。