知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


第1回 実験グランプリ
第1250回 2014年11月2日


 高校生からプロの実験パフォーマーまで全国の科学大好き人間がスタジオに集結!「第1回 目がテン!実験グランプリ」。実験のおもしろさはもちろん、チャレンジャーのキャラクター、情熱、ハプニングまでを幅広く、所さんが評価、最終的には独断でグランプリを決定します。

★エントリーNO.1 東海大学チャレンジセンターサイエンスコミュニケーター

 神奈川県平塚市。緑豊かな東海大学湘南キャンパス。ここに集まっていたのは、学部の壁を超えた学生およそ50名で構成される、科学のプロジェクトチームサイエンスコミュニケーター!科学の楽しさを広めようと、ボランティアで、地域の施設や小学校などを訪れ、科学実験イベントを行っています。今回チャレンジする実験は「真空実験」。

 まず、こちらの白い花。でも、これ本当は白じゃないんです。一体、本当の色は何色なのか?真空の力を使うと、この花の本当の色が見えてくるんです。真空装置に水に浸けた花を入れると、ボコボコ泡が出てきます。実は花ビラの中には、結構な量の空気が入っているんです。その花の中の空気が抜けて、出てきているんです。こうしておよそ10分間後、真空装置の空気を元に戻してみると・・・白い花が透明に!

 実はこれ、一度空気を抜き再び戻したとき花の中に空気の代わりに水が入り透明になったんです。赤や青の花が、それぞれの色に見えるのは色素があるから。

 ところが、白い花には色素はなく、白く見えているだけだというんです。秘密は、その細胞にあります。花びらの断面を横から顕微鏡で拡大してみると…黒く見えているものが細胞の隙間に入り込んだ空気。花の細胞と空気では光の屈折率が違います。そのため、光が様々な方向に散乱し反射して白く濁って見えるのです。細胞の中の「空気」を抜いて、代わりにそこに水が入った場合、水は花の細胞と光の屈折率がほぼ同じであるため光は散乱せず通過します。その結果、花は透明になったというわけなんです。

所さんのポイント
ポイント1
白い花って、白い色素があって白く見えてるんじゃない。空気のせいだったのだ!

★エントリーNO.2 海城高校 理系3人組チーム

 新宿区大久保にある、海城高校。中高一貫制の男子校で都内有数の進学校です。今回のチャレンジャーは高校3年理系3人組!彼らは、数学研究会に所属し、研究発表など、数学を通じて様々な活動をしています。なんと全員東大志望!そんな3人の実験は「エッグドロップ」。彼らは去年「エッグドロップ甲子園」に出場。全国の高校生が参加できる大会で、規定の紙だけで容器をその場で工作、中に生卵を詰めて10mの高さから落として、卵を割らずに着地させる方法を競う大会です。どんな容器にすれば卵を守れるのか、それぞれが知恵を絞る、まさに科学の総合頭脳競技!卵を割らないだけでなく、いかに美しく守れるかも審査のポイント。この大会で、海城高校チームは去年、見事3位に入賞!どれほど難しいのか、工作には自信がある酒井が挑戦。大会で使われたものと同じ紙を使って容器を作成!紙を丸めてクッションにしたものや、パラシュート型など8種類を工作!中に生卵を入れ、10mの高さから落としてみると・・・卵は木っ端微塵。8種類あれば、どれかは成功するのではと、続けましたが全部失敗という結果に。一体どうやったら卵が守れるのか?

 理系3人組が作った物は、方眼紙だけを使い紙を丸く切って、切込みを入れて羽を作り、円錐状に丸めただけのシンプルな作り。挑戦する高さは、3人がいつも練習していた高さよりもさらに上、15mから挑戦です。本当に卵は割れないのか・・・結果は大成功!

 ポイントは、この容器の形状。東大志望の3人が作ったこの容器を東大の力学の教授に分析してもらいました。教授は「ヒミツは3つ。ひとつは「衝撃吸収」。円錐の先端から地面にあたって潰れていくことで、衝撃が卵に届く前に、衝撃を吸収している。2つめは、「空気抵抗」。落下速度を緩やかにすることで、衝撃を和らげる。3つ目は、「安定性」。くるくると回転することにより、落下ポイントがブレにくく、先端から着地する」ということ。『非常に面白い設計だ』と、東大教授も絶賛でした。

所さんのポイント
ポイント2
シンプルな作りで、落下の衝撃を緩和する機能を満たした容器が卵を守ったのだ!

★エントリーNO.3 謎の覆面男「ミスターS」

 京都からやって来た科学実験大会荒らし「ミスターS」。彼の特技は「発明」。自宅の工房で日夜発明に明け暮れています。部屋の中には、これまで作ったちょっと実用性がなさそうな変わった発明品の数々が!そんな彼の生実験は、色んな種類の小銭を一瞬で仕分けできる装置。見事に硬貨の種類ごとに仕分けされました!ポイントは磁石!普通、磁石は硬貨にくっつきません。けれど、磁石を動かしてみると動きます。磁石の近くで金属を動かすと「電磁誘導」で生まれる力を受けからなんです。この力のかかり方が金属の種類によって違い、コインを落とした時のブレーキのかかり方が変わってくるので、コインを選別できたということなんです。

所さんのポイント
ポイント3
重さや大きさではなく、小銭の素材で種類を仕分ける、地味だけどスゴイ実験だったのだ!

★エントリーNO.4 米村でんじろうサイエンスプロダクション

 難しい科学を、楽しくわかりやすく伝える、科学エンターテイナーの先駆け、米村でんじろう先生率いるチームでんじろうからのエントリーです。
 どうやったら科学を楽しく感じてもらえるか、日夜、研究に明け暮れている彼らが見せる実験は「身近なものに電気を通すとどうなるか」実験です!
 まず、シャーペンの芯。電気を流すと・・・最初は赤く光り、次いで白っぽく非常に明るく光り消えてしまいました。シャーペンの芯は、炭素で出来ていて電気を通します。空気中の酸素と反応して、最後には数千度の高熱を帯び燃え尽きてしまったんです。

 今度は、このアルミ箔。普通のアルミ箔を細長く切ったものに電気を通すと・・・爆発した!?実はアルミ箔は「蒸発」したんです。アルミニウムの蒸発するときの温度は、およそ1000度。高電圧をかけると、高熱が発生し一気に蒸発温度に達するので、一瞬で蒸発し、爆発したように見えたんです。

 そして、もうひとつ実験!今度は所さんに体験して頂きます。所さんがビニールの空間に入ってみると、声が高音に変わりました。中にヘリウムガスが充満しているんですが、そんな所さんに袋に入った別の気体を吸ってもらうと・・今度は声が低音に!
 実はこれ「クリプトン」という気体で、吸うと声が低くなるんです。声は、吐いた空気が、喉にある声帯を通って口の中や鼻孔などの空気を振動させて作られています。ヘリウムガスの場合、空気よりも軽いため、振動が早くなり、高い声になります。逆にクリプトンガスは重いので、振動が遅くなり、低い声になるというわけなんです。ヘリウムとクリプトン、それぞれの気体が入った風船で比べると一目瞭然!

所さんのポイント
ポイント4
人の声は、吸う気体の重さが変わると振動の速度が変わり、いつもと違う声になってしまうのだ!

 今回のグランプリは、エッグドロップ実験を披露してくれた海城高校理系チームの皆さん!おめでとうなのだ!
 目がテンでは「実験グランプリ」への参加者を大募集中!スタジオで生実験を披露してくれる方、資格や年齢は問いません。ご応募、お待ちしているのだ!



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