自然をテーマに研究してきた科学者たちが集結し、誰もがやってみたくなる田舎暮らしを実践する長期実験企画!それが・・・目がテンかがくの里!
昨年1年をかけて、荒れ放題だった土地を緑豊かな田畑へと蘇らせ、秋、所さんを招いての収穫祭で、里の恵みに舌鼓!そして2年目を迎えた今、かがくの里2大プロジェクトが動き出します!新たな科学者が登場し、長年放置された裏山を探検!豊かな恵みに溢れる里山として再生するプロジェクトがスタート!さらに!自然エネルギーの専門家・根本先生が新たな試みに挑戦!
①挑戦!里でとれたものだけで"特製納豆"作り
2月中旬。松村昭治先生は、何やら忙しそうに動きまわっていました。その理由は…。かがくの里で穫れた津久井大豆を使って特製納豆を作っていたのです!今や幻とまで言われる津久井大豆。今年初めに開いた餅つき大会では、津久井大豆のきなこで、きなこ餅を作りました。地元の方にも大好評だった津久井大豆を使って、今度は納豆を作ろうというのです。
まず、保存してあった稲わらをヒモで結わい"藁つと"と呼ばれる納豆の入れ物を作ります。藁には納豆菌が付いています。"藁つと"に入れられた大豆は納豆菌の働きで発酵し、納豆になるのです。すると松村先生、出来上がった藁つとを沸騰したお湯の中へ。実は納豆菌の胞子以外の雑菌は、100℃のお湯で煮沸することで、ほとんどが死滅。つまり、この藁つとには現在、納豆菌の胞子だけが付いているということになるのです。この中に、一晩水に漬けてから蒸かした大豆を入れます。これを、納豆菌が最も活性化する40℃程度で保温しておけば、2〜3日程度で納豆になるのです。
そして保温のために松村先生が用意していたのは…。微生物の発酵熱で、50℃〜60℃程度まで温度が上がる装置。土の中の微生物が落ち葉などの有機物を利用して急激に増殖します。その際に放出される熱で、温度が上がる仕組みで、以前根本先生が作った自然由来のヒーターを応用したもの。まず微生物の活動を活性化させるため、お湯をかけていきます。あとはここに藁つとを並べて、納豆の完成を待つのみ。それから1週間。果たして納豆はどうなっているのでしょうか!?スタジオで、所さんが幻の津久井大豆納豆を試食すると大絶賛。納豆作りはみごと大成功!
②新たな科学者と放置された裏山を調査
今年1月。かがくの里にやってきたのは、野生動物の専門家・山本麻希先生。その理由は…去年から続けているイノシシの調査!
さっそく里の近辺をチェック!松村先生がようやく作り上げた畑の一歩手前までイノシシがやってきた痕跡が!イノシシの多発に脅かされるかがくの里。実は近年、日本各地でイノシシによる被害が増え続けており全国的に深刻な問題となっているのです。農林水産省によると、イノシシによる農作物被害額はおよそ55億円。さらに街に出てきたイノシシに人が襲われて怪我をしたり、死亡者まで出ています。
イノシシの被害が、ここまで深刻化してしまった理由のひとつを山本先生は「昔から山の中にイノシシはいたが、山奥にイノシシがいて私達が暮らしている里の間には里山って呼ばれる薪とか墨をとるような山があったんです、そうすると山の手入れがされているから動物が下りてくると人のにおいもするし、見通しもよい刈り払われた山なんで、そういう所にイノシシは出てきたくない。ところが今里のすぐ裏が奥山みたいな密林になっていて、それが奥山までつながっているからイノシシが奥の山から里のすぐ近くまで人目に触れずに降りてこられる。こういう里山の変化も、イノシシが里の近くに下りてきやすくなった、原因」と解説。そう、長年放置され人の手が入っていない裏山がイノシシにとって、人里への侵入ルートとなっていたのです!
そこで、今年からかがくの里では里山再生プロジェクトを始動!放置された裏山を立派な里山に再生し、イノシシとの共生を目指します。その方法は?ということで、かがくの里に新たな科学者が加わってくれることに。森林総合研究所の奥田裕規先生です。自然と人の共生をテーマに長年研究を続けてきたまさに里山作りのエキスパート!さっそく、今の状態を確認するため、鬱蒼とした裏山の中へ。人が全く整備していないからか、険しい山道が続きます。登ること10分。地面の落ち葉を見た松村先生は「昔の農家は冬になったら落ち葉をかき集めて家に持ち帰って堆肥を作ったんです」と語りました。本来なら堆肥に使える落ち葉も、手入れがされず、生え放題になった植物や、折れた木などが転がっているこの状態では集めることが難しいそうです。かつて里山だったはずのかがくの里の裏山は、驚くほど荒れ果てた状態にあることがわかったのです。
③松村先生の提案とは?
荒れ果ててしまっていたかがくの里の裏山。奥田先生は、どんな方法で里山を復活させるというのでしょうか?
里山再生プロジェクト、最初の課題は若い木が成長しやすくするため古い木を切って間引くこと。これを間伐といい、残った若い木は太く真っ直ぐに育つことが出来るのです。間伐するだけではなく、出た資源をあますところなく利用すること。それが里山の再生につながるといいます。里山の再生に向け、一歩を踏み出した科学者たち。すると、間伐の必要性を知った松村先生からあるアイディアが。
実は今、松村先生はパンに適した小麦品種の栽培実験を行っています。
そこで…松村先生のお願いで急遽、新たな発明に乗り出すことになった根本先生。里山の資源、薪を使った窯作りに挑戦です!
④根本先生の新たな挑戦!窯作り
突然の松村先生のムチャぶりで焼き窯を作ることになった根本先生はまず、ホームセンターへやって来ました。根本先生が買い出ししたのは、レンガ。何やら頭の中ではすでに設計図がある様子ですが…1時間後、いろいろな資材を買いこみかがくの里に戻ってきた時にはすでに真っ暗。おなじみロケットストーブと同じ高さにした台を作り始めました。
そもそもロケットストーブとは、外から取り込まれた空気が上昇気流となり、燃焼効率よく熱を発生させる装置ですが、このままでは下からしか加熱が出来ません。しかしパンやピザを焼くためには上からの加熱も必要。そのために、この台が必要だというんです。
頭の中の設計図を元に、まるでパズルのようにレンガを組んでいく根本先生。そして、気温1.7℃の中、作業すること1時間。出来上がったのは、この不思議な装置。これが根本先生の考える焼き窯の試作品だというんです。根本先生が考えたのが、レンガで熱の通り道を作り、ロケットストーブの熱が一定方向に流れることで上下両面から加熱できる構造。この構造なら、ロケットストーブの燃焼効率も落ちることなく、その熱でパンやピザが焼けると言います。
早速火を着け…窯が温まるまで待つこと30分。窯が十分に温まったところで…ためしにピザを焼いてみます。果たして、うまく焼きあがるのでしょうか…?
待つこと3分・・・。全体に程よく焦げ目がつき、焼きムラもなし!
熱を循環させるレンガ作戦は大成功のようです!とりあえずの材料で作った試作の窯ですが結果は大満足!さらに改良を重ね、今年はかがくの里で美味しいパンやピザが焼けそうです!
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