ポールダンス
の科学
第1320回 2016年4月3日
今や体育の授業に導入されるほど身近になったダンス。
そんな中…今、女性の習い事として注目されているのがポールダンス!
美しく華やかな演技に魅了され、多くの女性がレッスンに通っているそうなんです。今回の目がテンは今、"女性"の注目度急上昇!「ポールダンス」を科学します!
①スポーツとしてイメージ一新!ポールダンスに後藤アナ初挑戦
去年、国際大会で優勝したポールダンサーのMOMOさんがインストラクターを務めているポールダンススクールを訪れてみると……スタジオの中では、設置されたポールに逆さまになり、ポールダンスの練習に励む女性たちの姿が!こちらに通う100人以上の生徒さんは、一般的な職業に就いている方がほとんど。中には、母親の影響でポールダンスを始めたという女子高生も。さらに!別のスクールでは…キッズコースを開設しているところまで!一体なぜポールダンスがこんなにも幅広い層に広まったのでしょうか?
その理由を、国際大会で優勝経験を持つインストラクターのMOMOさんに聞いてみると…「今まではセクシーなショーとしてのポールダンスが人気でしたが最近では、スポーツやエクササイズとして人気が出てきた」と解説。セクシーなショーとしてのイメージが強く、興味はあってもなかなか身近にはならなかったポールダンス。しかし、最近はエクササイズとして生まれ変わることでイメージが一新!さらに、2012年のロンドンオリンピックでは…エキシビジョンとして世界大会が開かれるなど、その競技人口は100万人以上!スポーツとしても人気を集めているんです!
そこで!後藤アナがポールダンスに挑戦してみます!ダンス未経験の後藤アナでもポールダンスができるようになるんでしょうか?MOMO先生に指導していただきます。実はポールダンスは、ポールから滑り落ちないように、皮膚との摩擦を利用して、体をポールに固定するんです。露出度の高いセクシーなポールダンスの衣装。そこには、ちゃんと意味があったんですね。初心者の私は、皮膚を保護するための摩擦力の高いタイツを履いて挑戦します!最初に教えてもらった技は…ベーシックスピン!ポールに脚をかけ、それを軸に体を回転させるポールダンスの基本中の基本!一見簡単そうに見えますが…脚をポールにかけるタイミングが難しく先生のようには、なかなかうまく回れません。
しかし、4回目のチャレンジで…みごと成功。勢いにのった私は、続いてこんな技にもチャレンジ!「アップサイドダウン」。アップサイドダウンとは、蹴り上げた脚をポールに絡ませ、逆さまになるこれぞポールダンスという技!
危険のないよう、入念にやり方を教わりいざチャレンジ!どうですか所さん!先生の補助はありましたが、見事、アップサイドダウンも成功です!
あまりの楽しさにその後、30分間ポールダンスの練習を続けていると、どんどん汗をかいてきて、いい運動になりました。
ポールダンスは楽しいスポーツとしてイメージを一新することで、幅広い世代に広まっていたんです!
②ロデオマシンでダンサーたちのバランス力チェック
信じられないアクロバティックな技を繰り出すポールダンサーの身体能力!一体、体のどこが優れているのでしょうか?数々のトップアスリートの体を診てきた、早稲田大学・スポーツ科学学術院・金岡恒治先生に聞いてみると…。「宙に浮いた状態で身体をポールで支えている。その状態でポールに対して(身体を)横向きにしようとするそういう姿勢は体幹筋の機能がかなり発達していないとできない。」ポールダンサーは発達した体幹筋でバランスをとっている?
そこで!この複雑に揺れながら回転するロデオマシーンをつかってバランス力対決です!エントリーしてくれたのは…バランス自慢の4人のダンサー!まずは、回転系ダンスはお手の物、ヒップホップダンサー!不安定な高い場所は大得意!全日本(ぜんにほん)選手権にも出場したチアリーダー!美しい姿勢を常に保ち続ける社交ダンサー!そして、この強敵たちを迎え撃つのはポールダンサーのMOMOさん。
ルールは頭の上に乗せた皿にピンポン球を10個載せてすべてが落ちるまでのタイムを計ります。試しに私と、一般の女子大生が挑戦してみると…2人とも10秒も耐えることができませんでした。果たしてこの強力な回転に4人は耐えられるのか?そんな強力ロデオマシーンに、バランス自慢のダンサーたちが挑戦です!スタートとともに、ヒップホップダンサーがポロポロと落とし、結果は8秒。
その後…チアリーダーと社交ダンサーは順調にタイムを伸ばしていきますが…30秒を過ぎたところで、チアリーダーが脱落。結果は33秒。ただ1人残った社交ダンサーは姿勢もブレることなく、ぐんぐんとタイムを伸ばしていき…結果、1分13秒とダントツの記録!それでは、いよいよポールダンサーの番です。果たして、社交ダンサーの大記録を越えることができるのか!?まずは安定した滑り出し。17秒を過ぎた辺りから、少しバランスを崩し立て続けにピンポン球を落としてしまいますしかしその後は持ち直し、またも安定した乗りこなし。社交ダンサーの記録に向け、1分の大台が見えてきた、その時!最後の1個を守りきれず、57秒、という結果に終わりました。
4人の結果を見ると、ポールダンサーと社交ダンサー、2人の記録が抜きん出ています。この実験映像を金岡先生に分析してもらいます。すると、ポールダンサーと社交ダンサーにはそれぞれのダンスの特性から、バランスの取り方に違いが見られたんです。金岡は「社交ダンサーはいつも体を真っ直ぐに床に対して垂直に立てた状態をキープする。そういう風なことには長けていたんだと思いますポールダンサーはダンスの競技の特性上、ポールという一本の軸に対して、そこを中心に体をいろんな位置に持ってくわけです。臨機応変に筋肉が働くような状況を作らなきゃいけないので、それに応じて体をいい位置に持っていくボディポジションの能力が高い」と分析。
ポールダンサーの身体能力の高さは、軸に対して様々なポジションに体をコントロールする優れたバランス力にあったんです。
③ポールダンスでポッコリおなか解消!?
いつの時代も、多くの女性が抱える悩みといえば…そう"ポッコリおなか"。
そもそも、その原因はどこにあるのでしょうか?篠宮クリニック・大関泰麿先生に聞いてみると…「もちろん理由はいろいろあるかと思いますが、1つにはお腹の筋肉が非常に弛緩してしまって胃が下に垂れ下がってしまってる。胃下垂という状況があると思う」と解説。先生によると、ポッコリおなかの原因となる胃下垂を解消するためには、おなかの筋肉を鍛えることが重要とのこと。もしかしたら、ポールダンサーのお腹がスッキリしているのは、ポールダンスでお腹の筋肉が鍛えられているからなのでは? そこで、長年ポッコリおなかに悩む3名の女性で検証です!まずは、現在のおなか周りのサイズをおへその下で計測。たしかに3人とも、少しお腹周りがポッコリしているようです。続いては、病院に移りレントゲンで胃の位置を確認。正常な人の場合胃の位置は骨盤よりも上にあるのですが…3人の写真を見てみると、全員の胃が骨盤よりも低い位置に。
やはり胃下垂の状態であることがわかりました。それでは、いよいよ実験です。3人には、この日から1日1時間のポールダンス練習を1週間、続けてもらいます。3人にポールダンスを教えてくれるのは…このスクールのNo.1インストラクター シゲコ先生!3人は、先生にポールダンスの基礎からしっかり学びます。私が体験したベーシックスピンや、アップサイドダウンも習いましたが…やはり最初からうまくはいかない様子。それでも、みなさんとっても楽しそう!さらに3人には、自宅でもポールダンスの基礎練習である"足上げ"を10分、3セット行ってもらいました。翌日からも、3人は慣れないポールダンスに悪戦苦闘!それでも練習を続けると、全くの初心者だった3人が徐々に上達を見せ、技を身につけていきます。ついにやってきた、練習最終日。
なんと逆さまで、両手を離すという大技ができるまでに上達!肝心のポッコリおなかは解消されたのでしょうか?いよいよ計測です!まずはおなか周りの数値から。なんと1週間でおなか周りが3.5cm、サイズダウン!他の2人も7cm、6cmと大幅にダウンしました!では…胃の位置はどうなっているのでしょうか?
こちらの女性は…1週間前、胃の半分近くが骨盤の下にありましたが…なんと!1週間前に比べ、胃の位置が4.7cmも上がっていたんです!ほかの2人も、3cm近く上昇し、胃下垂が改善していました。
お腹の筋肉が鍛えられるポールダンスはポッコリおなかに効果があるようです!
番組に対する、ご意見、ご感想等ございましたら、番組メールボックスの方にお寄せ下さい。
宛先は、
megaten@ntv.co.jp
です。
原則、質問にはお答えできませんが、頂いたメールは、番組スタッフが閲覧し、今後の番組作りの参考にさせていただきます。