かがくの里・田舎暮らし
の科学
第1348回 2016年10月30日
科学者たちが未来に繋がる楽しい田舎暮らしを目指す長期実験企画「かがくの里」ハロウィンSP。
①珍カボチャ収穫!
9月初旬。秋晴れのなかカボチャの収穫!今回、かがくの里で栽培したのは、この地域の特産物「里川カボチャ」という品種。本来は、里川カボチャはかわいらしいピンク色が特徴なんですが、今回収穫した里川カボチャは緑やオレンジで色はバラバラ。この謎を解明するため後日、里川カボチャを育てていらっしゃる地元農家の荷見さんを訪ねました。
畑にはピンク色の里川カボチャしかありません。荷見さんによると、畑の2km以内で緑色のカボチャを栽培しているとハチやアブがその花粉を運び里川カボチャに受粉させしまうのだそう。ただし!色が変わっても、味に差はないとのこと。そこで、里川カボチャの味を確かめるため食のサイエンティスト露久保先生に里川カボチャを料理してもらいます。まず味見をするとかなり甘いカボチャのよう。 このカボチャを使ってみんなでハロウィンパーティーの開催を決定!
ピンクの里川カボチャは色が緑でもとっても甘いのだ!
②ハロウィンパーティーを彩る風力発電
ハロウィンの準備に取り掛かっていると、自然エネルギーの専門家・川村先生が変わった形の風車を持って登場。これはサボニウス型風車。川村先生の研究対象!風力発電の装置です。風が吹くと筒状の上部が縦回転し、下に設置したコイルが連動して回転。自転車についているライトと同じ原理で電気が作れます。風車というとプロペラをイメージしますが、サボニウス型ほんのちょっとの風で回ります。その秘密は羽の形。真上から見る半円が2つ中心をズラして置いてあります。一度受けた風の力をもう一度内側から利用できるため風速が弱くても回りやすいんです。
川村先生によると、かがくの里のような山間だと、どこから風が吹くかわからず、普通のプロペラ風車だと、正面から風が来た時しか発電できないのだそう。周りが山に囲まれたかがくの里にピッタリの風車なんです。しかも、サボニウス型風車は身近にあるものでも簡単に作れます。
用意するのはポリバケツとアクリルの板。そして自転車のライトを光らせる発電コイルだけ。まずは土台となるアクリルの板をコイルに乗せ固定します。アクリルの板が回れば、コイルと連動し電気が付く設計。ポリバケツは真っ二つにし、2つの半円の中心をズラし、土台のアクリル板に固定します。最後にポリバケツで作ったハネが上に来るようにして完成。試しにライトを取り付けるとちゃんと発電できました。
この電気でハロウィンパーティーを彩る"あるもの"を光らせるのだ!
③かがくの里ハロウィンパーティー本番!
まずは料理!調理科学の専門家・露久保先生にはカボチャの甘みを活かしたスイーツを作って頂きます。まずは、プリンとパイ両方に使うカボチャを切り、鍋で蒸していきます。通常蒸す時には水を沸騰させてから具材を入れるんですが今日は水の状態からカボチャも入れて一緒に蒸していきます。低い温度のところから火にかけていくことで段々カボチャの中の温度がゆっくり上昇。60度くらいになるとカボチャの中の酵素が働いて、より甘くしてくれるそうです。60℃をゆっくり通過させながら蒸す事30分。甘みを最大限に引き出したカボチャでプリン作り!カボチャと、卵・牛乳・生クリームをミキサーで混ぜ合わせて、カラメルを下にしいたカップに流し込みあとは蒸し焼きにするだけ!そこで使うのは、前回パンがとっても上手く焼けた阿部窯を今回も使います!およそ180℃で30分ほどじっくりと蒸し焼きにしていきます。
続いて、カボチャパイ作り!まず、より滑らかさを出す為にカボチャに生クリーム、卵黄を加え、餡が出来たらパイ生地を作ります。使う強力粉は松村先生がパンやピザを作る為に7か月かけ、かがくの里で大事に育ててきた小麦を製粉したもの。強力粉だけだともちもちしすぎてしまうのでサクサク感を出す為、薄力粉と混ぜて使います。生地作りで大事なポイントはバター。バターが溶けてしまうと、パイ生地特有のサクサク感が出ないんだそうですよ。一度、冷蔵庫で冷やしてから、めん棒でのばしては、折り畳みを繰り返し、生地の層を作ります。こうして出来た生地で、カボチャ餡を包み表面に卵黄を塗ったら、あとは焼くだけ!
焼き上がりを待つ間、川村先生と阿部さんが作った風車の電気を使ってハロウィンらしいランタンを作りします。お手伝いしてくれるのが地元の子供たち。みんなが思い思いのカボチャお化けを書いていき大人がくり抜きカワイイお化けのランタンが完成。
午後6時、すっかり日が落ちたところで、かがくの里オリジナルハロウィンパーティーの始まり!科学者ドラキュラ、科学者海賊、子悪魔科学者と科学の先生たちも変装!
料理はハロウィンらしい顔がかかれたカボチャパイ!カボチャ餡に砂糖を使わず甘いスイーツができました。カボチャプリン!子供たちはこちらもペロリ!大満足だったようです。
ハロウィンパーティーも締めくくり。子供たちを畑に案内し見せるのは、みんなで作ったカボチャランタン!風力発電と繋がっています。かがくの里に浮かび上がった手作りのカボチャランタンが幻想的に輝きました。でも実は、この日のかがくの里はそよ風すら吹かない全くの無風。だから、風じゃなくって手で回してます。それでも子どもたち、喜んでくれました。
風は吹かなかったけど、ハロウィンパーティーは大成功に終わったのだ!
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