毎年恒例となった公開録画、舞台は北海道。秋の北海道はとてもいい季節。そこで、登場とあいなったのが矢野左衛門。ターゲットはダイナミックな魚「サケ」。科学の素浪人が北の大地で暴れまくる!
サケはサケ科サケ属の魚。ところが、サケ属には、サクラマスやら、カラフトマスやら、ベニザケやら、マスとサケがごっちゃになっています。実は、サケやマスと名が付いているものに関しては、実は特に意味がなく、新しく発見した似たような魚に関して、後からどんどん名前を付けていった結果、学問的な分類とはかけ離れたものになってしまったのです。
矢野左衛門がサケ釣りに出かけたのは、北海道の東、標津・忠類川。エサにはイカをつけ、優雅に川釣りです。ところが、いきなりヒット!さすが川で釣れる最大の魚だけあって、すごい引きです。しかし、よく見てみると、サケはエサを食べていません。実は、サケは川を遡り始めると、産卵のためにエサを食べなくなってしまうのです。そしてエサを外敵と勘違いして、自ら体当たりしてくるのです。
海のサケは銀色ぴかぴかなのに、川で釣り上げたサケを見てみると、なにやら汚いまだら模様が出ています。その模様は、婚姻色と呼ばれるもの。オスは縦にまだら、メスは横に太く一本の線がでます。ところが、オスなのに横に太いメスの模様が出ているサケがいるではありませんか!実は、メスを争うケンカに負けたオスはストレスでメスの色になってしまうんです。
海産物でバーベキューをしていて、ふと感じることはありませんか?マグロやカツオなどの赤身の魚は熱を加えると真っ白になってしまうのに対し、サケは若干ピンク色が残ります。そこで、稚魚をさばいてみると…なんと身が白い!実は、サケは白身の魚なのに、海でのエサに含まれている赤い色素に染まって、赤くなるのです。マグロの赤い色素が熱に弱いのに対し、サケの赤い色素は熱に強く、変色しないため、熱を加えても赤いままなのです。
| サケは白身魚が赤く染まった魚だった!
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サケは太平洋の大海原をアラスカまで行って、また元の川に帰って来ます。それならば、よほど体力があるに違いない!ということで、流れる水槽を使って、サケの持久力をチェックしてみることにしました。すると、アジが体長の3倍の流速にまで耐えられたのに対し、サケはあえなくダウン。サケは案外力弱いことが分かったのです。サケはもともと川魚で、海に下っていった魚のため、白身の魚で持久力があまりないのです。
| サケは持久力があまりない川魚だった!
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身近なサケといえば、何と言っても塩鮭。塩鮭は新巻鮭を切って焼いたものですが、新巻鮭の作り方はとても簡単。内臓をとって塩をすりこむと、もう出来上がりなのです。ところが、現在の新巻鮭は作るそばから冷凍庫行き。なぜ冷蔵庫に入れなくてはならないのか?新巻が保存食だった時代、伝説の新巻鮭作りに矢野左衛門が挑戦!昔ながらの新巻には脂が少なく変質しにくい川に遡ったサケを使い、塩を山ほど刷り込んで作ります。そのお味は…保存には優れているものの…味の方はやはり塩辛い!?
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