秋!といえば、おいしいおイモのシーズン。サツマイモ、ジャガイモ、サトイモ…どれもおいしいイモばかり。でも、その中でちょっと変わったイモがあります。それがヤマイモ。他のイモは煮たり、蒸かしたりして食べるのに、ヤマイモだけはなぜかいつも生。いわゆるトロロとして食卓に並びます。いったいどうして?
実は、ヤマイモというイモの種類はありません。ジネンジョ、ナガイモなど、一般的にトロロにして食べられるイモをヤマイモと呼んでいます。その中でも最高級なのが、野生種のジネンジョ。香り、粘りともに最高だと言います。そこで、そのジネンジョを探すべく、千葉の山奥へ…しかし、ジネンジョは地上から見たところただの雑草。なかなか見つかりません。そこで、ジネンジョのつるを探し、元をたどってゆっくり掘り起こしていくと、長々としたイモが姿を見せたのです。
栽培種のヤマイモは5月頃タネイモを植え、8月にはもう開花します。開花した頃から、地下のイモは急激に育ち始め、11月頃収穫となります。一方、野生種のジネンジョは、茎に出来るムカゴと呼ばれる小さなイモをタネイモにして育って行きます。そこで、矢野さんがさっそくトロロを食べようと掘り当てたジネンジョとナガイモをすり下ろしてみました。すると…なんと両方とも黒く変色してしまったではありませんか!普通、トロロは白くきれいなもの。いったいどうしてこんなことが?実は、ヤマイモの収穫方法に秘密がありました。ヤマイモは枯れてから収穫するのが普通。枯れる前だと、成長過程で分泌される物質が酸化するため、黒くなってしまうんです。
ヤマイモはトロロにして生のまま食べるのがあたりまえ。では、他のイモはトロロに出来ないのか?そこで、ジャガイモ対ヤマイモ、生のまま消化対決!すると、ジャガイモにはデンプンを分解する酵素が含まれていないため、圧倒的にヤマイモの勝ち!ヤマイモは生のままでも消化しやすいイモなのです。では、ヤマイモは加熱調理して食べると一体どうなる?肉じゃがと焼き芋に挑戦したのはいいのですが…ほろほろと崩れやすく、なにやら歯ごたえのない変な食べ物になってしまいました。
| ヤマイモは生で食べてなんぼ!
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ヤマイモがトロロになるのは、あのネバネバがあるから。あのネバネバは糖タンパクと多糖類。これは、ヤマイモの原産地である熱帯の乾期をしのぐため、水分を保持している必要があるからです。でも、どうもネバネバがいやでヤマイモが食べられないというひとも多いはず。そこで、目がテンでは、ネバネバなしトロロ制作に挑戦!ネバネバが無くてもトロロと呼ぶことが出来るのか?ネバネバを分離し、モチのような奇妙なトロロがここに誕生。
トロロを食べると気になること、それがかゆみ。その成分とは、500回SPでも話題になったコンニャクイモと同じ成分。では、かゆみのないトロロを作ることが出来るか?実は、かゆみ成分が主に含まれているのは皮に近い部分。中心近くにはほとんど含まれていません。そこで、中心部分だけでトロロを作ってみると…意外にかゆくないトロロが完成!
| ヤマイモは真ん中だけを食べればかゆくない!
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