国宝であり、世界文化遺産にも指定された京都東山の銀閣寺。実は、今から500年前、銀閣寺が作られた当時、金閣寺に対抗して、銀閣寺に銀箔を張り巡らす計画があったのです!しかし、財政難で計画は頓挫。そこで矢野さんが立ち上がった!銀を極めて銀閣寺に銀箔を張るぞ!
銀はここ数年、アクセサリとして若者の間でブームになっています。身の回りにも、フォークやナイフなど探してみると銀製品がいっぱい。しかし、銀の欠点といえば、金と違って簡単にさびてしまうこと。黒くなってしまうと、銀製品は台無しですよね。そこで、高級レストランでは、閉店後毎晩、銀食器を磨き上げているといいます。しかし、それはとても面倒。実は家庭でも簡単にできる銀のさびとり法があります!沸騰したお湯に少々の塩を入れ、銀製品をアルミホイルにくるんで10分煮立たせ、その後さらに10分待つだけ。それだけで、あ〜らきれい、さびは取れてしまいます。
しかし、よく考えてみると、そんなめんどくさい銀が、西洋ではどうして古来から食器に使われているのでしょうか?実は、銀は昨今話題の毒、「ヒ素」とよく反応するため。銀を食器に使っていると、ヒ素を盛られたときに、食器の色が変わって、事前に危険がわかるというのですが、本当なのでしょうか?そこで、実際にヒ素を垂らしてみると、待てど暮らせど何の変化も起こりません。実は、昔のヒ素はともかく、最近のヒ素は純度が高く、銀とよく反応する硫化ヒ素がほとんどないためなのです。
| 現代のヒ素は銀食器と反応しない!
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銀とよく比較されるのがやはり金。銀と金は金属としても微妙に違います。銀は金よりも少しだけ酸や熱に弱いのですが、電気や熱の伝導率は金属の中で一番なのです。しかし、銀の値段は金の値段のおよそ50分の1。とても安い!
現在でこそメキシコやペルーなどが主な銀の産出国ですが、その昔は日本は世界最大の銀の輸出国だったのです。しかし、矢野さんが銀を求めていったのは鉱山ではなくフィルム会社。実は日本の銀の消費量の半分近くはフィルムで、しかもリサイクルがしっかり行われているのです。フィルム一本あたり0.2g、その多くは定着液に流れ出すため、そこからリサイクルが可能なのです。
| 銀が最も多く使われているのはリサイクル可能なフィルム!
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金箔、とはよく耳にしますが、銀箔なんてあるのでしょうか。実は銀箔は工芸品などはもとより、薬などのコーティングによく使われています。銀は金に次いで薄く伸びる性質を持っているため、極限まで薄くして銀箔を作ることができるのです。そこで早速、矢野さんが銀箔づくりに挑戦。しかし、伝統の技の壁は厚く、鼻息でも飛んでしまう銀箔。金箔ほどでないにしろ、銀箔はわずか1万分の4ミリですからしかたがありません。
銀箔を手に入れたら、後は銀閣寺にそれを張るだけ。ところが、銀閣寺は国宝なので、簡単には銀箔を張ることができない!矢野さん大ピンチ!そこで、精巧な模型に銀箔を貼ることに、ところが残念なことにアッという間にさびてしまいました…。
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