所さんの目がテン！

難しいからハマる！？そば打ちの不思議な魅力

　そば打ち教室に通う、中高年男性の皆さんに、ハマった理由を聞いてみると…多くの人が、「そば打ちが難しい」からハマってしまったというんです。
　人のモチベーションに関する研究をすすめる、心理学者の角山剛教授に聞いてみると…「定年をむかえると、一生懸命何かができる場がなくなってしまう。今まで難しいことにチャレンジして、それを乗り越えてきた人たちは、難しければ、よし頑張るぞっていう気持ちになりやすい。中高年男性にとって、定年後の自分を発揮できる場っていうのがそば打ちなのでは」と解説。

　さらに、話を聞いた人全員が、家族から自分が打ったそばを「とってもおいしい！」と褒められていたんです。でも、それは家族だから一応褒めているお世辞なのでは？
　そこで実際に皆さんの打った、打ち立てそばを頂いてみることに。すると、とっても香りゆたかで美味しかったんです。その理由を食品科学の専門家・山田昌治教授に聞いてみると…山田先生は「アルデヒド類という揮発性の化学物質が日本そば独特の香りにつながっているが、その中でも特にヘキサナールというアルデヒドが非常に強く発生している」と解説。

　そこで、そばの香りのもとであるヘキサナールの量がそば打ちの後、どのくらいの時間でどれだけ変化すのか計測してみました。すると…打ち立てのヘキサナールの量を１００％とした場合、わずか１時間後に７７％に減少！そばの香りは、打ち立てじゃないと減ってしまうことがわかったんです。ヘキサナールの量が打ちたてから時間がたつに連れてどんどん揮発して少なくなっていくため、「打ちたての日本そばは美味しい」と言われるようになったんです。

楽器経験ナシでもできる？ドラムの魅力とは

　ドラムにハマっている皆さんに話を聞いてみると、驚きの事実が判明。それは、楽器未経験でも、少しの練習でドラムが叩けるようになる！ということ。そこで実験！楽器未経験の５０代男性に、ドラムのレッスンに挑戦してもらいました。
　最初に学ぶのは８ビート。右手でハイハット、左手でスネアドラム、右足でバスドラムを叩きます。
　最初は、右手、左足、右足を同時に動かすのが難しいようで苦戦していますが…、しばらく練習を続けると…驚いたことにわずか１０分で８ビートが叩けるようになりました。
　ここで、ビートルズの名曲「ヘイ・ジュード」に合わせて叩いてみることに。すると、なんと、練習開始から３０分で曲に合わせて叩けるようになったんです！
　この時の脳の状態はどうなっているのでしょう？脳神経の専門家、奈良学園大学の辻下守弘教授の協力のもと、計測してみます。

　すると、練習を始めたばかりの時には平常時とあまり変わらない活動をしていた脳が、「ヘイ・ジュード」に合わせて叩いているときは、脳全体が活発に活動を開始。辻下教授によると、これはドーパミンという楽しさを感じたときに出るホルモンが脳に分泌されて、喜びが満ち溢れていることを意味しているんだそう。快楽が記憶に残ると、「またやりたい」という気持ちになるため、このような脳の活動がでることが継続を促す要因になってくると言うんです。

ドラムで脳を活性化！？レッスン前後で脳年齢に変化

　最近、物忘れが激しくなってきたという７０代の男性３人に、初心者用のドラムレッスンを１時間受けてもらいます。すると、４５分ほどで、ビートルズの曲に合わせてドラムが叩けるようになりました。

　脳年齢を測ることができる装置でレッスン前後の脳年齢を計測してみると、３人中、２人の脳年齢がアップ！ドラムには脳を活性化するような効果があるようです。しかし…１人だけは、６９歳から８２歳へと、脳年齢が高くなってしまいました。実はこの方、３人のなかで一番、８ビートの習得に苦戦。ここに原因が。
　実は、リズムにうまいこと合わずに焦ってしまい、逆にストレスがかかったことで脳が疲労をしてしまい、最初に比べると成績が悪くなってしまったんです。