第1415回 2018.03.04 |
移住体験・大分県豊後高田市 の科学 | 場所・建物 |
自然に囲まれた豊かな暮らし。今、第二の人生を新たな土地に求める人が増えています。そんな中、住みたい田舎ランキングで6年連続ベスト3に入る注目の移住先が、大分県・豊後高田市です。一体なぜ人々はこの町に惹かれるのか?その秘密を科学の目線で調査するべく、一週間の移住体験をします。実際に生活し、人々とふれあうことで見えてきた“理想の移住生活”とは!?
今回の目がテンは、今、注目の移住先「豊後高田市」人気の秘密を科学します。
移住に欠かせない家探し!
この移住プロジェクトに抜擢されたのは、俳優の金丸慎太郎さん。舞台や映画を中心に活躍、酒井さんの後輩でもあります。そんな金丸さんが、移住体験プレゼンターとして、町の魅力を体験リポートします。羽田から飛行機で1時間45分、大分空港からバスで50分。やって来たのは、県北部に位置する豊後高田市。まずは家を探すため市役所へ。ここでは空き家バンクと呼ばれる、市内にある空き家を、移住者向けに格安で提供するサービスを行っています。早速、担当の方と物件を見に行きます。まず向かったのは、高台にある立派な一軒家。
和室が5部屋に10畳の洋室が一部屋。そして台所には立派なキッチンも!そんな“6DK庭付き一軒家”の家賃は…、なんと5万円!実はこの破格の安さも、移住者に人気の理由なんです。しかし、一人で住むにはちょっと大きすぎると考えた金丸さん。そこで、別の物件を紹介してもらいました。
一人暮らしに程よい大きさで、間取りは、和室が2部屋。そして1部屋ある洋室からは海がのぞめます。さらに家の隣には物置まで付いた3DKオーシャンビュー物件の家賃は…破格の2万円!ここでは、常時50軒以上の空き家が登録されており、暮しに合わせた様々な物件が選べるのも魅力です。
家も決まり、ここからいよいよ1週間の移住体験がスタート!まず移住生活では、ご近所との付き合いが何より大事。そこで、挨拶まわりを続けていると、同じ移住者の方と出会いました。加藤さん夫婦。4年前、名古屋から豊後高田市へ移り住んできたそうです。移住の先輩として、金丸さんに興味を持ってくれたようで、その日の夜、夕食でもてなしてくれました。ごちそうになったのは、「米仕上牛」。飼料用のお米を食べさせて育てる、豊後高田市特産のブランド牛です。
夕食後、第二の人生の場所に、豊後高田市を選んだ理由を聞きました。加藤さんは「温泉がある、食べ物が好きな物がある。かなり自分の希望を満たしてくれた。あと海が近い。だからこれはもう絶対だなと思った」と言います。移住初日から、人の暖かさに触れた金丸さん。こうして、移住生活1日目が終了。
借りられる空き家が豊富で先輩移住者に相談できる環境があるのだ!
先輩移住者から学ぶ町の魅力とは?
移住生活2日目。この日、朝早くから向かったのは、初日に夕食をご馳走になった加藤さんの家。先輩移住者の仕事場に同行させてもらいます。町のシルバー人材センターで見つけたという、牛の世話をする仕事。週に4回、午前中のみ働いています。年配の方でも働ける仕事がある、これもシニアに人気の秘密です。
午前中で仕事を終え、ここからは自由時間。お昼は、加藤さん行きつけのお蕎麦屋さんへ。実は豊後高田はそばの産地。春と秋の年2回、新そばが楽しめます。オススメは、本格手打ちの十割そば。さらに、そばに欠かせない白ネギも町の特産だといいます。昼食後、加藤さんとネギ畑へ行ってみました。西日本有数の白ネギの産地である豊後高田市。その理由は、海水を壁でせき止めてできた干拓地。砂地の土壌は水はけも良く、水に弱いネギが育ちやすい環境なんです。そして夕暮れ時。ここで加藤さんが案内してくれたのは、この土地特有の絶景スポット。遠浅の砂浜に波が打ちつけ、砂を削ることでできる「砂紋」。潮が引いた時に現れます。しかも、黄金色の夕日と干潟が織りなす景色は、日本の夕日100選にも選ばれる絶景!
こうして2日目が終了。
移住生活3日目。この日は、近所に住む、別の先輩移住者を訪ねます。
訪ねたのは、池之上さん夫婦。移住前は横浜で運送業を営んでいましたが、3年前、豊後高田市の自然に惚れ込み、移り住んできたそうです。移住して初めて行った家庭菜園。比較的、温暖な気候のため、冬でも栽培できるんだそうです。さらに小屋では、ニワトリの飼育も。こうした暮らしが送れるのも移住生活の楽しみの一つです。さらに、池之上さんの楽しみが温泉。保温効果に加え裸の付き合いで、気軽に仲良くなれる。これも豊後高田市の魅力の一つです。また市内には、様々な泉質の温泉が6つもあり、中には70歳以上であれば200円で入ることができる所も!
金丸さん、移住生活2度目の夕食ご招待。自宅で育てたニワトリのお肉を使ったとり天。さらに大分の郷土料理、団子汁を頂きました。こうして3日目の移住生活を終えました。
年間を通して晴れの日が多く暮らしやすい、しかも泉質の違う温泉に手頃な値段で入れるのだ!
自撮りでリアルな移住生活を調査!
移住生活3日目の夜。ここでスタッフから“ある提案”が!「周りにカメラマンやスタッフがいては、相手の本音は引き出せない…」。そこで残り4日間は、自らカメラを回し、よりリアルな移住生活を撮影してもらうことに。移住生活4日目、一人になって初めて迎える朝。やって来たのは、あの素敵な夕日を眺めた海岸です。貝掘り名人に同行し、地元でとれるマテ貝の取り方を教わりました。その後、とったマテ貝は遠山さんのお宅でご馳走に!食卓に並んだのは、マテ貝のお味噌汁、マテ貝のネギとバター焼き。マテ貝の刺身。ワケギとマテの酢味噌あえと、マテ貝づくし!
その日の夜には、地元のカフェ店主が節分行事に誘ってくれました。向かったのは、「椿堂」というお寺。餅まきや厄よけに参加し楽しい時間を過ごしました。さらに6日目は山登りへ。豊後高田市の自然も満喫しました。こうしてカメラに収められていたのは、地元の方との充実した日々。そして1週間の移住生活を終え…スタッフが合流。この家ともお別れ。すると、移住生活で出会ったみなさんが、別れのあいさつに来てくれていたのです。
美しい自然だけでなく、地元に暮らす人々の温かさが人気の秘密だったのだ!