第1439回 2018.08.19 |
第6回 実験グランプリ[後編] | 物・その他 |
目がテン!実験グランプリ後半戦!後半戦も、おもしろ実験目白押し!衝撃の瞬間をお見逃しなく!
光るディナー キッチンの科学プロジェクト
後半戦最初のチャレンジャーは「食育団体、キッチンの科学プロジェクト」。キッチンの科学プロジェクトは子ども向けに食育イベントを行うボランティア団体!代表の金子さんは、イベントで食と科学を組み合わせた実験を披露。科学実験のワクワクと好奇心で、食に対して興味を持ってもらいて食育活動に繋げられたらとの思いで、実験しています。
金子さんの実験は、キッチンで役立つものばかり!例えば!わずか30秒でつくるホイップクリーム。
普通、手作業で生クリームからホイップクリームを作ろうとすると出来上がりまでおよそ5分かかり、結構疲れます。しかし、金子さんによると、混ぜる前にヒミツの液体を入れておくだけで本当に、30秒で、ホイップクリームができました!
実は金子さんが入れた秘密の液体とは、レモン汁。レモン汁に含まれるクエン酸は、生クリームのたんぱく質と合わせると固まる性質があります。その効果で、短い時間でホイップクリームができたんです。
そんな金子さんが、スタジオで見せてくれる実験はあっと驚く、おいしい実験。スタジオに登場したのは、所さんに真心を込めたメッセージ付きの特製のオムライス!しかし、メッセージは見えません。そこで、金子さんが取り出したのは、不思議なライト。ライトの光を当てると「所ラブ」のメッセージが。
オムライスに当てていたブラックライトは、紫外線を放つ道具。ホームセンターなどで手に入ります。紫外線を蛍光の色素を持つものに当てると、鮮やかな光を放ちます。通常は見えないですが、紫外線を当てると パスポートやクレジットカードの一部が光り、識別に役立つなど、蛍光色素は身近なところにも利用されています。実はこの蛍光色素、人体に不可欠なある栄養素にも含まれているんです。それがビタミンB2。代謝を促進しエネルギーを作り出す栄養素です。先ほどのオムライスの文字は、このビタミンB2の錠剤を溶かした水溶液で書かれたもの。そのため、紫外線を当てると文字が浮かび上がったのです。
ビタミンB2を多く含んでいる食材でも、紫外線を当てれば必ずしも、その表面が光るとは限りません。光りやすい食べ物のひとつが、納豆。原料である大豆に含まれるビタミンB2がネバネバした糸に含まれています。さらに、スタジオでは栄養ドリンクも紹介。
残像の実験 首都大学東京・システムデザイン学部
つづいてのチャレンジャーは東京都日野市にある、首都大学東京・システムデザイン学部。この学部の卒業生で、現在は大学で働く須田拓也さん。実はこの研究室、画期的なアイテムを世に出しているんです。
一見普通のクツに見えますが、動くとクツが光り、楽器の音が。これは、クツの中に動きを検知するセンサーとLEDが入っており、クツのアクションに合わせて、様々な光り方と音を鳴らす形になっています。
車イスの利用者の声を受け開発されたのが、こちらの車いす。車イスを動かすと、その動きと連動して、電車の走行音が響いてくるんです。
人間の動きと科学技術を組み合わせることで、これまでにない新たなものを生み出してきた研究室。今回、須田さんが披露するのは、『残像』の実験です。
まず、須田さんが取り出したのは、表には鳥、裏面には鳥カゴが書いてある道具。両手で挟み込み、前後に回転するように動すと、鳥が鳥籠の中にいるように見えてきます。これは、残像の一種で、鳥と鳥籠は同時には見えていないはずなのに、高速で動くことによって、人間の目と脳では同時に見えているように感じてしまうんです。
さらに須田さんが、見せてくれるのは、光の動きによる残像。その実験に使うのが、小さいドミノです。並べているのは、須田さんが開発したオリジナルのドミノ。実は、驚きの仕掛けが隠されています。最後の5つだけ違うのですが、注目して見ていると、一瞬、「目がテン!」の文字が浮かび上がりました!
どういうことなんでしょうか?
ドミノで浮かび上がった「目がテン!」の文字。ドミノのフタを外すと、中にはLEDライトが並んでいました。このLEDライトがドミノが倒れる瞬間に光って、文字を作っているんです。その仕組みを目のピースで説明します!実はドミノが倒れる一瞬の間にライトは様々なパターンで5回光ります。5回の光るパターンを見てみると、光るライトの数を変えて倒れながら、「目」という字を作っていました。この光が残像効果でつながって、1つの文字が浮かび上がっていたのです。
さらに残像ドミノの拡大版が登場!全部で150個のドミノを使い、3行の文章を残像で浮かび上がらせます!浮かび上がったのは、「所さんの目がテン!30ねんおめでとう」でした!
テレビ初公開のサイエンスショー 麻布学園化学部
最後のチャレンジャーは、麻布学園化学部。東大合格者が多い進学校として有名な男子校、麻布学園。年に一度の晴れ舞台、文化祭でのサイエンスショーに向け、おもしろい実験の開発に取り組んでいます。
まず使うのは、0点のテスト用紙。お母さんにバレるとまずいので、燃やしちゃうとのことです。そこで、取り出したのは魔法の粉。そして線香を近づけます。すると、炎は上がりましたが、テストは全く燃えていません!
続いて披露するのは夏の風物詩、花火を使った実験です。花火に火をつけた状態で水に入れても、火が消えずに燃え続けています。水中から出してみても、この通り!
1つ目の実験。炎が激しく上がっているのに、どうして紙は燃えなかったのでしょうか?紙の上に置いていたのは、非常に燃えやすい薬品。激しく炎が上がりますが、すぐに消えるのが特徴。この短い時間で、紙の温度は上がらず、燃えることはなかったんです。
2つ目の、消えない花火。水に触れても、なぜ消えなかったのか?通常、火は水の中に入れると消えてしまいます。それは、燃えるのに必要な酸素がなくなるため。しかし、花火の火薬には燃焼を激しくするため、酸化剤という酸素を生み出す成分が含まれています。火薬が燃えながら、自ら酸素を生み出すので花火は水中でも燃え続けることができたんです。
最後の実験は、お茶を使った実験。レモンティーが、シェイク!シェイク!シェイク!と振るだけで、ストレートティー、さらには緑茶と次々と色がかわってしまいました。実はこのお茶、何に変えても、すぐにレモンティーに戻っちゃう魔法のお茶なんです。
これは「交通信号反応」という現象でポイントは、酸素の量。中の液体は、実はお茶ではなく、グルコースと水酸化ナトリウムという2種類の薬品を溶かした水溶液にインジゴカルミンという青い着色料を混ぜたもの。液体が黄色くなったら、準備完了です。
ペットボトルの中の酸素と混ざることで、液体は赤色に。さらに大きくふって、もっと大量の酸素と混ざることで、緑色に変化します。ふるのをやめると、液体に混ざっていた酸素が出ていき、元の色へと戻る、というわけなんです。
前編・後編に渡って紹介してきた実験グランプリ。
第6回実験グランプリに輝いたのは、「エントリーナンバー2 ぱぱとはる」の「火を使わずにお湯を沸かす実験」に決定。おめでとうございます!